近年、個人事業主や、企業の資金調達の手段として、「ファクタリング」と呼ばれる方法が注目を浴びています。
ファクタリングとは、銀行以外から資金を調達する方法であり、事業資金の調達手段の多様化につながるものですが、「知らないと利用しにくい」方法でもあります。
個人事業主や、中小企業にとって、安定した資金調達は事業継続の生命線ともなります。
ファクタリングを有効活用して、資金調達を安定化させるため、知っておいて欲しい「ファクタリングとは何か」から、ファクタリングのメリット・デメリット、ファクタリングの活用法まで、ファクタリングに関する情報を徹底的に紹介いたします。
ファクタリングとは?
ファクタリングとは、法人企業や個人事業主が利用できる事業性資金の調達方法の1つです。
資金調達というと、すぐに銀行などからの「借入」を想像してしまいがちですが、借入とファクタリングとは異なります。
ファクタリングとは、正確に言えば、借入ではなくて「売掛債権の売却」になります。
ファクタリングとは、企業や事業主が保有している取引先への売掛金を、ファクタリング業者と呼ばれる会社に売却して、本来の売掛金の回収期日前に、売掛金を現金化することによる資金調達方法です。
あくまで売掛金の売却であり、資産を売却して売却代金を受け取ることと同じです。
銀行などから行う借入と、ファクタリングとは全く異なる資金調達方法となります。
図解でファクタリング取引の仕組みを解りやすく解説しています。まだ、もうひとつファクタリング取引の仕組みが解らないという方は、こちらの関連記事もご参照ください。
ファクタリングの意味は?
ファクタリングの詳細をご説明する前に、ファクタリングの言葉の意味も確認しておきましょう。ファクタリングとは、英語では「factoring」と書きます。
「factoring」は「factor」から派生した単語です。そして、「factor」を辞書で調べると、以下のようなものが含まれます。
- 因数分解
- 要因
- 要素
- 代理人
日本語としても、ビジネス用語として、「factor」を使用する方はいるでしょう。要因・要素などの意味合いで、「リスクファクター」などと言うこともあります。
このファクターという言葉から派生して、ファクタリングの意味に転じているようです。
そして、金融取引において、ファクタリングという時には、前述のように「売掛金を売却する資金調達」を意味する言葉になっています。
ファクタリングと手形割引の違い
銀行から借入している事業主であれば、「手形割引」を利用して融資を受けたことのある方もいるでしょう。
手形割引とは、企業や個人事業主が、商取引において取引先から受け取った手形を、手形の決済期日前に、銀行でお金に変えてもらう資金調達方法です。
銀行では、お金に変える日(これを割引日と言います)から、手形期日までの期間に応じた利息相当額を、差し引いて(割引)、手形の購入代金を借入人に渡すので、「手形割引」と言います。手形割引も実質的には、「手形の売却」に近いものですが、銀行の場合、手形が不渡りになると借入人に買い戻しを要求します。
手形割引後も、手形の不渡りリスクは借入人が負うことになるため、「手形担保の借入」に近く、銀行内においては完全な売却というよりも、融資、もしくは与信として扱っています。
つまり、手形割引では、手形を保有していても、借入したい企業、もしくは事業主の信用力が低いと資金調達できません。あくまで、手形の買い戻しが可能な範囲内で、手形を割り引くことができます。
一方、ファクタリングとは売掛金の売却です。
そのため、ファクタリングとして売掛金を売却した後で、売掛先・取引先が倒産して、売掛金の回収が出来なくなったとしても、そのリスクはファクタリング業者が引き受けます(このことを、ファクタリングには、償還請求権が無いと言います)。
ファクタリングを利用した中小企業、もしくは事業主は、ファクタリング業者から、倒産してしまった売掛金を買い戻す必要はなく、取引先の「倒産/回収リスク」から「解放(オフバランス)」されることになります。
ファクタリング≠借入
通常、ファクタリング業者に対して売掛金を売却してしまった後であれば、取引先が倒産したとしても、売掛金を買い戻すことがありません。ファクタリング取引は手形割引などとは異なり、売掛金を担保とした借入ではなく、売掛金の売却による資金調達に過ぎません。
そのため、ファクタリング利用者である中小企業者や個人事業主は、ファクタリングによる資金調達を行っても、借入が増加することはありません。
そして、借金を増加させずに資金調達できることは、決算書・財務内容の改善に寄与する可能性があります。
ファクタリングによる資金調達を行うと、決算書上では、借入金は増加せず、売掛金が減少して、その分現預金が増加する効果が生まれます。決算書の内容が良くなれば、銀行からの融資を受ける際の審査にも良い影響が期待できます。
