銀行員が融資審査で見る確定申告書のポイント!

銀行員に融資の相談をすると必ず求められるのが確定申告書・決算書の提出です。

確定申告書・決算書を提出すると、銀行員は持ち帰って「じっくり」内容を見られます。

 

そして、運転資金の融資であれば、確定申告書と決算書で、融資可否の78割は決まると言っても良いでしょう。

それだけ大事な確定申告書ですから、銀行が見るポイントを押さえておきたいですよね。

銀行員が審査において確定申告書で実際に見ているポイントを元銀行でファイナンシャルプランナーの筆者が解説します。

 

確定申告書とは?

確定申告書とは、法人や個人事業主が一定の事業期間(通常1年)の損益を計算して、納税額を申告するための書類です。

納税額の計算には、「利益」を出す必要があるため、確定申告書において事業の利益が計算されています。

そのため、確定申告書を見れば、一定期間の事業の成果が解ります。

 

今回対象とする確定申告書とは、「法人税申告書一式」を主としますが、個人事業主が行う「青色申告書」「白色申告書」も一部含みます。

一般的に、「確定申告書」と呼ぶ場合には、銀行が企業に対して良く言う「決算書」(損益計算書・貸借対照表)と、別表部分が対象となります。

 

個人・法人ともに重要

中小企業などの法人はもちろん、事業を行っているのであれば個人事業主にも確定申告書があります。

銀行に事業資金に関する融資を相談すると必ずこの確定申告書を求められます。

融資を受けるタイミングだけでなく、借入した後でも都度、確定申告書の提出を求められます。

 

そのうえ、中小企業の経営者や、個人事業主が、事業資金だけではなく、個人的な借入(住宅ローンなど)を相談しても、確定申告書の提出が必要になります。

つまり、経営者や、個人事業主にとって、確定申告書無しでは、銀行と相談も出来ないほど重要です。

 

青色申告?白色申告?

確定申告書には、「青色」と「白色」の2種類があります。

青色と白色の大きな違いは、申告書作成において、事業者が対応しなければならない、会計手続きの「正確さ」にあります。

青色申告を行う場合、事前に税務署に対して青色申告を希望する旨の申告を行い、そのうえで、青色申告で求められるルールに基づいて会計帳簿を作成する必要があります。

 

そして、事業者が青色申告か白色申告(別表一で確認)のどちらで申告しているのかも、銀行の融資判断に大きく影響します。

企業にしても、個人事業主にしても、通常は、税務上のメリットが大きい「青色申告」を選択します。

 

それにもかかわらず、白色申告を行っている企業や、個人事業主の場合、銀行員は、悪いことをして「青色申告」を取り消しされたかも知れないと疑いたくなってしまいます。

 

さらに、申告書の中身や、作成方法など、青色申告の方が厳格なルールに基づいて作成されるため、内容に対する信用度は高くなります。

白色申告では、銀行の審査担当者から「内容は本当に正しいの?」という観点から見られてしまいます。

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税務署のハンコはある?

別表一(確定申告書)の一番前のページに、税務署のハンコ(収受印とか、受付印とか呼ばれます)があるかどうかは、銀行の確認ポイントです。

 

悪質な事業者が行う方法の1つとして、銀行を騙して、不正に融資を受けようとする場合、確定申告書を偽造することがあります。

銀行員はそういった犯罪に巻き込まれないためにも、確定申告書が本物かどうか、実際に申告に使用された書類であるかを確認します。

そのチェックポイントの1つが税務署のハンコが押されているかどうかの確認です。

 

この税務署のハンコが無い確定申告書が銀行に提出されると、銀行員は、税務署に提出した確定申告書とは別の、「銀行向け申告書」(いわゆる粉飾決算書)ではないかと疑います。

最近は電子申告というものがあり、この場合は確定申告書にハンコを押されません。

その時は、電子申告した際に受信する「受信結果」を添付しておけば良いでしょう。

 

