住宅ローンは自宅購入を検討しているほぼ全ての人が借入れを行うことになるローンです。
住宅ローンは借入金額が高額であるため、銀行の審査が厳格になるのが特徴です。
また、審査が降りなかったため希望の物件が購入できず、将来設計が変わってしまうなど、人生に大きな影響を与えることも特徴です。
そのため、住宅購入を検討している人は、自分の年収や将来的な年収の増減を見積もり、住宅ローン審査に通るか,無理なく返済できるかを冷静に判断する必要があります。
ここでは、住宅ローン借入から実行までをスムーズに行うための注意点を分かりやすく解説していきます。
住宅ローンでいくら借入できるのか?
自宅を購入すると決めたら、住宅ローンでいくら借入できるのかが大切なポイントになります。
住宅選びでは購入できる金額を見込まないと話が進みません。
自己資金だけで十分購入できるといった方は稀ですので、住宅ローンをうまく活用する必要があります
そこで、最初に注意したいのが住宅ローンでいくら借入できるのかです。
住宅ローンの借入可能額を確認するには、主に年収と既存借入の2つの項目があります。
この点を解説していきましょう。
借入可能額と年収の関係
まずは年収についてです。住宅ローンの借入可能額と年収を考える際のポイントは以下の2つです。
- 返済能力から考えていくら借入して大丈夫なのか?
- 銀行はいくら貸してくれるのか?
いくらまで借りて良いのか?
一番大切なのは、ご自身の返済能力から考えて、住宅ローンの返済を毎月いくら行うことができるのかです。
これは、借入する人の生活スタイルや、家族構成などによっても異なりますので絶対的な基準というものはありません。
ご自身の収支を見直したうえで、返済可能金額を考える必要があります。
この時、忘れてはいけないのが、住宅ローンは長期間に渡って返済を続けていくということです。
今現在だけの返済能力を考えるのではなく、5年後、10年後、30年後といったライフプランから考えることが大切です。
なお、一般的に無理なく住宅ローンを返済できる年間返済額は年収の30%前後までといわれています。
これを超えるようであれば、今後の年収の上がり幅をシミュレーションし、子育てで金銭が入り用な時期にも返済が滞りなく行えるか慎重に判断する必要があります。
そのほか、親族からの援助が得られるかも確認する必要が生じるでしょう。
銀行はいくら貸してくれるのか?
次に、銀行が住宅ローンでいくら貸してくれるのかも大切です。住宅購入の資金計画を考えるうえで基礎となる重要な部分です。
銀行が住宅ローンでいくら貸してくれるのかを考えるうえでは、「返済負担率」が重要なポイントになります。
返済負担率は銀行が住宅ローン審査でも確認する項目であり、住宅ローン返済にあてることのできる年収の割合から借入可能額を確認する方法となります。
一般的な銀行の住宅ローンでは、年収の30~35%が返済にあてられる上限金額であると考えており、この金額をもとに住宅ローンの借入可能額を計算しているのです。
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既存借入の状況を確認
続いて、住宅ローン以外の借入額をしっかり把握しましょう。
その他の借入れがある場合、住宅ローンの審査が厳しくなります。
また、見落としがちですが、普段使用しているクレジットカードにリボ払い機能がある場合、その使用可能額を借入れと見なす銀行もあります。
年収額の関係で住宅ローンの審査に不安がある場合は、一時的にクレジットカードの解約を行うのも一つの手だと言えます。
続いて、頭金として支払い可能な額を把握しましょう。
近年は超低金利が続いていますが、頭金を入れることで支払総額を下げることが可能になります。
住宅ローンは額が大きいため、数十年スパンで支払を行うと利子分だけでかなりの額を返済することになります。
頭金を入れることで返済期間を短くする努力が必要です。
住宅購入に必要な資金はいくらか?
