大手銀行やネット専業銀行など主要な銀行の住宅ローン金利(店頭金利/標準金利)は、ホームページ上や、店頭で公表されています。
しかし、住宅ローンの金利は掲示されている水準から下がることはないと思っていませんか?
「金利は決まっているからみんな同じはず」「頑張って交渉して、仮に0.1%ぐらい金利が下がっても大したことないだろう」という考え方を持っているようならご注意下さい。
金利はみんな同じなんて思っていると「何十万から何百万円もの損」をしているかもしれません!
住宅ローンは交渉によって金利が下がる可能性があります。
そして、この交渉は、特にデメリットがありませんので全ての住宅ローンの借入希望者が是非とも実績するべきです。
今回は、住宅ローン金利を下げるための交渉術として、交渉の4つのステップについて紹介しています。
通常よりもお得な金利・返済額でローンを借りることができますので、参考にご覧ください。
住宅ローンは 交渉で金利が下がる
住宅ローンは銀行と交渉をすれば金利が下がる可能性があります。
住宅ローンは多くの人が30年や35年間という長期間で利用し、人生の3分の1以上付き合っていくものです。
住宅ローンの借入金額は非常に大きいため、仮に住宅ローン金利が交渉で0.1%でも下がれば、かなり得することになります。
住宅ローンの金利が下がることによる支払額の差を確認してみましょう。
住宅ローン金利が下がる効果
以下は、3,000万円の住宅ローンを固定金利1.5%、35年間、元利均等返済で借りた場合の住宅ローン返済額です。
- 毎月返済額:91,855円
- 総返済額:38,579,007円
そして、金利がマイナス0.1%の1.4%で借りた場合の住宅ローン返済額が以下のとおりです。
- 毎月返済額:90,392円(−1,463円)
- 総返済額:37,964,849円(−614,158円)
住宅ローンは金利がたった0.1%下がるだけで総返済額が60万円以上も減少します。
仮に、マイナス0.2%の1.3%の場合は毎月返済額が88,944円、総返済額が37,356,564円となり、1.5%と比べて総返済額が約120万円も少なくなります。
このように、住宅ローンは高額で長期間の借入であるため、わずか0.1%の金利が下がるだけで、返済額を大きく軽減できるのです。
そのため、住宅ローン金利に関する交渉には、十分すぎるほどの価値があるでしょう。
家電製品の購入などで数千円~数万円の交渉をされる方もいますよね。
住宅ローンなら、交渉の成果はその数十倍以上にもなります。
仮に交渉に失敗しても金利が上がるわけではないためデメリットはありません。
金利交渉の4つのステップ
住宅ローンの金利を下げるための交渉をするには、どんな手順で進めていけばいいのでしょうか。ここからは、交渉するにあたり必要な以下の3つのステップについて見ていきましょう。
<金利交渉術の4ステップ>
- 他行の住宅ローン情報を調べる
- 事前審査に複数申込する
- 不動産業者と住宅ローン金利の交渉をする
- 金融機関と住宅ローン金利の交渉をする
他行の住宅ローン情報を調べる
住宅ローンの金利を引き下げる交渉をするための最初のステップとして、「他行の住宅ローン金利や条件を調べる」ことが大切です。
自分の利用している、もしくは検討している金融機関以外の住宅ローンの金利情報を徹底的にリサーチしましょう。
調べる主な金融機関は、以下の4種類あります。
- 都市銀行
- 地方銀行
- 信用金庫
- ネット銀行
これらの金融機関のホームページや窓口で住宅ローン商品の詳細を確認し、「住宅ローン金利」や「団体信用生命保険の内容」「付帯サービス」などについて比較をします。
他行の住宅ローン情報を調べることで、現在検討している住宅ローン商品の位置づけや、金利などのお得さ度合いを把握することができます。
もし、検討中の住宅ローンの金利が他行よりも低い場合は、交渉をしても金利の引き下げが難しい可能性があります。
なぜなら、他行よりも不利な点がないからです。
銀行員は住宅ローンの業界動向を良く把握しているため、自行の住宅ローン商品の金利競争力を把握しています。
自分達の住宅ローン金利が最も低い場合、必要以上に金利を下げなくても、申込希望者が集まることを承知しています。
一方、相談中の銀行の住宅ローン金利が、他行よりも高い場合、話は別で、十分に金利を下げるための交渉余地があります。
そのため、銀行員は、他の銀行で低金利の住宅ローン商品で相談していると解れば、申込を勝ち取るために、金利で競争しようとしてくれるでしょう。
事前審査に複数申込する
先に述べたとおり、住宅ローン金利について交渉するためには他行のお得な住宅ローン金利の情報が必要です。
加えて、ご自身がその低金利の住宅ローンを利用できるようにしておくことが大切です。
いくら金利の低い住宅ローンがあっても、ご自身がその金利を利用できないなら絵に描いた餅です。
