人生の選択の中で、住宅の購入は一つのターニングポイントと言ってもいいかもしれません。
マンションにせよ戸建住宅にせよ、どちらも高額な買い物になります。マンションと戸建のどちらが良いかは簡単に決められない方も少なくないと思います。
むしろ、しっかり悩むぐらい重要な要素になりますので、ご自身の希望や、理想にマッチした選択ができるようにしていきましょう。
この記事では費用の面や、住宅ローンの活用しやすいを基準として、マンションと戸建てのそれぞれのメリット・デメリットを比較してご紹介していきます。
住宅購入を検討されている方は、判断材料としてご覧ください。
今回ご紹介する内容
- 購入するならマンションと戸建てのどちらが得か?
- 住宅ローンはマンションと戸建てのどちらが借入しやすいか?
購入にかかる費用の比較
マンションもしくは戸建を購入する際に、住宅ローンを使って購入する方は多いと思います。
しかし、住宅購入に必要な金額の全額を審査で認められるとは限りません。足りない部分は、自己資金として準備しておかなければいけません。
また、住宅ローンは35という長期で借入可能とはいえ、その分総支払額はかなり大きな金額になってしまいます。
少しでも支払い額を低く抑えるためには、住宅購入時に余分な支出を抑えておくことです。
そこでまずは、住宅購入時にかかる費用を説明していきましょう。
マンション・戸建ての共通費用
住宅を購入する際に共通して発生する費用がありますのでまずはそちらから説明していきましょう。
しかし、共通の費用とは言え、戸建てとマンションでは、かかる金額が大きく異なってきます。そのため、費用の内容について、しっかりと理解しておきましょう。
マンション・戸建てのどちらにも発生する費用は以下のようになります。
- 契約書の印紙代
- 登記費用
- (住宅ローン借入時)保証料
- (住宅ローン借入時)融資手数料
- (住宅ローン借入時)担保設定費用
- 火災保険料
これらが共通の費用として発生しますが、各項目の費用がどれくらいかかるのかを概算で以下の表にまとめてみました。
概算費用 | |
契約書の印紙代 | 1万~6万円 |
登記費用 | 10万円程度(登録免許税・司法書士手数料など) |
保証料 | 1,000万円あたり20数万円(住宅ローン額の2%程度) |
融資手数料 | 3万~5万円 |
担保設定費用 | 登録免許税:1,000万円あたり4万円※減税対象で4万円→1万円 司法書士報酬費 3万~7万円 |
火災保険料 | マンション10万円程度 戸建40万円程度 |
住宅ローンの場合、申込される銀行や、選択される住宅ローン商品によって金額に差が生まれるのであくまで基準としての金額になりますが、このようなケースが多いので参考にしてください。
保証料や融資手数料に関しては、ネット銀行などによっては全くかからないものから、反対に融資手数料が何十万円もかかる銀行もありますので、銀行選びの際に事前に確認しておきたい項目になります。
<関連:住宅ローン保証料>
>>住宅ローンの「保証料なし」はむしろ損になるかもしれない??
また、共通の費用であっても比較すると火災保険料は戸建の方が高くなります。
それに、住宅購入時(もしくは建築時)の登記費用も、新築マンションは一括で行うことが多いですが、戸建ては1棟ごとに行う必要があり、費用は戸建てが高くなりがちです。
そのため購入時にかかる費用としては、戸建の方が高くなる傾向が強いです。
戸建のみ発生する費用
では共通の費用ではなく戸建のみ発生する費用として、「水道加入負担金」というものがあります。
新築戸建の場合、購入した土地に水道を引くための費用として発生します。
水道加入負担金は項目として設けておらず物件価格に含んで算出されているケースもありますので認識しておきましょう。
費用に関しては、地域により異なりため参考価格になりますが10万円~20万円が多いです。
地域によっては5万円前後というところもありますので居住地の水土加入負担金で検索してみてください。
マンションのみ発生する費用
マンションのみ発生する費用としては、「修繕積立金」です。
修繕積立金とは、マンションの壁や屋上、エントランスなどの共用部分を維持・修繕するために積立てる資金のことを言い、毎月徴収されます。
後述する維持費としても発生する費用ですが、毎月の費用だけでは修繕する際の金額が高額になり、まかないきれないケースもあるため、初めの購入時に30万円前後の費用が発生するケースがほとんどです。
この修繕積立金が安すぎると、実際に修繕した時に臨時徴収で数十万円が徴収されるということもありますのでマンション購入時には注意しておきたい費用となっています。
維持費にかかる費用の比較
続いては維持費にかかる費用について比較してきます。
住宅を購入するとなると30年ほどは住むケースが多いためその分維持費も発生します。
費用の面で考えると、この維持費の比較は大きく差が出るところでもありますのでしっかりと理解しておきましょう。
戸建にかかる維持費
戸建にかかる維持費としては、リフォームにかかる費用や建物、土地の修繕費用が主になります。
これは確実に発生する費用ではないため個人差も大きくお金をかける人もいればかけない人もいます。
