マイホームを持った人には、当然のことですがほとんどのケースで住宅ローンの支払い義務が発生します。
しかし、住宅ローンは長い年数に渡って返済していくことになります。
その間には、借入時と状況が変わってしまい、住宅ローンを払えないというケースが発生することもあります。
住宅ローンを払えないまま放置していると、最悪のケースとして自宅を売却されてしまうこともありますので要注意です。
住宅ローンを払うことが出来ない時には、どのような対処法があるのでしょうか?
今回は住宅ローンが払えない時に活用したい対処法を4つご紹介していきます。
住宅ローンが払えない!その理由は?
住宅ローンが払えないとなると当然ですが、最悪の場合はマイホームを失ってしまう可能性も出てきます。
このような最悪の事態を避けるために、まず現時点で住宅ローンが支払えていないという場合はその理由を探るところから始めてみましょう。
住宅ローンが支払えなくなった方々からお話を聞いてみると、ほとんどのケースで下記のような事情があがります。
生活費で余裕が無い
住宅ローンが払えなくなる原因として、まず一番多く上がるのが「生活そのものがきつく生活費もギリギリで回っている状況である」というケースです。
つまり、収入から支払えるのが生活費で一杯であり、住宅ローンの返済に回せる余地が少なくなってしまうというケースになります。
例えば交通事故を起こした場合や、ご家族が急に病気をされて思わぬ出費がかさんでしまうと、一時的にその月の住宅ローンの支払いが困難だというケースも珍しくはありません。
このように突発的かつ、一時的な生活費の困窮であればそこまで大きな問題にはなりません。
一時的な資金繰り悪化が原因であれば、対処法は山ほどあります。
そもそも、一時的な要因なら、その不足額のみ他から借入することも可能ですし、一時的に住宅ローン返済を猶予してもらうことも検討できます。
反対に、数ヶ月~数年に渡ってこのようなギリギリの生活が続いており、いつ住宅ローンの引き落としができなくなるか定かではない、という場合にはそれ相応の対策を取っていく必要があります。
いずれにしてもこの家計が厳しいという状況の場合は家計の見直しやスリム化をはかることによって状況を解決できるケースがほとんどです 。
住宅ローン返済額が大き過ぎる
住宅ローンを契約した際に、そもそも明らかに無理がある返済年数で契約をしてしまい、毎月の負担額が想定よりもかなり厳しいものになってしまったというケースも存在します。
こういった場合には今後、継続的に同じような問題が発生する可能性が極めて高いと言えます。
出来る限り早い段階で住宅金融公庫や住宅ローンを契約している債権者に対して支払い年数の変更などの交渉を行うようにしていきましょう。
これにより毎月の支払額に変動が生じ、家計のバランスを取り戻すことができるケースもあります。
他の借金が原因で家計がパンク
最もよくあるケースのひとつとして、消費者金融やクレジットカードなど、いわゆる無担保型の借金が原因で家計がパンクしてしまい、住宅ローンが払えなくなるというケースがあります。
また、住宅ローンの返済や、生活費に余裕が無かったことから、住宅ローンの返済資金としてカードローンなどを利用してしまい、さらに返済負担が重くなってパンクするというケースもあります。
この場合は最も危険度が高く、早急に対策を練らなければ事態が解決することはまずないと言ってよいでしょう。
住宅ローン返済を継続できるようにするため、今すぐにでも行動を起こすべきです。
多重債務に陥ってしまうと感覚が麻痺してしまい、日が経てばなんとか事態を解決できるのではないか?と思うものですが、それは大きな勘違いです。
出来る限り傷が浅いうちに、借金を整理するという方向に舵を切らなければ今後最悪なシナリオとして住宅を失ってしまうことにもなりかねません。
カードローンなどの金融業者からの借金については、原則的に債務整理という行動をとることにより、自宅を失うことなく借金のみを整理することも十分に可能です。
もし、これらの債務整理に関する知識がないという場合は、法律のスペシャリストである弁護士や司法書士に、現状を相談するところからスタートしましょう。
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払えない時の対処法
以上、住宅ローンが払えなくなった場合に見られる原因について整理しました。
払えなくなった原因が解り、ご自身の問題点が確認できれば、原因に応じた解決法が見つけられます。
