住宅ローンはアルバイトやパートでは利用できないと考えて諦めている人も多いでしょう。
しかし、アルバイトやパートでも条件次第では住宅ローン審査に通って借入することは可能です。
アルバイトやパート勤務でも組める住宅ローンとはなにか、また住宅ローン審査に通るためのポイントについて確認していきましょう。
バイトは住宅ローンを組めない?
アルバイトやパートだとしても、正社員とかわらない仕事量をこなしている人も少なくありません。
なかには、アルバイトやパートでも正社員に劣らない収入を得ている人もいるでしょう。
しかし、アルバイトやパートだと住宅ローンに申込しても審査では正社員よりは不利に扱われてしまうことがあります。
アルバイトやパートが不利になる理由や、住宅ローン審査に通って借入できるのか確認していきましょう。
バイトが審査で不利になる理由
住宅ローンの審査では、いかに安定した職業で、継続した収入があるか(安定収入と言えるかどうか)ということ、また収入に対して物件の購入価格が大きすぎないことなどが重要視されます。
そのため、正社員のように安定した収入が見込める雇用形態であることは審査で有利になりがちです。
正社員は法律でも守られており、一度就職すれば、会社の都合で雇用を辞めることは簡単ではありません。
そのため、正社員の収入は安定していると考えられるのです。
しかし、正社員でもどのような職業なのか、勤続年数は何年なのかといったことも重要な要素になりますので、正社員だからといって必ず審査に通るものでもありません。
そのような住宅ローン審査において、アルバイトやパート勤務の人の場合、どうしても安定した収入であると判断されにくい場合があります。
金融機関によっては、アルバイト・パートというだけで申し込みすらできないものもあります。
また、申込自体は可能ですが、年収が200万円以上ないと申し込めないというものもあるため、アルバイトやパートには少しハードルが高いことも少なくありません。
バイトでも審査に通ることは可能
アルバイトやパートでは審査通過が厳しい住宅ローン審査ですが、どこの銀行の審査にも通らないというわけではありません。
週に3日勤務の主婦パートであれば住宅ローンは厳しいですが、フルタイムで働いているアルバイトやパート契約などであれば年収もそれなりに高いことが予想されます。
さすがにボーナスは正社員のように期待できませんが、派遣社員と同じぐらいの給料をもらっているというアルバイトやパートの人もいるのではないでしょうか。
さらに勤続年数が長く、他社借入もない、アルバイト先が大手企業などであればさらに審査で有利になります。
また、そもそも物件の価格が安いということであれば、返済負担率も低くなりさらに審査に通りやすくなるでしょう。
確かにアルバイト・パートでは申込み条件にすらあてはまらないこともありますが、住宅ローンによっては審査に通る可能性があるため、いろいろな住宅ローンをチェックして比較検討してみることをおすすめします。
バイトでも審査に通る住宅ローン
住宅ローンによっては、アルバイトでも住宅ローン審査に通るということは先にも解説してきました。
では実際に審査に通る可能性がある住宅ローンはどのようなものか、確認していきましょう。
申込み条件を確認しよう
まず住宅ローンに申込む前に、住宅ローンがどのような申込み条件になっているか確認してみましょう。
銀行ごとに条件は異なりますが、住宅ローンによっては、「アルバイト・パートは申込みできない」と明記している住宅ローンもあります。
また、勤続年数が2年以上である場合や、年収が200万円以上など具体的に明記しているところもあります。
申込み前によく確認しないでいると、そもそも申込み条件にすら該当していなかったということで審査落ちしてしまいます。
一度住宅ローンで審査落ちしてしまうと個人信用情報に申込み記録が残ってしまうため、すぐに再申込みをしても再び審査落ちする可能性が高くなります。
申込み記録が消えるには6ヶ月以上経過する必要があるため、申込みは慎重に行いましょう。
フラット35がおすすめ
アルバイトが住宅ローンに申込むのであれば、全期間固定金利の「フラット35」がおすすめです。
なぜパートやアルバイトはフラット35がおすすめなのか、順番に確認していきましょう。
フラット35の基本情報
フラット35は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供している住宅ローンです。
住宅金融支援機構というのは、政府出資の金融機関です。
そのため、フラット35は公的な住宅ローンと呼ばれることもあります。