*銀行融資との違いはこちらの関連記事もご参照ください
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p id=”original_heading_001″>参考)ファクタリングの仕訳
ファクタリングによる資金調達を行う場合の「仕訳」や、「会計処理」について、参考として触れておきます。個人事業主や、企業の経理担当者など、ファクタリング取引を利用したけど、その後の仕訳や、会計処理が解らなく、困ってしまうこともありますよね。
まず、ファクタリングとは、借入ではありませんので、借入金が増加することはありません。あくまでファクタリングは、売掛金を売却する取引です。
仮に、100万円の売掛金を売却して、10万円のファクタリング手数料を差し引かれるファクタリング取引を行った場合を想定して、会計処理・仕訳を見てみましょう。
①ファクタリング実施時の仕訳
普通預金 100万円 / 売掛金 100万円
ファクタリングとは売掛金の売却ですので、ファクタリング実施時の仕訳では、売掛金が減少して、その分現預金が増えます。もしくは、ファクタリング契約を締結した時点で、一旦、「未収入金」として計上しておき、口座に入金された時点で、「普通預金」に振替ます。
②ファクタリング手数料支払い時の仕訳
売掛債権売却損 10万円 / 現預金 10万円
ファクタリング手数料は、支払手数料ではなく、「売掛債権売却損」として仕訳処理します。手形割引を利用する際の「割引料」と同様に処理しても構いません。損益計算書には、「営業外費用」として計上されます。
③2社間ファクタリングで売掛金を回収した仕訳
現預金 100万円 / 預り金 100万円
預り金 100万円 / 現預金 100万円(ファクタリング会社へ支払い)
2社間ファクタリングでは、取引先の売掛金支払いを、資金調達者が代理で受領します。
その後、受け取った売掛金の回収代金は、ファクタリング会社にそのまま支払うことになります。
以上が、基本的なファクタリング利用時の会計処理(仕訳)になります。ファクタリングは、借入金を増加させずに、現預金を増加させることのできる取引であることが解ります。
政府が推奨する調達手段
日本の中小企業や、個人事業主の資金調達は、銀行融資に依存し過ぎていると言われています。
実際、中小企業経営者や、個人事業主が資金調達を考えると、銀行から借入する以外に、資金調達の方法が思い浮かばないという経営者は多いでしょう。銀行融資への資金調達依存度が高すぎるなか、経済産業省では、ファクタリングを推奨すべきと考えられています。
「売掛金を活用して資金調達する方法」を今後拡大すべきということが、経済産業省が公表した「中小企業における資金調達の課題」で明言されています。日本のファクタリング利用率は、アメリカなどの先進国と比較して圧倒的に低いのが現状です。
売掛金で資金調達する方法を活性化させる必要がある言うのが経済産業省の見解です。そのため、ファクタリングは、中小企業や、個人事業主の資金調達手段として、今後ますます拡大していくと予想されます。
ファクタリングの申込条件
ファクタリングは銀行融資に比べ、審査jに通りやすく、資金調達しやすいのが特徴であり、メリットとなります。銀行融資の審査に落ちたけど、ファクタリングなら利用できたという口コミ・評判も多く見られます。
しかし、実際にファクタリングを利用できるための要件や、条件、審査基準について正しく認識しておくことが大切です。以下にファクタリングを利用できるかどうかで、質問の多いポイントを整理して解説します。
ファクタリングには売掛金が必要
ファクタリングは売掛金を売却することによる資金調達です。そのため、商取引上の売掛金が、必要な資金調達額以上に存在していることが、ファクタリングを利用するための条件となります。売掛金がないと、ファクタリングを利用することはできません。
さらに売掛金があっても、以下のような売掛金の場合には、ファクタリングは利用できませんので注意が必要です。
<対象外となる売掛金>
・個人向けの売掛金(個人事業主含む)
・入金が遅れている売掛金
・既に売却済みの売掛金
・支払いを拒否されている売掛金
ファクタリングでは、売掛金の回収可能性が審査のポイントとなります。そのため、信用力に懸念があったり、回収期日に支払われない可能性が高い売掛金は、ファクタリングの対象となりません。
また、個人、個人事業主は、一般的に法人企業に比べて、信用力が低いと判断されています。そのうえ、ファクタリング会社が信用調査するにあたっても、必要な情報を十分に取得することができません。そのため、個人向けの売掛金は、ファクタリングの対象となりません。
個人事業主は利用できる?