それでは、今回のメインテーマである住宅ローンが払えない時の対処法について解説していきましょう。
返済遅れが1ヶ月程度の場合は交渉
住宅ローンの返済がすでに遅れてしまっている場合、どのような対処法があるのでしょうか。
これはどのくらいの期間、住宅ローンの返済が遅れてしまっているかにもよって異なります。
まず返済の遅れが1ヶ月程度という場合には、即座に住宅ローンを管理している債権者や、窓口となっている銀行に連絡をして返済が遅れていること、そして次に返済できる時期がいつになるかということを明確に伝えるようにしましょう。
ほとんどの場合は、住宅ローンを借入している金融機関にこちらからきちんと連絡を入れることにより、1か月程度であれば次回の支払い期日にまとめて入金するように指示されるケースすらあるほどです。
ただし、場合によってはたとえ一度でも支払いを遅れてしまうと強制解約というケースもあります。
この辺りは返済が遅れてしまう前に銀行に対して確認を取った方が良いでしょう。
約定弁済が遅れるということに関して、対応が後手後手になることで、良いことはひとつもありません。
銀行と相談するにあたっても、こちらから連絡する場合と、銀行からの督促で話すのでは、その後の銀行の対応にも大きく違いが出てしまいます。
住宅ローンの返済の遅れが確定している・あるいはかなり濃厚であり、払えない可能性が高いと判断できた段階で出来る限り速やかに借入を行っている銀行に連絡をすることが重要です。
3ヶ月連続で支払えないと期限の利益喪失
住宅ローンの返済を1ヶ月以上延滞してしまい、さらに2回目~3回目の支払い期日にもどうやら返済をすることができないようだ・あるいは3ヶ月連続で住宅ローンの返済を延滞してしまったという場合には、その時点で期限の利益を喪失してしまう可能性があります。
期限の利益というのは簡単に言ってしまえば「分割払いにすることで、支払いを完了するまでの期限を授けますよ」という契約上のルールです。
住宅ローンで言えば、大きな金額を借入しても、毎月の約定弁済額を超えてまで返済を求められないことを意味します。
そして期限の利益は基本的に、支払いに遅れた状態が継続すると、金融機関からの「期限の利益喪失手続き」によって、その時点で残っている残債を全て一括返済するように要求されます。
もちろん、毎月の返済額を払えない方が、この一括返済を行うことはできないわけですが、実際に期限の利益を喪失して一括返済を迫られた段階で支払いができないと最終的に強制執行、つまり自宅を取られてしまう可能性があります。
このような状況になるとリカバリーをするのは大変難しい問題となりますので、出来る限り2ヶ月連続で支払えないという状況は避けるようにしましょう。
もし、現時点では2ヶ月連続支払えず、期限の利益の喪失に関する書類が届いてしまった、という場合には一刻も早く債務整理・個人再生という部分に強い弁護士に相談しなければなりません。
早い段階で対策を
住宅ローンは返済が遅れたり、払えない状態が継続するとマイホームを取られてしまう可能性がありますので、出来る限り早い段階で対策を取っていく必要があります。
住宅ローンを払えないとわかった時には様々な対処法がありますが、ここでは段階別に応じて具体的な対処法をご紹介していきます。
生命保険の契約者貸付を使う
マイホームを持つほどの年齢の方であれば、おそらく生命保険などにも加入されていらっしゃるのではないでしょうか。
ご家族についても同様で、生命保険に加入されているかどうか確認してみましょう。
そしてこの生命保険ですが、貯蓄や満期返戻タイプの場合、解約までは行かずとも「契約者貸付」という制度を使ってお金をねん出できるケースがあります。
これは解約返戻金、つまり現時点で生命保険を解約した際に帰ってくる金額のうち、一定の割合を貸付金としてすぐに引き出すことができるサービスです。
但し、契約者貸付の利用可否は保険の種類や、保険会社毎にも異なります。
例えば、掛け捨て型の医療保険などでは利用できないでしょう。
もし手元に生命保険の証書があれば、そこに契約者貸付限度額という欄があるかどうかを確認しましょう。
契約者貸付の限度額がそこに記載されていれば、ひとまず記載されている金額までは、遅くとも一週間前後で借り入れできるということになります。
生命保険証書がすぐに見つからない場合は、加入されている保険会社に連絡して、契約者貸し付け制度の利用可否を確認してもらいましょう。
ちなみに、この保険の契約者貸付は審査が一切ありません。
必要な書類に署名押印し、保険を担当している外交員などに預けることで数日もあれば資金を振り込んでもらうことができます。
