住宅ローンを組む時には、自分の年収ならいくら借りることができるのか心配な人も多いでしょう。
欲しい物件があっても、住宅ローンの審査に通過しなければ意味がありません。
今回は年収700万円の人が住宅ローンを組んだときにいくらまで融資してもらえるのか、また審査通過するための年収に関するポイント、そして住宅ローンを借入した時にどれぐらいの返済負担になるのかを解説していきます。
年収700万あれば審査に通る?
年収700万円という金額は決して低い年収ではありません。
日本人の平均的な年収は400万円~500万円程度と言われていますので、年収700万円というのは日本の平均年収から見ても高めの所得水準と言えます。
そのため、年収700万円の方は、それなりに生活にゆとりがあると考えてしまいがちです。
しかし、年収700万円であっても、必ず住宅ローンの審査に通るというわけではありません。
年収700万円の人が住宅ローンの審査に通るためのポイントについて確認していきましょう。
年収700万の生活レベルとは?
年収が700万円あると聞くと、それなりに贅沢な暮らしをしているのではないかと思う人も多いでしょう。
しかし、生活にゆとりがあるかどうかを決めるのは年収だと考えがちですがそれだけではありません。
例えば、独身で実家暮らしの人が年収700万円あれば、かなりゆとりのある暮らしができるだろうと想像できます。
しかし、結婚をしていて中学生や高校生の子供が3人だという人の場合は、例え、700万円の年収があっても、それほど裕福な暮らしができる訳ではありません。
特に子供の塾や進学費用などを考えると、ゆとりがあるどころか生活が苦しいという人もいるかもしれません。
このように、年収が同じ700万円だとしても状況によってまったく生活レベルが変わります。
もちろん、銀行の住宅ローン審査でも、年収だけでなく、家族構成や、年齢など、申込人の生活状況は考慮されます。
そのため、年収が700万円あれば住宅ローンの審査には絶対通ると単純には言えないのです。
審査に通るポイントとは?
住宅ローンの審査で重要なのは返済能力です。
特に年収の額は住宅ローン審査の重要なポイントとなります。
この時、気を付けておきたい点は、住宅の購入価格と年収とのバランスです。
年収700万円の人が住宅ローン審査に通るためには、物件の購入価格が年収に対して高すぎないことが大切です。
無理をして高級な物件を購入しても、将来返済できなくなるようなことなればせっかくのマイホームを手放すことになってしまいます。
また、将来子供などにかかる費用が増えることを想定してシミュレーションをしておくことも重要です。
可能であれば、貯金ができるぐらいの余裕をもった金額でローンを組むことが理想的です。
さらに、車のローンを組んでいる人やカードローンなどでお金を借りている人のように住宅ローン以外で毎月返済がある人も、審査に影響があることを覚えておきましょう。
住宅ローンの気になる審査基準はこちら
住宅ローンを借入するコツ!住宅ローンの申込方法から借入基準を公開
年収700万の人の借入可能額
年収700万円の人が住宅ローン審査に通って借入できる金額はいくらなのか、返済負担率などから確認していきましょう。
審査に通過する返済負担率とは?