ただ何十年も住むことになれば、一度も修繕なくというケースは稀でしょうし、災害の被害は戸建の方が直に受けやすいので何百万円という費用はかかっても不思議ではありません。
戸建の場合は、維持費と確実に言えるものではありませんが、住宅を所有すると毎年払わないといけないのが固定資産税になります。
固定資産税もまた、戸建・マンションで違いがあり結論から言うと戸建の方が安くなります。
これは後述しますが、建物の耐用年数がマンションの方が高く、資産価値も下がりにくい分固定資産税が高くなるようになっているため維持費の観点では圧倒的に戸建が安くなるのです。
マンションにかかる維持費
マンションにかかる維持費としては、前述した管理費や修繕積立金が毎月必ずかかり、プラス駐車場代も払わなければなりません。
これが30年ほど続くわけですので、よほどの大々的なリフォームや修繕がない限りは、戸建の方が安くなる傾向にあるのです。
マンションの場合は維持費が毎月費用としてかかりますが、いざという時に事前に払う費用になります。
そう考えると費用は多いですが突発的に高額な費用を払わないでいい分、安心して暮らすことはできるかもしれません。
住宅ローン控除も重要
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅購入した方が受けられる税制上の優遇制度です。
通常、住宅購入によって、年間40万円(最大)×10年間=400万円の適用がうけられます。
この金額が毎年の所得税や住民税から還付されますので、住宅購入時に受けられる優遇制度としては非常に重要です。
住宅ローン控除は、対象となる住宅が「長期優良住宅」として認められると、最大400万円の上限が、500万円に増加します。
戸建て住宅よりも、マンションの方が「長期優良住宅」として認めてもらい易いため、購入する物件によっては、住宅ローン控除に大きな差が生れることもあります。
<関連:住宅ローン控除のご説明>
住宅ローンが借入しやすいのは?
住宅購入の際に、無視できないのが住宅ローンです。
住宅ローンを利用することを前提に、住宅購入を考えている方は多いでしょう。
戸建てとマンションで同じ金額の住宅を購入する場合、住宅ローンの審査に通りやすく、大きな金額を借入しやすいのは「マンション」になります。
マンションは資産価値が下落しにくいうえ、「汎用性」の高い作りであるため、いざという時にも売却しやすいのが特徴です。
銀行が住宅ローンの審査を行う際には、対象となる住宅の資産価値や流動性は、担保評価として重要な要素になります。
戸建て住宅は、マンションに比べて資産価値が下落しやすく、物件によっては買い手が見つかりにくいものもあるため、その分、住宅ローンの審査は厳しくなりがちです。
審査に通ったとしても、購入価格の7~9割程度が上限になったというケースも多く存在します。
★住信SBIネット銀行の住宅ローン
★業界トップクラスの低金利
★新規購入時の通期変動金利は0.32%(2023年5月現在)
★全疾病保障保険の特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 1億円 |
---|---|
適用金利・手数料など | 変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。 |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 全疾病保障特約を無料で付加、一部繰上げ返済手数料無料 |
メリット・デメリットの比較
では最後に戸建・マンションのメリットとデメリットを比較していきます。
まずは早見表として、前述した内容も含め下記にまとめました。
戸建 | マンション | |
購入時の費用 | やや高い | やや安い |
維持費 | 安い | 高い |
建物の資産価値 | △ | ◯ |
固定資産税 | 少ない | 多い |
立地条件 | △ | ◯ |
セキュリティ | △ | ◯ |
プライバシー面 | ◯ | △ |
自由度が高い | ◯ | △ |
この表をベースに戸建とマンションのメリットを中心にそれぞれ説明していきます。
費用面はトータル戸建の方がお得
戸建のメリットをまとめると以下のようになります。
- 購入から維持費を含めた費用トータルは戸建の方が安い
- 土地は資産価値が高い
- マンションのように隣人などの騒音を気にせずに過ごせるのでプライバシーの面でも安心
- 庭で過ごせる開放感やリフォームを好きにできるなどの自由度が高い
この記事で紹介してきた費用面での比較については、戸建の方が安くなります。
その一つの要因として毎年払う固定資産税があります。
戸建の資産価値は建物と土地では、土地の方が資産価値は高くなることが多くなります。
建物については、20年で資産価値はゼロと言われるほど償却が早いため、その分固定資産税も下がっていきます。
土地は資産価値が極端に下がることはあまりないためかかる固定資産税も大幅に下がることはありませんが建物の分下がりますので安くなります。
一方で、マンションは47年で建物を償却するため資産価値は高いのですが、固定資産税は戸建に比べて下がりにくくなります。
そのため戸建の方が費用面では安いと言うメリットに繋がってきます。