フラット35の特徴は、全期間固定金利の住宅ローンであることです。
全期間固定金利は市場の変動に左右されず、最初に借りた金利で最後まで返済をすることができます。
当初の借入時に総返済額が確定することで、将来の返済プランが立てやすくなります。
銀行の住宅ローンでは全期間を固定金利にすることが難しく、10年固定など商品が多い中、フラット35の全期間を固定金利にできるというのは最大のメリットでしょう。
また、団体信用生命保険(以下、団信)に加入しなければ住宅ローンが組めないという商品が多いなか、フラット35は団信に加入せずに住宅ローンを組むことができるため、健康状態によって団信に加入できないという人でも利用することができます。
フラット35にアルバイトが申込みしやすい理由
フラット35はアルバイトでも申込みやすいとおすすめする理由は申込み条件の違いにあります。
多くの住宅ローンでは申込み条件に勤続年数などの設定がありますが、フラット35には年収の条件も勤続年数の条件も申込み条件に含まれていません。
また職業の条件もなく、「申込み時の年齢が満70歳未満の人、日本国籍の人、外国人の場合は永住許可を受けている人」という条件だけです。
だからといって、勤続年数が短くても審査に通るわけではなく、特にパートやアルバイトの人は勤続年数が重要な要素となるため、最低でも1年以上は必要だといえます。
また、申込み条件に勤続年数や年収の制限はなくても、返済負担率が明確に決められています。
決められている基準は、年収400万円未満の場合は30%、400万円以上の場合は35%というものです。
返済負担率は、年収に対する年間の総返済額の割合のことで、カードローンや自動車ローンも年間返済額にふくまれます。
もし返済負担率が上記の割合に該当しない場合は申し込むことができないため、注意が必要です。
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フラット35の金利とは?
住宅ローンを利用する上で気になるのは、金利設定ではないでしょうか。
フラット35は全期間固定金利のため、変動金利よりは高めに設定させています。
また、金融機関によっておなじフラット35でも、金利設定や借入時の諸費用もまったく違っているため、各金融機関で確認をする必要があります。
フラット35を取り扱う代表的な金融機関の金利を紹介しておきましょう(借入期間35年、借入金額90%以内の場合で比較しました)。
フラット35の金利水準
金融機関 | 金利 |
楽天銀行フラット35 | 団信あり 年1.28% 団信なし 年1.08% |
イオン銀行フラット35 | 団信あり 手数料定率型 年1.28% 団信あり 手数料定額型 年1.48% ※団信なしは、上記金利から0.20%引き下げ |
住信SBIネット銀行 | 団信あり 年0.95% |
*2020年8月現在
上記のように、多くの金融機関では団信付きで1.34%という借入金利が適用されます。
借入金利はそれほど金融機関で変化はありませんが、手数料については大きな差がでます。
フラット35で比較する場合は金利のほかに、諸費用がどのぐらいかかるのか、つなぎ融資など住宅に関するほかのローンも利用できるかなどといったことも重要なポイントです。
住信SBIネット銀行はフラット35でトップクラス
利用できる住宅ローン
次に、フラット35ではなく民間銀行の住宅ローンをご紹介します。
近年は過去にない低金利の状況ですので、フラット35ではなく変動金利で借入したいという方もいるでしょう。
そういった方におすすめの住宅ローンをご紹介します。
三菱UFJ銀行
住宅ローンを借入する方のなかには、近年の低金利を最大限活かすため、変動金利を利用したいという方も多いでしょう。
変動金利を利用するためには、民間銀行で住宅ローンを借入することになります。
パート・アルバイトの方の申込が可能で、変動金利の水準が低くておすすめの住宅ローンは三菱UFJ銀行の住宅ローンです。
三菱UFJ銀行、特に、ネットからの申込専用で利用できる住宅ローンは業界トップクラスの低金利となっており、3年固定の住宅ローンであれば0.39%で借入可能です(2020年2月現在)。
さらに、三菱UFJ銀行では、パート・アルバイトでも雇用形態や年収条件に関係無く申込が可能です。
☆三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
☆13年連続で日本で最も利用されている住宅ローン
☆変動金利 0.475%(2022年1月現在)