一般的に、住宅ローン審査でもとめられる返済負担率は30%前後であり、この範囲内であれば審査に通る可能性が高いと言われています。
返済負担率とは「年収に対する年間に支払う必要のある総返済額の割合」です。
仮に、年収700万円の方が、1年に70万円の返済(元金+利息)を行う場合、返済負担率は10%(70万円÷700万円)となります。
実際に全期間固定金利で有名なフラット35では、申込み条件に返済負担率が指定されていて、年収400万円未満の場合は30%以下、年収400万円以上の場合は35%以下となっています。
しかし、この返済負担率はあくまで審査通過のための数字であって、返済負担率が基準以内だからといって実際に返済できる金額とは限りません。
そのため、返済負担率だけを考えずに実際にシミュレーションをしてみて、本当に払える金額なのかを確かめてから契約することが大切です。
年収700万円でシミュレーション
住宅ローンを返済負担率で考えた年収700万円の借入可能額で実際にシミュレーションをしてみましょう。
今回は、イオン銀行の住宅ローンで計算をしてみました。
イオン銀行の住宅ローンは、定期的にキャンペーン金利を適用しています。
店頭表示金利は2.37%ですが、新規借入の場合に限り変動金利を0.52%まで金利の引き下げをしています。(2021年1月現在)
しかし、取扱手数料が定率型となっていて割高のため、今回は取扱手数料をおさえたい人向けの手数料定額型にした場合の0.770%で35年借りた場合を計算してみましょう。
返済負担率30%の場合、年収700万円の方の年間返済額は210万円で毎月の返済額は17.5万円の計算となります。
毎月17万円程度の返済ができると仮定した場合でシミュレーションをした結果は下記のとおりです。
イオン銀行 変動金利0.520%(2021年1月) 借入期間35年
借入可能額 | 毎月の返済額 | 総支払額 | 諸費用 |
6,400万円 | 173,884円 | 73,031,055円 | 約504,000円 |
注)あくまでシミュレーション上の結果で、金利が変動しないという仮定によるものです。
返済負担率30%の場合は、年収700万円の方は、6,400万円程度借入できるという結果となりました。
しかし、毎月17万円程度払えるという人に限られること、また住宅ローン以外に借金や自動車ローンなどの支払いがないことが条件となります。
他からの借入があれば、その分、住宅ローンの借入可能額は減少します。
例えば、マイカーローンで既に200万円の借入があって、毎月5万円の返済を行っているとしましょう。
この時、住宅ローンに返済できる金額は12万円(≒17万円―5万円)と判断されます。つまり、年間返済額は144万円(12万円×12ヶ月)となり、その分、借入できる住宅ローン金額も減少することになります。
さらに、金利が上がってしまうことも考えられるため、総支払額はこれ以上高くなる可能性があることも考えておく必要があります。
借入額を増やすならフラット35
前述の通り、年収700万円の場合、シミュレーションでは6,400万円の住宅ローン借入が可能であるということが解りました。
しかし、この6,400万円という金額以上に借入が必要という方もいるでしょう。
例えば、購入しようとする住宅が7,000万円超の物件であり、7,000万円超の住宅ローンを借入したいという方もいるでしょう。
前述の計算を超える金額の住宅ローン借入をしたいという方には、フラット35がおすすめです。
フラット35とは、公的な金融機関である「住宅支援機構」が貸し付けを行っている住宅ローンです。
このフラット35の最大の特徴は長期固定金利であり、明確に返済負担率を35%以上と定めていることです。
フラット35は借入全期間の固定金利ですので、借入後に金利が上昇する懸念はありません。
そのため、審査する銀行も金利上昇リスクを考慮する必要がなく、実際に借入する金利だけを考えれば十分ということになります。
加えて、フラット35は公的な住宅ローンということもあり、審査基準が明確です。
民間銀行の住宅ローンの審査基準は、各銀行が独自で自由に設定します。
また、審査する担当者の主観も影響しますので、返済負担率などが基準内であっても借入額が大きすぎると判断されれば、それだけで審査に通らないこともあります。
一方、フラット35は事前に決められた審査基準で判定されますので、基準を満たせば審査に通過できる可能性が高いのです。
なお、年収700万円、借入期間35年、借入金利1.0%(住信SBIネット銀行のフラット35の標準的な金利水準)、その他借入なしを前提で計算すると、借入可能額は7,232万円になります。先ほどの6,400万円に比べると、832万円も増加することになります。
☆フラット35なら金利がお得な住信SBIネット銀行
☆長期固定金利で安心して借入できる
☆団信加入は任意で選択可能
☆審査規準が解りやすく利用しやすいのも特徴
借入可能額(最大) | 8,000万円 |
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適用金利・手数料など | 35年間固定金利 1.5%(2023年6月現在・保証型:自己資金10%以上) |
その他優遇など | 借入期間を通して固定金利 |
毎月無理なく払えるのはいくら?