生命保険の金額によっては貸付額も100万円単位にまでなることもあり、いざという時にはこちらを使うという方法があります。
他の借金が原因なら任意整理
現時点で「キャッシングやカードローンなど他の借金が原因で家計がパンクしており、これらの借金が整理できれば家計を再建することができそうだ」という場合には任意整理という方法があります。
この方法で借金を整理してみるのはいかがでしょうか。
任意整理というのは債務整理の方法の一つで、弁護士や一部の司法書士の先生が本人の代理人となり、債権者と交渉の上、借金の返済額を圧縮してくれるという方法です。
自己破産などのように破産者として記録されることもありませんし、周囲に任意整理を行ったことがバレるということもまずありません。
また、毎日のようになりやまない督促の電話や、取り立ての手紙なども任意整理を依頼したその日からピタッと全てストップするという副産物もあります。
また、任意整理の場合、相談する金融機関を個別に選択して行うことが可能です。
全ての債権者と平等に交渉するわけではありません。
そのため、住宅ローンの返済を継続したまま、その他のカードローンなどを減額してもらうという交渉も可能です。
個人再生で住宅を守る
今回ご紹介しているような対処法を全て行ったにもかかわらず、住宅ローンの返済を行うことができない状況である、あるいは既に期限の利益を喪失しそうな状況であるという場合には、一刻も早く個人再生という債務整理の方法に舵を切らなければなりません。
さもなければ、近い将来マイホームを手放さなければならなくなります。
個人再生というのは債務整理の方法の中で自己破産の次に強力な方法です。
個人再生では裁判所に対して再生計画というものを提出し、借金を大幅に圧縮した上で原則5年以内に全ての借金を返済すると誓約する方法です。
この個人再生は住宅ローン特則というものがあり、簡単に言えば債務整理を行うけれど、住宅という財産だけは守り続けることができるという方法です。
もちろん住宅ローンについては通常通り支払いを行っていかなくてはなりませんが、自宅を守りながら借金を減額できるのは大きなメリットです。
現時点で給与所得など収入があるのであれば十分に検討すべき方法となります。
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債務整理に強い専門家
自己破産には司法書士よりも弁護士に相談する方が良いと説明しました。
では相談する弁護士はどのように探せばよいのでしょうか。
弁護士と一言で言っても、弁護士にはそれぞれ得意とする分野があり、債務整理に慣れていないという弁護士も大勢います。
よほど人脈の広い方や、仕事で関わったことのある方などを除き、債務整理の相談に適した弁護士に知り合いなどいないという方が多いでしょう。
以下に、債務整理に力を入れており、さらに、自己破産などの代理人になった経験も豊富な弁護士事務所をご紹介しますので、是非、参考にされてみてはいかがでしょうか。
アヴァンス法律事務所
債務整理を相談する弁護士として最もおすすめなのはアヴァンス法律事務所です。
債務整理を専門とする弁護士事務所であり、大手法律事務所であることから安定した成果、対応が期待できます。
アース司法書士事務所
アース司法書士事務所は個人再生に強い専門家です。住宅を守って、その他の借金の減額を図るなら個人再生がおすすめです。
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まとめ
住宅ローンを払い続けることができなくなった場合には状況に応じて様々な選択肢があります。
2週間以内など、一時的に支払えない状況であれば銀行に対して支払いの猶予を申し出る方法があります。
もう少し長い期間、1ヶ月から2ヶ月程度支払えそうにない、という状況の場合には借り換えなどを検討することになります。
また、収入などが完全に途絶えてしまい、いよいよ完全に返済の目処が立たなくなったという場合には早い段階で任意売却などの方法に入らなければなららないケースもあります。
しかし、マイホームを手放すというのは最終的な局面であり、それに至るまでに様々な方法を取ることでマイホームを死守するという方法もあります。
特に債務関係で住宅ローンの返済が間に合わないという場合には、個人再生など債務整理の方法を取るという方法もありますのでお近くの債務整理に強い弁護士まで連絡してみましょう。
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