楽天銀行はネット専業銀行として、非常に高い知名度と人気を誇る銀行です。
楽天銀行は個人の「決済取引」や個人融資(住宅ローン・カードローン)に特化している印象がありますが、実は「法人融資」などの事業資金に関する融資も取り扱っていることをご存じでしょうか?
楽天銀行の法人融資の特徴とおすすめ度をご紹介します。
楽天銀行の特徴は?
最初に楽天銀行自体のご紹介から始めましょう。
楽天銀行というのは、楽天市場で非常に有名な「楽天グループ」の銀行部門です。元々、インターネット上でのサービスを行い会社であり、楽天銀行自体の「実店舗」をもたないインターネット専業銀行であるという特徴があります。
ネット専業銀行のメリットは「店舗に来店する必要がなく」、「インターネット」上から大部分の手続き完結できることです。
一方、実店舗を持たない分、複雑な商品などの場合、対面で相談ができず、商品内容を理解しにくかったり、申込手続きに慣れていないと進めにくいというデメリットがあります。
ネット専業銀行
前述の通り、楽天銀行は、個人向けの「決済サービス」や融資(住宅ローン、カードローンなど)を主力とする銀行です。
そんな楽天銀行は、あまり知られていませんが、2016年から法人向けの融資商品である「ビジネスローン」の取り扱いを開始しています。つまり、法人・個人事業主が「運転資金」などの融資を受けることができるのです。
楽天銀行はインターネット専業銀行ですので、「ネット環境」させあれば、地域を選ばず、日本全国のどちらの地域でも利用できるのが特徴です。そのため、近隣に金融機関の店舗が無かったり、地元の銀行から融資が受けられなかった経営者でも、借入できる可能性があります。
楽天銀行ビジネスローン
楽天銀行の融資商品は「ビジネスローン」と呼ばれる商品です。ビジネスローンとは、事業性資金の融資商品のうち、自動化された「簡易な審査」で「素早く対応」することを前提にした融資商品になります。
一般的な銀行の融資では、申込や相談を受けてから、実際の融資に至るまで、最低でも2~3週間は必要です。長い場合には、1ヶ月程度かかることもあります。
ビジネスローンの場合、必要書類さえ素早く揃え、提出することができれば、1~2日でも審査結果が判明するのが特徴となっています。
楽天銀行の事業性資金融資は、「ビジネスローン」の1商品に限定しており、100万円~1億円以内の金額を、最長5年間まで借入可能な融資になっています。ビジネスローンのように「素早さ」を売りにした融資商品で、上限額1億円というのは、かなり規模の大きい融資となっています。
<借入上限概要>
商品名 | 楽天銀行ビジネスローン |
借入可能額 | 100万円~1億円(上限) |
適用金利 | 非公開 |
資金使途 | 運転資金(設備資金不可) |
担保要否 | 原則必要 |
連帯保証 | 経営者のみ |
借入時の条件は?
楽天銀行ビジネスローンの資金使途は、運転資金限定の融資となります。つまり、設備資金などには対応していません。設備資金の借入を希望する方は、別の資金調達を利用する必要があります。
また、楽天銀行ビジネスローンは、ホームページなどの商品案内で「金利情報」を公開していません。詳細な金利情報だけでなく、適用金利の範囲に関する情報も公開していないため、どの程度の水準が適用されるかも、実際に申込して、審査を受けてみないと解らないものとなっています。
金利情報など、ある程度の情報は、商品選びにも必要なため、事前に知っておきたいものにも関わらず、公開されていないのは非常に残念なところです。
担保は必須
楽天銀行ビジネスローンには、それ以外にも特徴があります。
それは、「有担保型のビジネスローン」という点です。楽天銀行のビジネスローンでは、借入申込にあたって、「担保が必要」であり、無担保での申込は原則不可となっています。
担保の種類(不動産、有価証券、その他)に関する特定はされていませんが、恐らく、不動産を中心とした有担保型のビジネスローンとなっているようです。
そのため、担保となる資産をもっていない経営者は、楽天銀行ビジネスローンを利用できないということに注意しておく必要があります。
なお、楽天銀行ビジネスローンでは、「第3者保証人」は不要です。法人の場合、経営者の連帯保証は必要です。
利用できる方の条件
楽天銀行ビジネスローンに借入申込できる方の条件も確認しておきましょう。
主な条件は以下の通りとなります。
①担保があること
②楽天銀行にビジネス口座を有していること
(法人・個人事業主どちらも可)
③業歴が3年以上あること
④税金の滞納・他行延滞がないこと
楽天銀行ビジネスローンでは、担保が必要なうえ、口座の保有が条件となっています。通常、有担保型の融資の場合、担保評価などに1週間程度の時間を要します。さらに、口座開設が申込条件となる場合、その手続きにも数日を要します。
つまり、楽天銀行ビジネスローンは、申込から融資までに1週間程度は必要になるため、素早く融資を受けるには適していない商品と言えます。
さらに、楽天銀行ビジネスローンは、「業歴3年以上」が条件であり、申込にあたっては、「確定申告」、もしくは「確定決算書」を3期分提出することが必要です。一般的なビジネスローンでは、最低限必要な業歴は、1~2年に設定されているものが多く、業歴3年以上の条件はかなり厳しいと言えます。
つまり、有担保が必須となるうえ、業歴3年以上の条件となることから、「かなり申込できる方の条件が厳しく」、ビジネスローンと言いつつ、利用しにくい商品と言えます。
楽天銀行のおすすめ度は?
正直に言って、楽天銀行ビジネスローンのおすすめ度は、「かなり低い」と言えます。
一般的にビジネスローンに借入申込する方は、緊急の資金調達を希望されていて、「素早く」借入したい方や、「担保となる資産が無い」経営者が多くなります。
それにも関わらず、楽天銀行ビジネスローンは、このどちらにも対応できない融資商品であることから、特段のメリットがほとんど無く、デメリットの多い商品になっています。そのため、これから融資を受けたいと考えている経営者には、あまりおすすめ出来ないものと言えます。
唯一のメリットは、「銀行」であり、信用力が高いということでしょう。但し、ビジネスローン商品の場合、正式な貸金業者が行っている商品にも「優良」なものがたくさんあります。条件が悪いにもかかわらず、銀行だから利用するということはあまり考えられません。
<関連:ビジネスローンのご紹介>
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急ぎならファクタリング
資金調達を急がれている場合、ビジネスローンだけでなく、ファクタリングという資金調達方法もあります。
ファクタリングとは、借入ではなく、保有している売掛金の売却による資金調達方法となります。銀行などで利用できる「手形割引」に比較的近く、商取引で発生した、売掛金を活用した資金調達方法というのが特徴です。
<関連:ファクタリングとは?>
ファクタリングを活用するには、売掛金を保有していることが必須ですが、一般的に、ファクタリングの方が審査に通りやすく、融資を受けやすくなります。
売掛金を保有されている法人経営者、個人事業主の方は、ファクタリングもあわせてご検討されることをおすすめいたします。
<関連:おすすめファクタリング会社の比較>
まとめ
ネット専業銀行として有名な楽天銀行には、事業性資金の調達に使えるビジネスローンがあります。
しかし、楽天銀行ビジネスローンの申込には、「有担保」が原則であり、業歴3年以上が条件となることから、利用できる方は厳しく限定されてしまい、あまりお勧めできない融資商品になっています。
また、適用金利などの条件も公開されておらず、申込・審査を行わないと、借入条件の目安も解らない商品となっています。
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