当然費用の面だけではなく、プライバシーの面や家庭菜園などをしたい奥様方にとっては戸建ならではのメリットになるでしょう。
マンションは利便性が高い
マンションのメリットについては以下のようになります。
- 建物の資産価値が高い。さらに、価値も下落しにくい。
- 維持費は高いがその分、セキュリティが高いので安心して暮らせる
- 駅近など立地条件が良い
- 共有施設などが充実していることもある
マンションのメリットとしては、資産価値が高い点と、利便性が高い点が大きなメリットになります。
マンションの多くは駅近に立地されているため、通勤通学の利便性も高いですし防犯面でのセキュリティも高いため安心して住みやすいのが特徴です。
戸建てを建築するには、高くて手が出せないようなエリアに住むことができるのは、マンションの大きなメリットになります。
また、マンションであれば資産価値が下がりにくいので転勤などで引越しせざるを得ない状況でも、価値がつきやすいのはメリットになります。
おすすめの住宅ローン
住宅ローンを借入する際には、住宅ローン選びが重要です。
2021年現在でもっともおすすめの住宅ローンをご紹介します。
三菱UFJ銀行(ネット専用)
大手銀行のなかでは三菱UFJ銀行の住宅ローンがおすすめです。
その中でも、ネット申込時のみに利用できるネット専用住宅ローンがお得です。
三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンでは、3年間の固定金利を利用しても、金利は0.39%という他の銀行に比べて圧倒的に低い金利になります(2021年3月)。
☆三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
☆13年連続で日本で最も利用されている住宅ローン
☆変動金利 0.475%(2022年1月現在)
☆3年固定金利 0.34%、10年固定金利0.74%(2021年4月現在)
☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在) |
その他優遇など | 7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus> |
住信SBIネット銀行
2021年現在、最も強くおすすめする住宅ローンは住信SBIネット銀行の住宅ローンです。
住信SBIネット銀行は変動金利が業界トップクラスに低いことでおすすめです。
さらに、銀行の費用負担で「全疾病保証」に加入することができます。
全疾病保証は、万一の病気で就業できなくなった時に、保険が住宅ローンの返済を負担してくれる制度です。
★住信SBIネット銀行の住宅ローン
★業界トップクラスの低金利
★新規購入時の通期変動金利は0.32%(2023年5月現在)
★全疾病保障保険の特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 1億円 |
---|---|
適用金利・手数料など | 変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。 |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 全疾病保障特約を無料で付加、一部繰上げ返済手数料無料 |
SBIマネープラザ
SBIマネープラザとは、住信SBIネット銀行の住宅ローンを、店舗の対面相談で利用できるサービスです。
通常、ネット専業銀行は店舗がないため、対面相談できないのがネックと言われます。
しかし、SBIマネープラザでは専用のコンサルタントと相談しながら住宅ローンを申込できるのが特徴です。
なお、SBIマネープラザでの相談は事前予約が必須です。店舗数も少ないため、以下から早めに予約しましょう。
★SBIマネープラザの住宅ローンサービス
★完全予約制ですのでまずはご予約ください
★ネット銀行の低金利を対面相談で利用可能
住信SBIネット銀行と同水準の低金利
全疾病保障特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 2億円 |
---|---|
適用金利・手数料など | 変動金利 0.41%、10年固定金利 0.53% (2021年7月時点) |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 団信・全疾病保障付(金利上乗せなし) |
まとめ
住宅を購入する中で、戸建かマンションか、どちらを選択するかは大きな問題です。
そのためのポイントとして、住宅購入にかかる費用は決め手にもなります。
住宅ローンで申し込んだ金額が同じ金額であっても、完済までに支払った金額は1,000万円も違うなんてことも現実的にあり得る話です。
戸建・マンションを決める上で、重視してくる部分は個人差がありますが、費用面ではこの記事で説明している傾向にありますので、しっかりと理解した上で選択していく必要がありそうです。
一生に一度と言われる買い物ですので、後悔しないように時間をかけて選択していきましょう。
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