税理士の署名・押印

確定申告書に、税理士の署名・押印欄があるかも銀行では確認します。

個人事業主であればともかく、法人企業では、通常税理士が確定申告書の作成を行います。確定申告書には、その税理士の署名・押印が行われます。

 

銀行では、通常、3期以上の確定申告書を求めますし、融資が行われれば、それ以降継続して、確定申告書の提出が必要になります。

数期分の確定申告書を見て、税理士の交代が頻繁に行われていたり、署名が無いかどうかは確認されています。

 

例えば、粉飾しているなど、税理士が名前を出したくないような決算書である可能性が疑われます。

 

銀行員が確定申告書で見るポイント

 

同族会社の判定に関する明細

銀行員が確定申告書を見る場合に、見ていないようで見ているのが、別表二の「同族会社の判定に関する明細書」です。

確定申告書のなかの「株主構成などは、会社の損益に関係ないので、関係ないでしょ?」と言われる経営者もいますが、銀行員はこの株主構成を見ています。

中小企業であれば、通常、経営者とその親族で株主が構成されています。

 

それにも関わらず、経営に関わっていない方や、社内にすらいない、関係の無い方の名前があると「これは誰?」という疑問につながります。

表面に出していない別会社や、経営者以外の方に実質的に支配されている企業など、問題点が見つかる可能性があります。

 

別表四は決算書と照合

銀行を騙そうとして、税務署に提出した確定申告書と、別の決算書を銀行に提出しようとしていないかを確認するのが、この別表四です。

銀行員が確定申告書を見る場合、別表四に記載されている「当期利益が決算書と一致しているか」を確認しています。

ここが合っていないと大問題です。銀行からの信用を完全に失います。

 

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租税公課の納付状況

銀行員は、融資先に税金の滞納がないかどうかも確認しています。

滞納の有無を調べるにあたり、銀行員は別表五(二)で確認しています。

そして、銀行の融資審査において、税金の滞納がある場合は、ほぼ間違いなく審査に落ちます。

 

銀行は、税金を滞納している方に融資しません。

銀行が税金の滞納がないかどうかを確定申告書の別表五(二)確認しています。

また、税金は納付しているけども、「延滞税など罰金支払」がある場合も要注意です。

 

延滞税(延滞金)、加算税(加算金)、過怠税といったものがある企業は、税金が支払えなくて、綱渡りの状況にあったり、資金繰りが相当厳しい状況にあると疑われます。

そんな状況にあると疑われると、銀行も融資したくありません。

銀行は資金繰りに詰まっていて、お金に困っていそうな方には融資したがらないのです。

 

税金を納付しているかどうかは融資審査で重要な項目

 

減価償却の状況

確定申告書の別表十六には「減価償却資産の償却額の計算に関する明細書 」が添付されています。

銀行員はこの減価償却資産の明細書をチェックしています。

減価償却費というのは、銀行からの融資を引き出すために「利益を大きく見せる」ために使われることの多い項目なのです。

 

確定申告書のための税金計算では、減価償却費は「満額」計上しなくても良いことになっています。

上限金額の範囲内であれば、いくら計上するかは会社が決めて良いのです。

そのため、減価償却費を少なくして、利益を大きくすることも、税務署は認めています。

 

それはそうですよね。税務署からしてみれば、わざわざ利益を大きくして、たくさん税金を払ってくれる申し出を断る必要がありません。

 

しかし、銀行の考え方は逆です。本来、税金が少なくなって、得になるはずの減価償却費の計上を満額行わない理由は、「銀行から融資を受けるために実態以上に利益を大きく見せようとして費用を少なく計上している」と考えます。

これは、言ってみれば、「粉飾決算」の1種です。

 

しかし、こういった事業主の対応はあまり効果がありません。

銀行の融資審査では、通常、以下の3点を行っていますので、得より損の方が大きいと考えられます。

 

①減価償却費の償却不足がないか確認(あればそれ自体がマイナス)

②利益+減価償却の額を確認(生み出すCashの大きさとして、足して見ているので関係ない)

③減価償却を満額計上した場合の利益を計算(修正して見られる)

 

資金調達できずに悩む人

 

銀行に申告書の提出は必要?