住宅購入、住宅ローンの借入前には、実際にお金がどれくらい必要になるのかを確認しておく必要があります。
必要になるお金の全体額を把握しておかないと、資金計画を誤ってしまい、実際に住宅を購入するタイミングや、購入後にお金が足りなくなってしまうということがあります。
良くある間違いとして、住宅購入時に不動産の購入価格だけを必要資金として考えるというものがあります。
住宅の価格だけ準備すれば、資金が足りると判断してしまうのは誤りです。
住宅購入時には様々な名目でお金が必要になりますので、全体額を考える必要があります。
以下に、住宅購入時に必用となる費用の例を記載しておきます。
諸費用項目例
事務手数料 | 住宅ローンを契約する際に銀行へ支払う手数料 |
印紙代 | 売買契約書・金銭消費貸借契約書に添付する印紙代金 |
保証料 | 住宅ローンの仕組みとして必要な保証会社に支払う費用 |
火災保険料 | 建物にかける保険料 |
団体信用生命保険料 | 生命保険料 |
不動産仲介手数料 | 不動産仲介会社を利用する場合の手数料 |
不動産取得税 | 土地、建物を取得したことで発生する税金 |
登録免許税・登記手数料 | 不動産登記や、抵当権の設定にかかる費用・税金と司法書士手数料がそれぞれ必要 |
固定資産税 | 不動産所有者が毎年納める税金 |
引っ越し代 | 新居に引っ越すための費用 |
修繕積立金 | マンションの定期的な修繕のための積立金 |
物件購入までのタイムスケジュールを確認
住宅購入の資金計画について検討し、実際に購入したい住宅の見込ができたなら住宅ローン会社の「事前審査」を受けるのが良いでしょう。
住宅ローンの借入を行うには、住宅ローン会社の事前審査を経る必要があります。
事前審査とは、借入を希望している銀行に自身の収入やその他の借入状況を申告し、簡易的な審査を受けることを指します。
住宅ローン申込に必要な様々な書類を提出していない状況で、審査通過の可能性があるかを判定するための審査であるため、事前審査と呼ばれています。
事前審査は1日から1週間程度で完了する簡易な審査ですが、基本的に事前審査を突破しないと住宅ローンの借入れを行うことはできません。
始めに事前審査を受けることが良い理由は、希望する物件の購入を円滑に行うためです。
当然の話ですが,物件の売り主は購入希望者が十分な資力を有しているか見極めようとします。
そのため,ほとんどの物件では、いずれかの住宅ローンの事前審査を突破していることが売買契約(または購入予約)を締結する条件となっています。
理想的な物件を見つけた後で事前審査を行っていると、その間に他の人が購入してしまうという事態が起きる可能性があります。
もちろん,事前審査と物件探しを並行して行っても構いませんが、事前審査に必要な期間を考えながら物件探しを行いましょう。
なお、年収や借入額を偽って申告をしても事前審査を突破できる場合がありますが、実際に借入を行うための本審査では、源泉徴収票や所得課税納税証明書などの公的証明書の提出を求められるため、虚偽申告は必ず発覚します。
事前審査に落ちても、他のローン会社であれば審査を通過する場合があるため、虚偽申告は絶対にやめましょう。
住宅ローンを選ぶ
購入する物件が決まったら、実際に借入を行う住宅ローンを決定しましょう。
住宅ローンを決定する際に注目するポイントは、「金利」と「保険」です。
まず「金利」で確認するのは、住宅ローン実行時の金利の利率です。
細かい話になりますが、実際に住宅ローンで適用される金利とは、ローン申込時の金利ではなく、ローンを実行し、不動産会社やハウスメーカーに支払いを行った時点の金利になります。
住宅ローン実行時の金利が適用される場合,ローン申込時から実行時までタイムラグがあれば、それだけローン金利が上昇するリスクが生じます。
例えば、中古住宅や中古マンションを購入する場合は、住宅ローン申込と実行のタイムラグはそれほどありません。
しかし、購入した土地に注文住宅を建築する場合は、申込時から実行時まで半年近くかかる場合があります。
さらに、新築マンションを購入する場合は、マンション建築が開始された時点でローン申込を行った場合、建築が完了し、ローンが実行されるまで2年ほどかかる場合も珍しくありません。
住宅ローンを申し込む際は、現在の金利にのみ注目するのではなく、実行時の金利を想定しながら申し込みを行いましょう。
続いて、住宅ローンで注目すべきポイントは、「保険」です。住宅ローンは、10年、20年、30年と長期で返済を続ける必要があるローンです。
返済中に死亡したり、病気になって返済能力がなくなるリスクがあることから、ほとんどの人が団体信用生命保険(団信)に加入します。
しかし、団信に加入するためには別途金利を上乗せする必要があります。
金利の低さだけでローンを選ぶと,団信に係る金利を加味すると結局金利が高額になってしまう場合もあります。
また、一言に団信と言っても、3大疾病(ガン、急性心筋梗塞、脳卒中)になった場合のみ返済を免除するものから、8大疾病(3大疾病に加えて糖尿病、高血圧性疾患、慢性腎不全、肝疾患、慢性膵炎)までカバーするものなど数多くの種類があります。
銀行によっては幅広い病気に対応する特約を無料で付加してくれる住宅ローンもあります。
全疾病保障が無料で付加
★住信SBIネット銀行の住宅ローン
★業界トップクラスの低金利
★新規購入時の通期変動金利は0.32%(2023年5月現在)
★全疾病保障保険の特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。 |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 全疾病保障特約を無料で付加、一部繰上げ返済手数料無料 |
親族の病気の状況や自身の健康状態を考えながら、団信がカバーする疾病内容を確認するのが良いでしょう。
変動金利と固定金利のどちらかを選ぶ
ほとんどの住宅ローンでは「変動金利」と「固定金利」が用意されています。
単純に金利で比較すると変動金利の方が金利は低く設定されていますが、どちらの金利を選ぶかはその他の条件や金利変動リスクを加味しながら判断する必要があります。
日本銀行は長期にわたって超低金利の金融政策を継続しており、住宅ローン金利も低く抑えられてきました。
しかし、この超低金利政策はやがて経済が上向く中で変更される可能性があります。