ファクタリングは個人事業主でも、売掛金を保有していれば利用できる可能性が十分にあります。
ただし、ファクタリング会社の中には、法人企業のみを対象としており、個人事業主からのファクタリング依頼を拒否している会社も存在しています。
個人事業主が利用できるファクタリング会社は限定されていますので、対応してくれるファクタリング会社を探す必要があります。
以下に、個人事業主でも利用可能(大歓迎)なファクタリング会社を整理していますので、参考にされてみるのが良いでしょう。
<関連記事:個人事業主大歓迎のファクタリング会社>
個人事業主が即日でも利用できるファクタリング会社と失敗しない相談方法
赤字でもファクタリング可能
ファクタリングは借入ではなく、売掛金の売却による資金調達方法です。
そのため、ファクタリング業者としては、売掛金を売却する相手(申込人/ファクタリング利用者)の信用力はあまり関係なく、購入する売掛金の支払人(取引先/売掛先)である取引先の信用力が重要となります。
売掛金を支払う取引先の信用力が高ければ、申込人自体は赤字や、債務超過など、信用力が劣る状態であっても、ファクタリングを利用することができます。
そのため、ファクタリングでは、申込人の信用力や、財務内容も審査で確認しますが、それだけに依存するわけではなく資金調達できる可能性があります。銀行融資とは審査基準が異なり、銀行借入とは別枠の資金調達枠を持つことができるようになります。
通常の資金調達が銀行に依存していたり、保証協会付融資でしか資金調達できない中小企業経営者や、個人事業主も少なくないでしょう。借入枠を増加させたい、資金調達能力を高めたいという経営者には、ファクタリングを検討してみる価値があります。
税金滞納・リスケ中は?
銀行の融資審査では、借入申込人に「税金滞納」・「リスケ(銀行融資の返済条件を緩和すること)」があると、新規融資の審査は通らなくなります。税金滞納や、リスケというのは、それほど銀行融資の審査に悪影響のある借入人の信用悪化事由となります。
しかし、ファクタリングの審査では、前述の通り、取引先の信用力が重要となります。そのため、ファクタリングの利用希望者に税金滞納や、リスケがあってもファクタリングなら資金調達できる可能性は十分にあります。
税金滞納中、リスケ中の方が資金調達を行うのであれば、ファクタリングは非常におすすめの資金調達手段となります。銀行から融資を受けるために、「滞納税金を解消」するために資金を、ファクタリングで調達するということも可能です。
以下の関連記事で、赤字・債務超過・税金滞納・リスケ中の事業者がファクタリングを利用するためのポイントを解説しています。是非、ご参照下さい。
<関連記事:赤字、債務超過、税金滞納中でも利用可能>
担保・保証人が無くても良い?
銀行からの借入では、担保や連帯保証人が必要となることが少なくありません。保証協会付の融資を受ける場合でも、代表者などの連帯保証人は必要となります。
これは、連帯保証人や、担保は、借入申込人の信用不足を埋めるために求められます。
しかし、ファクタリングでは申込人の信用力の重要性は低く、そもそも借入ではありませんので、担保・連帯保証人も必要ありません。商取引上の売掛金があれば、担保となる不動産や、連帯保証人となってくれる方がいなくても資金調達できるのがファクタリングの魅力となります。
急な資金調達に対応可能
ファクタリングとは売掛金の売却による資金調達です。
主な審査・査定は買い取り対象となる売掛金(取引先)の信用力を評価するものとなります。
売掛金の評価は、銀行借入の審査ほどには時間が掛かりません。
そのため、資金調達が必要な企業や、個人事業主がファクタリング業者に相談して、最短即日で資金調達ができることもあります。
ファクタリング業者によっては、土日に対応している業者や、相談から即日で、買い取り対象となる売掛金の査定を行ってくれるファクタリング業者も存在します。
即日で間に合わない場合でも、2~3営業日程度での資金調達なら十分可能ですので、急な資金調達が必要になった場合でも、ファクタリングを活用すると資金調達に対応できる可能性は十分にあります。
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p id=”original_heading_001″>スピード査定のファクタリング
早ければ即日でも資金調達できるのがファクタリングのメリットです。
しかし、ファクタリング業者の中には、多少なりとも対応スピードの差があります。即日~数日など、急いで資金調達が必要なら、スピード査定が可能なファクタリング業者に相談する必要があります。
対応の早さ、スピード査定が可能なファクタリング業者は、以下の関連記事に整理しましたので、お急ぎの方は参照下さい。
*急ぎでの資金調達が必要な方はこちら
財務内容が悪化しない
ファクタリングとは売掛金の売却であり、借入ではありません。
そのため、ファクタリングで資金調達を行った場合でも、決算書の借入金が増加するという影響はありません。ファクタリングを行った場合、資産のなかの売掛金が減少(売却)し、その分、現預金が増加します。
決算書上で借入金が増加する訳ではなく、現預金が増加しますので、財務内容は悪化するどころか、むしろ資金効率が高くなるという影響が期待できます。そのため、銀行の融資審査において財務内容に関する評価が高まることも期待できます。