銀行員が確定申告書を見ると会社の内情が非常に良く解ってしまいます。

そのため、出来れば銀行に確定申告書を提出したくないという経営者もいると思います。

しかし、残念ながら、それは不可能です。

 

融資を受けなくて良いなら構いませんが、融資は受けたい、でも確定申告書は提出したくないというのは無理な話です。(実際、銀行取引約定書にも、確定申告書の提出は必須となっていますし、それが無いと融資審査も受けられません)

 

であれば、確定申告書の提出は止むを得ないものとして、銀行員にネガティブな印象を持たれない確定申告書の内容にした方が良いでしょう。

 

銀行が駄目ならビジネスローン

以上のポイントをおさえて準備しておけば、銀行の融資審査に通過できる可能性は大きく高まります。

しかし、銀行融資の審査基準は厳しいため、どうしても審査に落ちてしまう可能性はあります。

 

そんな時に活用したいのがビジネスローンです。

ビジネスローンはノンバンクが取り扱っている融資商品であり、銀行融資に比べて、比較的審査に通りやすく、短時間の審査で借入できるのが特徴です。

 

以下では、ビジネスローンのなかでも、特に中小企業や個人事業主におすすめな商品をご紹介します。

 

アイフルビジネスファイナンス(旧ビジネクスト)

ビジネクストのビジネスローン

 

アイフルビジネスファイナンスはカードローン型ビジネスローンとして利用しやすいのが特徴です。

それもぞのはず、ビジネクストは大手消費者金融として有名なアイフルの子会社です。

 

一度申込して契約しておけば、必要な時にいつでも事業資金の借入が可能になります。

 

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MRF

MRFは証書貸付タイプのビジネスローンとしておすすめです。

比較的大きな金額を、低めの金利で借入することができます。

MRFでは無担保型のビジネスローンから、不動産担保型のビジネスローンまで幅広く取り扱っています。

 

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☆個人事業主・法人向けビジネスローン
☆西日本エリアが対象
☆融資残高284億円の実績(2020年2月末時点)

借入可能額(最大)

3億円

適用金利・手数料など

~15%以内

 

税金滞納中・リスケ中の資金調達

前述の通り、銀行の審査では税金の納付状況も重要です。

税金に未納がある状況では、あらたに融資を受けることは非常に困難です。

 

しかし、資金繰りが厳しい状況において、融資が受けられるという確約が無く、審査を受けるためだけに税金を支払ってしまうと、さらに資金繰りが悪化する原因にもなってしまいます。

そのため、税金に未納がある状況で融資を受けられる方法はないかというお悩みは聞かれます。

 

加えて、銀行の既存融資に対して、リスケや条件緩和を行っている状況で追加融資を受けることは困難です。

 

そういった、税金滞納中、リスケ中で資金調達を希望するならファクタリングがおすすめです。

ファクタリングとは売掛債権を売却することによる資金調達方法であり、お金を借入するわけではありません。

 

そのため、税金滞納中、リスケ中でも、ファクタリングなら利用できる可能性があります。以下に、おすすめのファクタリング会社をご紹介いたします。

 

三共サービス

三共サービスのファクタリングサービスをご紹介

最大買取可能額:1億円

ファクタリング利用時に必ず検討対象に加えたいのが三共サービスです。

三共サービスの魅力は、ファクタリング業界のなかでも「大手」に位置して安心できること、そして、ファクタリング手数料の水準が、業界トップクラスに低いことです。

三共サービス
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適用金利・手数料など

2%~(ファクタリング手数料)

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2社間・3社間ファクタリングも利用可能

資金調達限度額

3億円

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個人事業主・法人ともに可能

 

ビートレーディング

ビートレーディングのファクタリングサービス

最大買取可能額:3億円(業界トップクラス)