☆3年固定金利 0.34%、10年固定金利0.74%(2021年4月現在)
☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在) |
その他優遇など | 7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus> |
バイトが審査に通過するコツ
アルバイトやパートが住宅ローン審査に通るためには、正社員のように有利ではないため、審査に通るために対策が必要です。
アルバイトが審査に少しでも通りやすくなるポイントを確認していきましょう。
頭金を多めにいれる
住宅ローンでは、いかに頭金(自己資金とも呼ばれます)を用意できるかということは大きなポイントです。
頭金を入れることによって住宅ローンの借入額を減らすことができ、支払利息も大幅に減らすことができます。
当然、返済負担率も下がりますので住宅ローンの審査に通りやすくなります。
そのため、頭金は可能な限りいれるようにしましょう。
頭金を入れることで、銀行にとっては住宅ローン融資によるリスクが減少します。
頭金があることで、購入する住宅(銀行の担保になります)の評価額に対して、住宅ローンの額が減り、担保での保全が高くなるためです。
銀行にとって、パートやアルバイトの方の返済能力に不安があったとしても、担保による保全が高ければ、住宅ローン審査にも通しやすくなります。
そのため、パート・アルバイトの方は、頭金を用意することで住宅ローンを借入しやすくなります。
しかし、頭金をいれることで貯金がなくなった、ということがないように、無理のない範囲で用意しておきましょう。
他社借入は出来るだけ減らす
パート・アルバイトが住宅ローン審査に通過するためには、個人信用情報にまったく問題がない状態にしておくことが望まれます。
個人信用情報で重要なのは、他社借入の支払いを延滞していないかという点や、既存借入の額や件数です。
他社借入を延滞していると、正社員で高年収の人であっても、審査に落ちる可能性が高くなります。
銀行の融資審査では、過去に延滞歴がある方や、債務整理を行ったことのある方は、パート・アルバイトや、正社員に関わらず、ほぼ間違いなく審査に落ちることになります。
また、返済負担率に関係する他社での借入額も多すぎると審査落ちします。
パート・アルバイトはただでさえ審査で不利なため、他社借入はないか、あっても本当に少額であるようにしましょう。
勤続年数は長いほど有利
住宅ローン審査では、勤続年数によって収入の安定性を確認しています。
正社員であっても、勤続年数が1年未満などの場合には、転職を繰り返しているのではないかと判断される場合があるからです。
また、審査基準の厳しい銀行であれば、住宅ローン審査は、勤続年数が3年以上必要というものもあります。
パート・アルバイトの場合は正社員と違って、ただでさえ収入の安定性を疑われやすいため、勤続年数は最低でも1年、できることなら3年以上あることが望ましいです。
収入合算を活用
もし、ご結婚されていて配偶者がいたり、同居される親子などがいる場合は、収入合算を検討されてみるのも良いでしょう。
収入合算とは、パート・アルバイトの方の単独の収入ではなく、2人以上の収入をあわせて、合計の収入で住宅ローンの審査を受ける方法です。
それぞれの方がパート・アルバイトであっても、単純計算で年収は2倍、3倍となりますので、その分審査にも通りやすくなります。
同居される親族のいる方は、収入合算による住宅ローン申込も検討されることをおすすめいたします。
なお、親族であっても同居されない場合は収入合算は利用できませんのでご注意ください。
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まとめ
住宅ローンの審査では、パート・アルバイトは確かに不利になります。
しかし、絶対に審査に落ちるというわけでもないのです。
特にフラット35には年収基準などがないため、パート・アルバイトにとってはハードルが若干低いと感じるかもしれません。
しかし、フラット35であっても勤続年数は重要な項目となるため、特にパート・アルバイトで勤続年数が短い人は審査に落ちる可能性が高いです。
正社員や契約社員、そして派遣社員よりもパート・アルバイトは返済能力が疑われやすいため、余裕があれば頭金を用意しておくこと、物件価格はおさえぎみにすることをおすすめします。
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