先にも解説したように、住宅ローンの返済負担率は30%前後であれば審査に通ると言われていますが、審査通過の金額と実際に払える金額は違います。
年収700万円の人の場合、住宅ローンの審査で求められる返済負担率30%で考えると、年間210万円の返済額となり、月で考えると17.5万円となることは先にも述べました。
年収700万円の人の毎月の給料はボーナスを考えなかった場合で約58万円(≒700万円÷12ヶ月)です。
そのうちの17.5万円が毎月住宅ローン返済にまわされ、さらに、ここから税金や社会保険料なども控除されることを考えると、かなり生活に負担が大きいことが分かります。
そのため、返済負担率は金融機関の審査に通過する数字ではなく、実際に返済できる金額を考えることが大切です。
例えば、返済負担率を20%まで下げた場合は、年間返済額は140万となり、毎月の返済額は11万円まで下がります。
毎月10万円前後であれば月収に占める割合も減り、返済がしやすくなる人も増えることが考えられます。
しかし毎月支払える金額というものは、家庭の事情によってまったく違ってくるでしょう。
自分の場合は毎月いくらなら住宅ローンにまわせるのか、事前に考えてから借入できる金額を計算してみることが大切です。
返済負担率を活用して借入可能額を計算する方法
長期的なライフプランを考える
住宅ローンは数年で払い終わるものではなく、最長35年間という長期に及ぶものです。
そのため、事前にしっかりとしたプランを立てておかなければ、将来的に返済に困るという事態になりかねません。
住宅ローンを契約する前にすべきことを確認していきましょう。
重要なのは現在よりも将来
住宅ローンを契約する年齢は人によって違いますが、ほとんどの人は働きざかりで契約するのではないでしょうか。
その時点では十分に払えると考えて契約しても、将来的にどうなっているのかを考えておかないと先々で苦労することが考えられます。
特に契約時に子供がいない家庭や子供がまだ小さい場合、子供にかかる費用についてはあまり考えずに契約してしまう人もいるかもしれません。
契約時には1人だった子供が、将来的に3人になることも考えられます。
子供1人にかかる費用は1,000万だとか2,000万かかると言われています。
その費用が人数分かかると考えると、住宅ローンで無理をすると危険だと考えてしまうのではないでしょうか。
もちろん、子供だけではなく、自身が将来的にも安定した収入があるのか、親が要介護状態になったらどうなるのかなど不安はつきません。
そのため、住宅ローンは払えるギリギリの金額で契約するのではなく、貯金ができるような余裕を持った金額でローンを組むのが良いでしょう。
年収700万円という水準の将来的な継続性や、返済可能額、必要な貯蓄額など、しっかりと把握するようにしましょう。
金利上昇のリスクも考えよう
住宅ローンの金利には、変動金利や固定金利があります。
さらに、固定金利には金融機関によっては、5年固定、10年固定など限定された固定金利から、借入全期間を固定させるような長期固定金利など様々な金利プランが選択できます。
変動金利は景気や市場に合わせて上がったり下がったり変動するものです。
そのため、住宅ローンを変動金利、もしくは短期の固定金利で利用する場合、金利のリスクと言うものはある程度考えておく必要があります。
特に変動金利の場合は、半年に1度など定期的にその時点での金利に変更されていきます。
そのため、変動金利は借入時点で金利が低いと安心していても、総返済額が確定しないまま支払いを続けなければなりません。
その代わり、借入当初は固定金利よりも変動金利の方が金利が低く設定されていて、そのままずっと金利の上昇がなく低金利が続くと、固定金利よりもかなりお得に支払いができることになります。
一方で固定金利の場合は、フラット35のように契約時の金利がそのままずっと変わらずに適用されるため契約時に総返済額が確定します。
そのため、将来的な住宅ローンの返済や、資金計画が立てやすくなります。
ただし、当初から変動金利よりも高めの金利であること、また将来的に現在よりも金利が下がると変動金利よりもかなり損をしてしまう可能性があります。
ただし、金利が上がった場合には固定金利の方がお得になるため、金利上昇のリスクをどうしても避けたいという人には固定金利がおすすめだと言えます。
関連:プロが教える金利タイプの選び方
おすすめの銀行
住宅ローンを借入する場合、どの住宅ローンを借入するかの選び方が重要です。
もちろん金利が低い住宅ローンは有利ですが、それ以外にも「疾病保障」などの付帯サービスや相談のしやすさ、諸費用なども含めて検討する必要があります。
ここでは2021年現在、もっともおすすめの住宅ローンをご紹介いたします。
三菱UFJ銀行(ネット受付専用)
「三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン」がおすすめです。
三菱UFJ銀行の住宅は13年連続で国内No1の取り扱い実績を誇る住宅ローンです。
つまり、日本で一番人気のある住宅ローンと言えます。
これから住宅ローンを借入するなら、是非とも検討対象の1つに加えたい商品でしょう。
本来、三菱UFJ銀行は「店頭型銀行」の代表とも言える銀行です。
しかし、三菱UFJ銀行では、店頭相談では利用できないネット専用の住宅ローンも提供しています。