銀行からの借入審査では、ノンバンクから借入を行っていると、審査にマイナスの影響がでることがあります。こういった借入は、決算書付属明細内の借入先明細から判明することが多いのです。しかし、ファクタリングでは決算書上に借り入れ金が計上されませんので、影響は最小限度に抑えることができます。
取引先への通知要否
ファクタリングとは売掛金の売却になりますが、売掛債権の売却というのは、手続きとして簡単ではありません。資金調達希望者としても、継続的に取引を行っていくお客様の売掛金を売却した結果、「信用不安」が起こって、取引が失われてしまわないか、気になるところですよね。
すくなくとも、ファクタリング業者から、「売掛金を買い取った」ことの連絡が行われたり、安易に請求されてしまうと、困るという方もいるでしょう。
重要なお客様の売掛金であれば、取引先に売掛金を売却したことを、知らせたくないと考える事業主もいるでしょう。なかには、「売掛金を売却する」=「資金繰りに困っている会社」と考える取引先も存在しており、信用不安などの風評リスクの心配も出てしまいます。
そのうえ、売掛金を第3者に売却することを、取引上の契約で禁じていることもあります。この場合、取引先にファクタリングを説明して、同意を得ることは難しくなってしまいます。
取引先への事前説明・同意を必要とするかどうかは、依頼するファクタリング業者や、ファクタリング方式によって異なります。
ファクタリング(売掛債権の売却)の手続きとして、以下の3通りの可能性があります。
①取引先の同意を得ず(知らせず)に売却
②取引先の同意を得て(知らせたうえで同意を得て)売却
③債権譲渡登記を行って売却(注)
(注:債権譲渡登記とは、売掛金を売却することを法務局で登記する方法です。ファクタリングでは、売掛金を買い取ったファクタリング会社が、自分たちが法律的に認められた債権者となることを証明する手続きが必要となります。これを対抗要件の具備と言います。その1つが、取引先の同意や、債権譲渡登記となります。債権譲渡登記はこちらを参照ください)
資金調達希望者にとって都合の良いのは、①でしょう。
取引先に知らせることなく、ファクタリングできるのが最も望ましいと考えられます(但し、取引先に知らせずに行うファクタリングでは、ファクタリング手数料が高くなる傾向にあります)。
②や、③の場合、取引先に売掛債権を売却することが知られてしまう、もしくは知られてしまう可能性があり、対応が悪いと、「信用が悪化している」、「資金繰りに困っている」という風評リスクが起きてしまう可能性もあります。
できれば、こういった悪影響を引き起こすことなく、ファクタリングを利用して資金調達したいところでしょう。
これらの取り扱いの可否は、利用するファクタリング業者によって異なりますので、良く相談してみることが望まれます。
ファクタリングの仕組みは?
ファクタリングは売掛金を売却する資金調達者と、ファクタリング会社、そして、売掛金を支払う取引先の3者の関係から、ファクタリングの仕組みを整理することができます。
ファクタリングの仕組みは言葉で整理するよりも、図解した方がわかりやすくなります。特に、ファクタリングの仕組みは、2社間ファクタリングと、3社間ファクタリングという2種類の仕組みを比較した方が理解しやすくなります。
ファクタリングの仕組みを理解するうえでは、ファクタリング会社と、取引先(売掛先)との間の直接のやりとりの有無に着目すると理解しやすくなります。
以下で、ファクタリングの仕組みを図解でわかりやすく説明しますので、参考にして下さい。
2社間ファクタリングとは?
ファクタリングは、2社間ファクタリングと、3社間ファクタリングの2種類の「ファクタリング方式」に分けることができます。
2社間ファクタリングとは、前述の取引先に知らせることなく行うファクタリングのことです。逆に、取引先に同意を得て行うファクタリングのことを3社間ファクタリングと呼びます。
3社間ファクタリングでは、取引先に同意を得て、売掛金の期日回収を、取引先→ファクタリング会社で行います。売掛金に関係するのが、ファクタリング利用者・取引先・ファクタリング会社の3者になるので、3社間ファクタリングと呼びます。
以下、2社間ファクタリングと、3社間ファクタリングの仕組みを図解したものとなります。
<図解①:2社間ファクタリングの仕組み>
*2社間ファクタリングの場合、売掛先からの支払いは調達希望者に対して行われます。
調達希望者は、回収した売掛金をファクタリング会社に支払います。
ファクタリング会社と、売掛先(取引先)との間の直接の資金授受や連絡は発生しません。取引先に同意を得ずに、伏せたままで行うのが、2社間ファクタリングの特徴です。
<図解②:3社間ファクタリングの仕組み>
*3社間ファクタリングでは売掛先からの期日支払いを、ファクタリング会社に直接行うことがポイントとなります。売掛先とファクタリング会社が直接資金授受を行うため、売掛金の回収期日において、資金調達希望者を介さずに回収するのがポイントです。
3社間ファクタリングの重要な仕組みは、ファクタリング会社と、売掛先との直接の資金授受があることです。
2社間ファクタリング・3社間ファクタリングの詳細はこちらで解説しています。
ファクタリング手数料とは?