一般的に、銀行から住宅ローンを借入する場合の適用金利は「標準金利ー優遇金利」で決まります。
銀行がホームページなどで公表している最安金利の住宅ローンはこの優遇金利を最大限受けられた場合という条件付きです。
そのため、審査次第では金利優遇を最大限受けられないこともあるということに注意が必要なのです。
こういった銀行で金利優遇を受けられるということを確認するために「事前審査」に申込する必要があります。
事前審査とは正式な書類提出が必要なく、銀行のホームページ上などから簡易的に申込する方法です。
住宅ローンの事前審査に申込すれば、その結果としてどれだけの金利優遇を受けられるかが確認できるのです。
公表金利が全てではない
ネット専業銀行除く、店頭型銀行の場合、店頭や、ホームページ上で公表されている金利(優遇金利適用後含む)が全てではありません。
店頭型銀行の場合、他行の住宅ローン商品と競合した場合などに備えて、さらに金利を下げる余力を持っていることが少なくないのです。
公表されていない住宅ローン金利は、「他行と競合している」ことと、住宅ローンの事前審査を受けて、その「評価が一定水準以上」であることの2つを条件として適用してもらえることがあります。こういった非公表の金利を引き出すためには、直接相談してみるしかありません。
関連:住宅ローンの事前審査とは?
不動産業者と住宅ローン金利の交渉
他行の住宅ローン情報を調べ、ネット銀行などの事前審査を受けたら、次は不動産業者やハウスメーカーと交渉をしてみましょう。
銀行から金利のディスカウントを受けるための方法として直接交渉する以外に、不動産業者を活用する方法があります。
場合によっては、不動産業者を経由する方が本人が金融機関と交渉するよりも、もっと大きな効果を期待できることがあります。
不動産業者を活用する住宅ローン金利の交渉の流れとしては、まず、本人から不動産業者に希望の金利を伝え、不動産業者から金融機関へ金利を下げる交渉をしてもらいます。
そのため、リサーチして得た情報をもとに、金利や他の条件など交渉してもらいたい内容を業者に伝えましょう。
業者としては、相談者が住宅ローンの融資が下りなかったり、条件に納得いかず諦められたりしたら売上も立たなくなってしまいダメージが大きいです。
そのため、何としても相談者の希望する金利・条件で、住宅ローンが利用できるように知恵を絞ってくれます。
相談者は、返済額が減り審査も通りやすくなるため「少しでも条件の良い住宅ローンを利用したい」と考え、不動産業者も、審査に落ちると困るので「何としても条件の良い住宅ローンにしたい」と考えています。
お互いの利害が一致しているからこそ、業者にはしっかりと希望や条件、熱意を伝えるようにしましょう。
業者と銀行はつながっている?
不動産業者と金融機関がつながっている場合は少なくありません。
銀行の住宅ローン営業マンは、不動産業者に頻繁に営業し、住宅購入者を紹介してくれるように依頼しています。
銀行にとって、住宅ローンの見込み客を紹介してくれる不動産業者は重要な取引先です。
この場合は、「もし、お客さんが決まったらうちの銀行の●●住宅ローンを勧めてください」などと依頼しています。
不動産業者も、住宅ローンの相談から申込、融資までのやりとりが円滑に進み、さらに、住宅ローンの審査や、金利交渉などで柔軟に対応してくれる銀行を大切にしています。
そのため、相互に強い結びつきとなっているのです。
銀行と強い結びつきを持っている不動産業者の場合、住宅購入者に提案する住宅ローン商品は決まっていることが多くなります。
しかし、このような場合も、他行の金利情報を把握しておけば、提案される住宅ローン商品が魅力的かそうでないか冷静に判断することができます。
条件の悪い住宅ローンを勧められた場合には、ご自身が把握している住宅ローン商品を利用したいと伝えれば良いのです。
仮に不動産業者と金融機関がつながっているとしても、明らかに購入者が不利になるような条件の悪い住宅ローン商品を無理強いすることはできません。
不動産業者は、住宅購入者が希望する銀行に相談するか、もしくは結びつきのある銀行に、その条件を上回る条件を出せるように交渉してくれます。
銀行と住宅ローン金利の交渉
相談者と不動産業者との交渉が終わったら、いよいよ金融機関との金利交渉です。
相談者の希望を聞いた不動産業者が金融機関と金利交渉をしてくれます。
この際、不動産業者単独で交渉をおこなう場合もあれば、相談者も同席をする場合もありますので、事前に確認をしてスケジュール調整をしておきましょう。
どちらのケースでも、相談者自身で、他行の金利情報を抑え事前審査で一定の条件を確保しておくことが大切です。
事前審査を受けたネット銀行で●●%の金利という条件を得ているが、それよりも低い金利条件が得られるかと相談するのが効果的です。
銀行との金利交渉にあたっては、「●●銀行は、この位の金利が利用できると聞いてます」と伝えられれば非常に効果が高いのです。