ビートレーディングは、知名度・口コミ評価でNo.1の人気ファクタリング会社

また、法人企業だけでなく、個人事業主・自営業者の利用も可能や、債権譲渡登記が不要など、かなり利用しやすく、メリットの多いファクタリング会社です。

どこに相談するか悩まれるという方は、とりあえずビートレーディングも加えておかれるのがおすすめです。

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2社間・3社間ファクタリングも利用可能

資金調達限度額

3億円

利用できる方の条件

個人事業主・法人ともに可能

 

MSFJ

MSFJのファクタリングサービス

最大買取可能額:5,000万円

MSFJは、法人・個人事業主のどちらでも利用できるファクタリング会社

5,000万円までの大口ファクタリングはもちろん、100万円未満の小口ファクタリングにも積極的に対応してくれます。

 

さらに、100万円未満のファクタリングならスピード審査・即対応が可能ですので、即日資金調達できる可能性も高いのが特徴です。

 

MSFJの特徴はファクタリング手数料比率が明確であることです。

業界トップクラスに低い水準でもあるため、安心して利用できます。

MSFJのファクタリング手数料の基準は以下となります。

<MSFJの特徴>

商品種類プレミアムファクタリングクイックファクタリング
調達可能額(上限)5,000万円300万円
ファクタリング手数料1.8%~6.8%3.8%~9.8%
審査スピード最短1営業日原則1営業日

 

MSFJのプレミアムファクタリングならファクタリング手数料は最大でも6.8%。

もちろん、MSFJでは2社間ファクタリングの利用も可能ですので、取引先に知られることなくファクタリングを利用できます。

このMSFJのファクタリング手数料率の水準は業界トップクラスです。

 

さらに、ファクタリング会社のなかで、手数料率の上限を示している会社はMSFJを除いてほとんどいません。

手数料率の上限を示しているのは、MSFJがかなり信頼できる会社の証拠と言えるでしょう。

 

▼MSFJへの相談は以下のリンク

MSFJのファクタリング
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☆他社からの乗り換えも可能

適用金利・手数料など

1.8%~9.8%(ファクタリング手数料率)

所要時間

最短1営業日での現金化

その他優遇など

手数率は業界最低水準で審査通過率90%

資金調達限度額

30万円~5,000万円

利用できる方の条件

個人事業主・法人ともに可能

 

ウィットのファクタリング

ウィットなら非対面でファクタリングが利用できる

ウィットは面談不要・来店不要のファクタリングサービス

ウィット
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所要時間

最短即日での資金化可能

その他優遇など

2社間・3社間ファクタリングも利用可能

資金調達限度額

少額での利用可能(下限なし)

利用できる方の条件

個人事業主・法人ともに可能

 

中小企業金融サポート

中小企業金融サポートの郵送ファクタリングなら来店不要

郵送で手続き完結のファクタリング

(一社)日本中小企業金融サポート機構
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☆非対面で申込・契約完了の郵送ファクタリングサービス
☆審査回答は最短30分

適用金利・手数料など

1.5%~10%(ファクタリング手数料率)

所要時間

即日での資金化可能

その他優遇など

来店不要・審査通過率95%

資金調達限度額

非公表

利用できる方の条件

個人事業主・法人ともに可能

 

資金調達プロファクタリング会社選びにできるだけ時間を掛けたくない経営者におすすめなのが「資金調達プロ」です。

資金調達プロは直接ファクタリングを行う会社ではありませんが、多数のファクタリング会社を同時に比較して、おすすめの会社を提案してくれるサービスです。

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まとめ

前述のように、銀行員が確定申告書を見ると非常に多くの情報が判明します。

それも、決算書(損益計算書・貸借対照表)ではなく、確定申告書からです。

 

確定申告書からは、その会社の状況や、内情だけでなく、銀行融資を受けるために、会社が「努力しようとした裏ワザ」で、「本質的でないもの」が垣間見えてしまいます。

こういったものは、銀行融資を受けるには、むしろ逆効果です。

 

企業や、個人事業主の実態を解りにくくさせるものとして敬遠されてしまう可能性が高いでしょう。

銀行員が融資審査で何を見ているのかを知っておいた方が良いでしょう。

 

 

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