三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンは、「借り換え」専用の住宅ローンとなりますが他行に比べて、圧倒的に低い金利がメリットになります。
これから住宅ローンの借入を検討されているなら、是非、検討対象に含められるのがおすすめです。
☆三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
☆13年連続で日本で最も利用されている住宅ローン
☆変動金利 0.475%(2022年1月現在)
☆3年固定金利 0.34%、10年固定金利0.74%(2021年4月現在)
☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在) |
その他優遇など | 7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus> |
住信SBIネット銀行
最初はネット銀行のなかでも金利の低さで有名な「住信SBIネット銀行」です。
金利の低さがメリットのネット銀行のなかでも、圧倒的に金利が低いのが住信SBIネット銀行です。
住信SBIネット銀行では、変更金利なら0.5%以下で借入可能です(2021年7月現在/優遇金利を活用時)。
さらに、住信SBI銀行は、ネット銀行の住宅ローンのなかでも、申込できる方の要件が少ないことが魅力です。
他行の住宅ローンのように、最低年収の基準や、勤続年数などの条件が少ないのが特徴です。
★住信SBIネット銀行の住宅ローン
★業界トップクラスの低金利
★新規購入時の通期変動金利は0.32%(2023年5月現在)
★全疾病保障保険の特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。 |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 全疾病保障特約を無料で付加、一部繰上げ返済手数料無料 |
<関連:住信SBIネット銀行の審査基準>
SBIマネープラザで相談
金利が住宅ローン業界でトップクラスに低いことで有名な住信SBIネット銀行はネット専業銀行です。
ネット専業のデメリットとしてあげられることの多い対面相談できない問題を解消するものとして、SBIマネープラザが設けられています。
SBIマネープラザは対面相談が可能な店舗で、ネット専業銀行の住宅ローンが利用できるサービスです。
年収700万円+ご自身の生活スタイル、ライフプランでいくら借入できるかを相談することも可能です。
なお、SBIマネープラザは店舗数が少なく、相談には予約が必須となります。以下から、ご予約のうえ相談してみてはいかがでしょうか。
★SBIマネープラザの住宅ローンサービス
★完全予約制ですのでまずはご予約ください
★ネット銀行の低金利を対面相談で利用可能
住信SBIネット銀行と同水準の低金利
全疾病保障特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 2億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.41%、10年固定金利 0.53% (2021年7月時点) |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 団信・全疾病保障付(金利上乗せなし) |
フラット35(住信SBIネット銀行)
フラット35は公的な住宅ローンということもあり、民間銀行に比べて、審査に通りやすい住宅ローンとなっています。
加えて、フラット35は長期固定金利での借入が可能であり、借入全期間の金利が固定金利になるのが特徴です。
借入期間中の金利が変動しませんので、資金計画が立てやすくなります。
なお、フラット35はどこの銀行で借入しても同じというのは誤りです。
申込する金融機関によって借入条件が大きく異なります。そして、2021年現在、フラット35の金利が低く、おすすめなのが住信SBIネット銀行です。
☆フラット35なら金利がお得な住信SBIネット銀行
☆長期固定金利で安心して借入できる
☆団信加入は任意で選択可能
☆審査規準が解りやすく利用しやすいのも特徴
借入可能額(最大) | 8,000万円 |
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適用金利・手数料など | 35年間固定金利 1.5%(2023年6月現在・保証型:自己資金10%以上) |
その他優遇など | 借入期間を通して固定金利 |
まとめ
日本の平均的な年収水準から考えれば年収700万円の人はある程度生活に余裕がある人が多いと考えられます。
そのため、年収700万円の方は住宅ローンで借入できる金額も大きいですし、かなり範囲を広げて希望にあった住宅を購入することができると考えられます。
しかし、現在の生活には余裕があっても、子供の進学費用や親の介護費用などを考えると、住宅ローンの返済が将来負担になるということも考えられます。
そのため、住宅ローンは余裕を持って返済できる金額にすること、また定期的に繰上返済をして早めに完済を目指すことをおすすめします。
関連:住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリット・デメリット