そのうえで、不動産業者がこれまで培ってきた交渉術をもとに、しっかりと金利交渉をおこない、良い条件を掴んでくれるはずです。
金融機関の金利優遇サービス
金融機関によっては、給与振込口座や公共料金引落し口座、提携クレジットカードの契約など、一定条件を満たすことで、金利が優遇されることがあります。
優遇幅が大きい金融機関も多いため、どのような金利優遇サービスがあるかを確認し、問題がなければ条件を満たすようにしておきましょう。
金利優遇サービスを利用する・しないでも金利や返済額が大きく変わってきます。
少しでも金利を下げたいのであれば、このようなサービスはフル活用するべきです。
標準金利が低い銀行を選ぶ
住宅ローンを少しでも低い金利で、お得に借入するために金利交渉は重要な手段となります。
しかし、そもそもの基準金利が高い銀行と交渉しても効果は限定的です。
また、大手銀行と金利交渉するためにも、ネット銀行からある程度低い金利条件を得ておくと効果的です。
住宅ローンで交渉して金利を下げるためには、スタートラインとなる基準金利が低い住宅ローンで相談するのが良いでしょう。
金利交渉に失敗しても、そもそもの基準金利が低いので、十分に低い金利で借入できる可能性が高くなります。
2021年9月現在、標準金利が圧倒的に低い住宅ローンとしては、「住信SBIネット銀行」と、「三菱UFJ銀行(ネット専用)」がおすすめです。
現在の住宅ローン業界で、最も金利が低いのはこちらの2商品と言って良いでしょう。
住信SBIネット銀行
2021年9月現在の適用金利は年0.41%(通期変動金利)となります。
住信SBIネット銀行は、住宅ローン業界トップクラスの低金利に加え、全疾病保障に無料で加入できるメリットがあります。
★住信SBIネット銀行の住宅ローン
★業界トップクラスの低金利
★新規購入時の通期変動金利は0.32%(2023年5月現在)
★全疾病保障保険の特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。 |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 全疾病保障特約を無料で付加、一部繰上げ返済手数料無料 |
<関連:住信SBIネット銀行の商品概要と審査基準>
なお、住信SBIネット銀行はネット専業銀行のため、直接対面で相談することができないというデメリットもあります。
住宅ローンは専門の担当者に良く相談しながら借入したいという方もいるでしょう。
こういった方には、SBIマネープラザがおすすめです。
SBIマネープラザは住信SBIネット銀行と同条件の住宅ローンを、店頭相談・対面相談で借入可能です。
なお、SBIマネープラザはまだまだ店舗数が少なく、相談を希望する方は予約が必須となります(予約は以下のリンクから行えます)。
★SBIマネープラザの住宅ローンサービス
★完全予約制ですのでまずはご予約ください
★ネット銀行の低金利を対面相談で利用可能
住信SBIネット銀行と同水準の低金利
全疾病保障特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 2億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.41%、10年固定金利 0.53% (2021年7月時点) |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 団信・全疾病保障付(金利上乗せなし) |
三菱UFJ銀行(ネット専業)
2021年9月現在の適用金利は、年0.34%(3年固定)という、業界トップクラスの低金利水準の住宅ローンです。
疾病保障などの付随するサービスは多くありませんが、「シンプルに金利が低い」という解りやすい住宅ローン商品です。
そのため、金利を低く下げたいなら、三菱UFJ銀行(ネット専用)の住宅ローン商品がおすすめです。
以下のバナーは借り替え専用と表示されていますが、借り替えだけでなく、新規借入でも利用可能となっています。
これから住宅ローンを検討される方は、上記2つの住宅ローン商品から検討を始めてみるのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、住宅ローン金利を下げるための交渉術について、3つのステップで紹介いたしました。
住宅ローンは、交渉次第で金利が下がる可能性があり、交渉には以下の3つのステップを踏む必要があります。
- 他行の住宅ローン情報を調べる
- 複数銀行で事前審査に申込する
- 不動産業者と住宅ローン金利の交渉をする
- 金融機関と住宅ローン金利の交渉をする
現在、住宅ローンを検討している人は、ぜひこの記事を参考に金利を下げるための交渉にチャレンジしてみましょう。
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