ここ何年かではなくとも、住宅ローンを返済する長いスパンで見ると金利が上昇するリスクも否定できません。
住宅ローンの借入れを行う際に固定金利を選択すると変動金利よりも高い金利となりますが、期間中金利が変動しないため、将来設計が立てやすいというメリットがあります。
反対に、比較的短期間に完済する予定であれば、変動金利を選択することで返済総額を低く抑えることができます。
また、折衷案として、10年、20年の固定金利を選択し、固定金利期間が終わった時点の残額を変動金利で返済する方法もあります。
この方法の場合、返済中に住宅ローン金利が上昇してもローンの大部分を固定金利期間中に返済しておけば、家計に対するダメージを最小限に抑えることができます。
金利優遇のタイプを選ぶ
住宅ローンは通常、標準金利ではなく、一定の金利優遇を受けて、割引後の金利で借入します。
例えば、大手都市銀行の標準的な変動金利は2.4~2.5%ですが、実際に借入する方の大部分は金利優遇を受けて、0.5~0.6%程度で借入しています。
しかし、この金利優遇にも以下の2種類のタイプがありますので、ご自身にあった方を選択する必要があります。
- 全期間一定型
- 当初優遇幅拡大型
全期間一定型とは、借入期間を通じて優遇幅が変わらないタイプの金利優遇です。
例えば、先ほどの変動金利の例であれば、銀行の標準金利が変動なければ、借入全期間を通じて、0.5~0.6%の金利で借入できることになります。
一方、当初優遇幅拡大型は、借入当初の優遇幅を大きくする分、それ以降の優遇幅は縮小するタイプの金利優遇です。
先ほどの変動金利を例とすれば、借入当初の金利は0.3~0.4%と優遇幅を大きくする分、当初期間(3~10年程度・住宅ローン商品ごとに異なる)が終了すると、借入金利が上昇して、0.7~0.8%に上昇するといった金利タイプになります。
当初優遇幅拡大型は、年齢が若くて収入が上がりきっていない方や、夫婦共働きを予定しているが、子供が生まれたばかりで育休・時短勤務となっていて収入が減少しているが、将来的に増加する可能性が高いといった方に適しています。
当初優遇タイプのおすすめ
☆三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
☆13年連続で日本で最も利用されている住宅ローン
☆変動金利 0.475%(2022年1月現在)
☆3年固定金利 0.34%、10年固定金利0.74%(2021年4月現在)
☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在) |
その他優遇など | 7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus> |
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おすすめの住宅ローン
住宅ローンを借入する際には、住宅ローン選びが重要です。
やはりポイントは金利です。少しでも金利の低い住宅ローンを利用すれば、それだけ総返済額が少なくなります。
ここでは、2021年現在で注目のおすすめの住宅ローンをご紹介します。
三菱UFJ銀行(ネット専用)
大手銀行のなかでは三菱UFJ銀行の住宅ローンがおすすめです。
その中でも、ネット申込時のみに利用できるネット専用住宅ローンがお得です。
三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンでは、3年間の固定金利を利用しても、金利は0.34%という他の銀行に比べて圧倒的に低い金利になります(2021年7月)。
☆三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
☆13年連続で日本で最も利用されている住宅ローン
☆変動金利 0.475%(2022年1月現在)
☆3年固定金利 0.34%、10年固定金利0.74%(2021年4月現在)
☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在) |
その他優遇など | 7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus> |
住信SBIネット銀行
2021年現在、最も強くおすすめする住宅ローンは住信SBIネット銀行の住宅ローンです。
住信SBIネット銀行は変動金利が業界トップクラスに低いことでおすすめです。
さらに、銀行の費用負担で「全疾病保証」に加入することができます。
全疾病保証は、万一の病気で就業できなくなった時に、保険が住宅ローンの返済を負担してくれる制度です。
★住信SBIネット銀行の住宅ローン
★業界トップクラスの低金利
★新規購入時の通期変動金利は0.32%(2023年5月現在)
★全疾病保障保険の特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。 |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 全疾病保障特約を無料で付加、一部繰上げ返済手数料無料 |
SBIマネープラザ
SBIマネープラザとは、住信SBIネット銀行の住宅ローンを、店舗の対面相談で利用できるサービスです。
通常、ネット専業銀行は店舗がないため、対面相談できないのがネックと言われます。
しかし、SBIマネープラザでは専用のコンサルタントと相談しながら住宅ローンを申込できるのが特徴です。
なお、SBIマネープラザでの相談は事前予約が必須です。店舗数も少ないため、以下から早めに予約しましょう。
まとめ
住宅ローンは人生で最も大きな借入れの一つです。そのため,家族全体の将来設計に非常に深く関係します。
今回は,住宅ローンで注目すべきポイントを借入れ前から借入れ時まで時系列で説明しましたが、この中で特に大切なのは自分の年収等の把握です。
住宅購入を検討していると,購入金額が大きいことから金銭感覚が麻痺しがちです。
自分の年収等を考慮せずにローンを組むと,せっかく自宅を購入したのに返済不能となり,自宅を手放さざるを得なくなる事態も考えられます。
このような事態を避けるためにも,事前にしっかりと資金計画を立てるようにしましょう。
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