ファクタリング手数料とは、ファクタリングを利用するにあたって、ファクタリング会社が得る収入のことです。銀行融資おいて、借入に対して支払う利息や、手形割引の際の割引料に相当する費用となります。
ファクタリング手数料の相場を考える場合においては、通常、ファクタリング手数料率で考えます。「率」というのは、買取りの対象となる売掛金に対して、手数料として控除される費用の割合を指します。
仮に、100万円の売掛金をファクタリングで売却する場合を想定します。この時、10万円をファクタリング会社の手数料として差し引かれる場合、ファクタリング手数料率は10%となります(10万円÷100万円)。
また、ファクタリングを利用する場合には、ファクタリング会社を受領するファクタリング手数料以外にも、実費の費用が必要となります。実費の費用には、ファクタリング会社の出張対応時の交通費、債権譲渡登記費用(登記必要時)、印紙代、などが含まれます。
悪質ファクタリング会社に注意
ファクタリング手数料の水準は買い取りを依頼するファクタリング業者によって大きく異なります。
ファクタリング手数料とは手形割引であれば利息、もしくは割引料ともいうべきものです。
ファクタリングとは売掛金の売却にあたるため、ファクタリング業者は、売掛金の回収日までの利息や、売掛先の信用力に応じたリスク(デフォルト時の損失に対する見合い)などを勘案して、ファクタリング手数料を決定します。
ファクタリング会社選びを誤ると、ファクタリング手数料が高額になってしまう可能性があります。
良くない、悪質なファクタリング業者を利用してしまうと、売掛先の信用力をしっかりと査定せず、ただ手数料率を高くして、低く買いたたくようなファクタリングを行う業者も存在します。残念ながら、ファクタリング業界は歴史も浅く、まだまだ悪質なファクタリング業者が存在しています。
ファクタリングを利用するにあたっては、悪質なファクタリング会社に騙されず、いかに優良なファクタリング会社を見つけるかが重要となります。
ファクタリング方式による手数料の違い
ファクタリングを利用するにあたっては、ファクタリング手数料の相場を知っておく方が良いでしょう。
ファクタリング手数料の相場を知っておけば、悪質なファクタリング業者に騙されにくくもなります。ファクタリング手数料の相場を左右する要素は以下の通りとなります。
<ファクタリング手数料のポイント>
・2社間ファクタリング or 3社間ファクタリング
・取引先の信用力
・売掛金のサイト(回収期日までの日数)
ファクタリング手数料に大きく左右するのは、2社間ファクタリングと、3社間ファクタリングのどちらを利用するかです。ファクタリング会社にとって、2社間ファクタリングの方がリスクは大きくなります。
3社間ファクタリングでは、売掛金の回収を取引先から、ファクタリング会社が直接行います。それに対して、2社間ファクタリングでは、資金調達者が一旦売掛金を受け取った後、ファクタリング会社に支払うこととなります。
そのため、ファクタリング手数料は、3社間ファクタリングが低く、2社間ファクタリングの方が高いということになります。
手数料相場を知る
ファクタリング手数料で失敗しないためには、ファクタリング相場を知っておく必要があります。ファクタリング手数料の相場が解れば、ファクタリング会社との条件交渉に活かしたり、高すぎる手数料を支払ってしまうことを避けることができます。
3社間ファクタリングの場合、ファクタリング手数料の相場は、2.0~10%程度となりますが、2社間ファクタリングの場合、5.0~15%程度となります。2社間ファクタリングの方が、ファクタリング手数料の相場は大幅に低くなります。
なお、以下の関連記事では、ファクタリング手数料の相場に加え、必要となる諸費用や、ファクタリング相場を低く抑えるためのポイントも解説しています。
ファクタリング手数料の相場は?ファクタリング手数料を下げる交渉方法
悪質ファクタリング業者に騙されない
ファクタリングで失敗しないために心がけるべきことは、悪質な業者に騙されず、適切な手数料でファクタリングを利用するということです。
ファクタリング業者は、大手の銀行などではなく、いわゆるノンバンクと言われる業者や、一般の事業者が多くなります。
そのため、それほど知名度が高くなく、良い業者も、悪質な業者も、「業者名」から判定することは難しいのが実情です。悪質なファクタリング会社を利用してしまうという失敗をせずに、ファクタリングを行うためには以下の点を心がけておきましょう。
<ファクタリング取引で気を付けること>
①資金的に余裕のあるうちに「テスト」的にファクタリングを実施する
(資金的に困ってから、焦ってファクタリングしない)
②評判の悪い、実績の少ない業者を利用しない
③複数のファクタリング業者で「相見積もり」を取得する
④手数料の高すぎるファクタリング業者を利用しない
ファクタリング業者の免許は?
悪質ファクタリング業者が存在するとなると、それを「規制するための法律や、ファクタリング業者が登録するべき免許がないのか?」と思われた方もいると思います。
結論から言えば、ファクタリング業者を規制する法律は現状ありません。ファクタリング会社は、資金調達を支援するので、「貸金業者ではないの?」という質問されることも良くなります。しかし、ファクタリング会社には、「貸金業登録」のような免許は必要ないというのが結論になります。
そもそも、ファクタリングは「融資」、「貸し金」ではありません。貸金、融資を行わないので、貸金業登録は必要ありません。
そのうえ、貸金業とは、そもそも「B to C」を前提としており、個人に対する融資を規制するための法律です。ファクタリングは、事業者の資金調達を支援するための資金調達手段であり、貸金業の対象となりません。そのため、ファクタリング業者には、貸金業者のような免許も必要ないのです。
また同様に、ファクタリング業者を規制するための法律もありませんので、ファクタリングを利用する方が、悪質なファクタリング会社に騙されないための用心をしておく必要があります。
困ってから相談しない
信用できるファクタリング業者を見つけるまでは、資金の余裕があるうちに、「テスト」的にファクタリングを行ってみることをおすすめします。
急な資金需要が発生して、資金繰りに困ってからファクタリング業者に相談すると、相手が悪質な業者だと解っても、断りにくくなってしまいます。
つまり、ファクタリング業者に足元を見られてしまい、高額の手数料を取られてしまうことがあります。
資金的な余裕があるうちに、複数の業者で相見積もりを取得して、試験的にファクタリングを利用してみることをおすすめいたします。そのなかで、信用できるファクタリング業者を見つけることが出来れば、急な資金需要にも対応できるようになります。
*悪質なファクタリング業者を見分けるポイントを整理しました。こちらをご参照ください。
ファクタリングの売掛金仮査定とは?
ファクタリングの利用を希望して、相談するファクタリング会社を探していると、「売掛金仮査定」が可能というファクタリング会社を見かけることがあります。
ファクタリングの売掛金仮査定とは、「簡易診断」や、事前査定・仮査定などと呼ばれることもあります。
売掛金仮査定とは、正式な申込を行う前に、簡単な情報を申告することで、ファクタリングを利用できそうかどうかを簡易的に診断してもらうことを指します。
ファクタリングが利用できるかどうかを仮査定してもらうので売掛金仮査定という訳です。
資金調達を急いでいる場合、様々な書類集めに時間を費やしてから、審査に落ちてしまうと、経営者は別の資金調達方法を検討する時間がなくなってしまいます。
そのため、ファクタリング可否の正式な回答ではなくても、利用できる可能性が高いか低いかを仮査定してもらえれば、無駄な時間を使用しなくて済みます。
売掛金仮査定が可能な業者であれば、「5秒で簡易的に売掛金仮査定」をしてもらえる業者もいますので、活用されてみてはいかがでしょうか。
以下は、売掛金仮査定が可能なファクタリング業者の例です。
㈱サウルス(資金調達ガイド)
サウルスは、自社でファクタリングサービスを提供しながら、同時に他のビジネスローン会社から、申込人に最適な会社を紹介するサービスを行っている会社です。ビジネスローンは他社を紹介して、ファクタリングなら自社(サウルス)で行います。
サウルスは、全国どちらで営業されている事業者(法人企業・個人事業主)でも利用できる可能性のあるファクタリング会社です。ファクタリングによる調達可能金額は、最大3億円までとなり、取引先(売掛先)の事前同意不要のファクタリングも可能となります。
■ サウルスデータ
スピード査定 | 対応地域 | 出張査定 | 手数料水準 | 2社間ファクタリング | 最大買取額 |
〇(即日可) | 全国 | 非公表 | 非公表 | 〇 | 3億円 |
サウルスでは、資金調達ガイドのサイトを通じて、「5秒無料診断」を行っています。
以下のリンクから「資金調達ガイド」のサイトに移動して、以下の3つの手順で進んでください。
▼ 資金調達ガイドの5秒診断 |
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<5秒診断流れ>
利用手順①:リンク移動後、左上の「経営者・事業主の方」をクリック
利用手順②:画面遷移後、以下のファクタリングの「公式サイト」をクリック
資金調達ガイド(㈱サウルス)の簡易診断開始画面に移動します。
利用手順③:以下の「5秒診断スタート」をクリックすると開始です。
希望金額、事業形態(法人・個人事業主)などを選択。 メールアドレスを登録すると結果が得られます。
5秒無料診断に回答後、回答用メールアドレスを登録すると、ファクタリングの利用可否をすぐに教えてもらうことができます。
結果を受領後、ファクタリングの利用可能となった場合には、以下の選択肢から選ぶことになります。
①そのままサウルスを利用してファクタリング
②保留したまま他のファクタリング会社も相談
③サウルスを断って他のファクタリング会社に相談
まずは、「調達可能はファクタリング会社」を確保しておきたいところですので、②サウルスを保留して、他のファクタリング会社の条件も確認するのがおすすめです。
銀行のファクタリング
ファクタリングは、ノンバンクのファクタリング会社だけではなく、銀行子会社のファクタリング会社でも取り扱っています。しかし、現在のところ、銀行子会社が行うファクタリングは、あまり利用が進んでいません。
銀行子会社のファクタリングは、ファクタリング会社に比べて、手数料が低いというメリットがあるのですが、逆に以下のようなデメリットがあるのです。
<銀行ファクタリングのデメリット>
・審査に時間がかかる(即日から数営業日の調達不可)
・2社間ファクタリングの取り扱いなし(取引先の事前同意必須)
・審査基準が厳しい
・赤字、債務超過では利用できないこともある
・銀行の与信枠を使用することもある
残念ながら銀行のファクタリングは、銀行融資の延長線上にあるため、ファクタリング業者ほどには利用しやすくなっていません。そのため、銀行でファクタリングを利用するメリットもあまり無いというのが現在のところです。
ファクタリングのメリット
以上のように、中小企業経営者や、個人事業主にとっての新たな資金調達手段としてファクタリングに関する説明を行ってきました。
ここで、ファクタリングを利用するうえでのメリット・デメリットを整理しておきましょう。
<ファクタリングのメリット>
・借入を増やさずに資金調達できる
・銀行融資に依存しない資金調達ができる
・即日~数営業日の資金調達可能
・赤字、債務超過でも資金調達可能
・税金滞納、リスケ中でも資金調達可能
・資金効率が高くなる
・財務内容の改善効果がある
・個人事業主の資金調達にも使える
・連帯保証人/担保不要
ファクタリングのメリットは、素早く(最短即日)、そして審査に通りやすく資金調達できることであると言えます。赤字や、債務超過だけでなく、税金滞納・リスケ中など、銀行の新規融資が極めて困難な状況であっても、ファクタリングは利用することが可能です。
ファクタリングのデメリット
先程のファクタリングのメリットとは対照となるデメリットについても解説しておきましょう。
<ファクタリングのデメリット>
・銀行融資に比べ手数料が高い
・銀行のような大手会社が不在
・悪質ファクタリング業者が存在
・売掛金が無いと利用できない
・売掛金がないと利用できない
・個人事業主向けの売掛金では利用できない
ファクタリングのデメリットは、銀行融資に比べて、ファクタリング手数料が高くなってしまうという点があげられます。
それに加え、ファクタリング業界の歴史の浅ささや、ファクタリング業者を規制する法規制や免許も無く、悪質ファクタリング業者が存在しているという点があります。
ファクタリングを利用するには、業者の選別、ファクタリング手数料に関する条件交渉が重要なポイントとなります。
おすすめファクタリング会社
ファクタリング会社は多数存在しますが、知名度や、実績、評判、ファクタリング手数料の水準など、利用できる情報も多くないことから、「悪質でない」業者だけを選ぶことは簡単ではありません。
今回は、ファクタリング業界のなかでも、「大手」であったり、実績・評判が良く、リスクの低いと思われる業者をいくつかご紹介させて頂きます。ご利用の参考にしていただければと思います。
1位 三共サービス
利用者からの評判や、対応が良く、そして、圧倒的な手数料率の低さなら「三共サービス」のファクタリグがおすすめです。
☆三共サービスのおすすめ度:SS
三共サービスのファクタリングとは、以下のような特徴があります。
①ファクタリング手数料は業界トップクラスの低さ(1.5%~)
②北海道から沖縄まで全国の案件に対応
③最短即日での買取も可能(通常は3~4日程度)
④販売先に知らせないファクタリングも取り扱い可能
三共サービスのファクタリングは最もおすすめですが、三共サービスのファクタリングを利用できる方は、法人企業のみに限定されていますのでご注意ください。
個人事業主・自営業の方は、次にご紹介する「ビートレーディング」がおすすめです。
なお、もちろん、三共サービスのファクタリングは相談無料です。
見積もり・査定を依頼したうえで、その後、条件に納得が出来なければ、ファクタリングしないということも可能です。
実際にご利用された場合にどれだけの手数料率が必要となるか、ご利用までの日数などは、各企業、売掛金の内容で異なりますので、無料相談で確認されてみるのがお勧めです。
無料相談・無料査定はこちらから
☆ファクタリング業界で最も知名度・利用実績が豊富
☆全国対応可能
☆かんたん5秒の簡易診断サービスあり!
適用金利・手数料など | 2%~(ファクタリング手数料) |
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所要時間 | 最短即日での現金化 |
その他優遇など | 2社間・3社間ファクタリングも利用可能 |
資金調達限度額 | 3億円 |
利用できる方の条件 | 個人事業主・法人ともに可能 |
2位 ビートレーディング
ビートレーディングはファクタリング業界で、最も知名度が高いと言っても良いファクタリング業者です。
良質なファクタリング業者を探せば、必ずと言って良いほど、名前の挙がるファクタリング業者です。
知名度が高くて、悪評の無いファクタリング業者は、それだけでも安心できます。
ビートレーディングのファクタリングとは、以下のような特徴があります。
①日本全国対応
②認知度No1
③契約件数全国トップクラス(同社調べ)
④顧客満足度No1(同社調べ)
⑤小口から大口までの売掛金に対応
⑥100万円~3億円までのファクタリングに対応
⑦個人事業主、法人のどちらも利用可能
⑧取引先に同意を得ない(知らせない)ファクタリングも可能
⑨債権譲渡登記も不要
知名度・実績のあるファクタリング業者がご希望なら「ビートレーディング」がおすすめです。ベンチマークともなる大手ファクタリング業者ですので、相見積もりとしても、「必ず相談するべきファクタリング業者」です。
まずは、こちらのリンクから無料相談、スピード査定を依頼してみましょう。
無料相談・無料査定はこちらから
☆ファクタリング業界で最も知名度・利用実績が豊富
☆全国対応可能
☆かんたん5秒の簡易診断サービスあり!
適用金利・手数料など | 2%~(ファクタリング手数料) |
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所要時間 | 最短即日での現金化 |
その他優遇など | 2社間・3社間ファクタリングも利用可能 |
資金調達限度額 | 3億円 |
利用できる方の条件 | 個人事業主・法人ともに可能 |
3位 資金調達プロ
資金調達プロは、日本最大級のファクタリング情報サイトを運営するファクタリング業者です。もちろん、全国対応可能です。
インターネット上からの情報サイトが中心ですので、インターネットから「10秒かんたん無料相談」が可能です。まずは、お手軽、簡単に、査定してもらえますので、条件を確認されてみるのが良いでしょう。
資金調達プロのファクタリングとは以下の特徴があります。
①日本最大級のファクタリング情報サイトを運営
②100万円~最大3億円までのファクタリングに対応
③インターネットから「10秒かんたん無料相談」が可能
④最短即日でのスピード買い取り
資金調達プロへの相談はこちらのリンクから!!
まずは「10秒カンタン無料診断」での簡易査定がおすすめです。
無料相談はこちらから
以上、3社のファクタリング業者をご紹介させていただきました。どのファクタリング業者も、インターネットから、無料で相談、査定が可能です。
まずは、上記3社で、相見積もりを取得して、それぞれの条件を確認してみることが、ファクタリングの利用可否を確認する第1歩です。
個人事業、中小企業の生命線ともなる資金調達の安定性を、ファクタリングで高めてみることがお勧めです。
*関連記事:ファクタリング会社選びが重要です
まとめ
ファクタリングとは、売掛金を売却することによる資金調達方法です。
ファクタリングは、借入ではなく、売掛金の売却ですので、資金調達を行いたい企業(もしくは個人事業主)の信用力だけに依存せず、資金調達可能というメリットがあります。
極端には、赤字、債務超過、税金滞納、そして、銀行融資の審査に落ちた事業主でも資金調達できる可能性があります。
ファクタリングを上手に活用するには、良いファクタリング業者を見つけておくことが重要です。
まずは、上記3社のファクタリング業者で、相見積もりを取得して、ご利用の可否、条件を確認されておくのがおすすめです。
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