ファクタリングとは売掛金を売却して現金化する方法です。本来の回収期日前に現金化できるので事業者の資金調達の1手段として利用できます。
銀行融資よりも審査に通りやすく、融通が利く資金調達方法ですので近年注目度は高まる傾向にあります。
ファクタリングで少しでも手数料を抑えて、多くの金額を調達するためには売掛金を高く売ることが大切です。今回は売掛金を高く売るための極意としてポイントを7つご紹介します。
ファクタリングの仕組
ファクタリングとは資金調達希望者が保有する売掛金をファクタリング会社に売却する資金調達方法です。
売掛金とは一定期間を経過後に、売掛先から代金を支払ってもらえる権利ですが、回収期日まではただの権利でしかなく、現金・預金ではないので資金繰りに活用できません。そのため、回収サイトが長いなど、売掛金の保有が多くなってしまうと必要運転資金が増加して資金繰りに困ってしまうことがあります。
こんな時、ファクタリングで売掛金を売却すると、現金化の前倒し・運転資金減少で資金繰りを楽にすることができます。
しかし、ファクタリングでは少しでも売掛金を高く売ることが大切です。
ファクタリングによって受け取れる現金は、「売却する売掛金の額面―(ファクタリング手数料+諸費用)」で決まります。
つまり、売掛金を少しでも高く売るということはファクタリング手数料や諸費用を減らすことです。手数料と諸費用を減らせば、同じ額面の売掛金であっても受け取れる現金が増加して、その分資金繰りはずっと楽にすることができます。
以降では、今回のテーマである売掛金を高く売却するために準備しておきたいポイントを解説していきます。
《ファクタリングをもっと良く知りたい方は》
売掛金を高く売るポイント
ファクタリング会社に譲渡する売掛金を少しでも高く買い取ってもらうためには以下のポイントを押さえておきましょう。
①ファクタリングに適した売掛金を選ぶ
②ファクタリング会社の審査基準を理解して準備する
③出来るだけまとめてから売る
④継続的な利用を前提に相談する
⑤相見積もりで条件の良い会社を選ぶ
⑥一括見積サービスも試してみる
⑦他社への乗り換えを検討してみる
それでは順番に解説していきましょう。
ファクタリングに適した売掛金を選ぶ
ファクタリングでは売掛金ならどんなものでも売却できるというわけではありません。「売掛金」と一括りに言っても、ファクタリングに適したものと、適さないものがあるのです。
もちろん、ファクタリングに適さない売掛金を売却しようとしても、二束三文の安い価格で購入されるか、もしくは買取自体を拒否されることになります。
まずはファクタリングに適した売掛金がどういったものかを確認しておきましょう。ファクタリングで売却する売掛金選びのポイントは以下になります。
①法人向けの売掛金を選ぶ
ファクタリング会社から好まれる売掛金としては法人向けの売掛金があげられます。個人向けの売掛金は法人に比べて信用力が低いと判断されやすく、買取価格が低くしたり、そもそも買取を拒否するファクタリング会社も多くいます。
②入金遅れの無い売掛金を選ぶ
入金遅れが発生している売掛金はファクタリングの対象になりません。また、過去1年以内に入金遅れがあった売掛金も評価は低くなります。
③本契約書、請求書などで確認できる売掛金を選ぶ
ファクタリング会社にとって買取対象となる売掛金が実際に存在しているかどうかは重要なポイントです。売掛金は目に見えるものではありませんので、基本約定書や請求書によって存在が確認できないと買取対象になりません。
④回収サイトが60日以内の売掛金を選ぶ
回収サイトが60日を超える売掛金は買取自体を拒否されたり、買取価格を低く評価されてしまいます。通常の売掛金は月末締めで翌月末払いや、翌々月末払いが限度です。それ以上先の期日を指定する売掛金は稀であり、ファクタリング会社としても敬遠します。
高く売るための売掛金選びでは以上の4点は最低限確認しておきましょう。
ファクタリング会社の審査基準を理解して準備する
ファクタリングは銀行融資に比べて審査に通りやすく、売掛金を保有していれば利用しやすいのが特徴です。
しかし、ファクタリングの審査に通りやすいことと、高く評価されて高額で売れることは違います。審査には通ったけども、評価が低く、買取価格は安くなってしまうということは多々あります。
売掛金の買取価格に直接影響するファクタリング手数料は、主に売掛金の回収リスクを反映して決められます。
ファクタリング会社の審査で評価が低く、回収リスクが高いと判定されると、ファクタリング手数料が高くなり、結果的に売掛金は安く買い叩かれてしまいます。そのため、審査で高く評価されることが、売掛金を高く売るための重要な条件となります。
ファクタリング審査で特に重視されるポイントには以下があります。
①売掛先の信用力
ファクタリング審査ではファクタリング利用者よりも、売掛金を支払う売掛先の信用力が重視されます。しかし、そうは言っても、審査のために売掛先から決算書などを直接受領できるわけではありません。
そのため、ファクタリング会社が重視する売掛先とは、上場している会社、大企業、公的な機関などの明らかに信用力が高いと推測される法人になります。こういった売掛先に対する売掛金は高く買い取ってもらいやすくなります。
②ファクタリングのタイプ
ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類があります。
3社間ファクタリングとはファクタリング利用者とファクタリング会社、加えて売掛先を含めた取り組みを言います。この場合、ファクタリング会社に売掛金を売却することを売掛先に通知し、同意を得て行います。
一方、2社間ファクタリングは売掛先を含めない取引方法であり、売掛先に通知せず、隠した状態で売掛金を売却する方法になります。
ファクタリングでは、2社間ファクタリングよりも、3社間ファクタリングの方が売掛金は高く売りやすいので、高く売ることだけを目的にすれば3社間ファクタリングが望ましいということになります。
しかし、3社間ファクタリングでは売掛先に通知したことによって、売掛先から信用面で不安を抱かれてしまう懸念があるため、慎重に利用する必要があります。また、即日現金化など、短期間で取り組みできるのは2社間ファクタリングのみです。
3社間ファクタリングは通知・同意の過程に時間がかかるため、即日などの短期間での取扱いは難しくなります。
③ファクタリング利用者の信用力
2社間ファクタリングを利用する場合、ファクタリング利用者の信用力も評価されます。通常は売掛先の支払い能力が重要なのですが、2社間ファクタリングでは売却後も売掛先からの支払いは一旦ファクタリング利用者が受領し、その後にファクタリング会社に引き渡します。
お金に困り過ぎている利用者のなかには、本来すぐに引き渡すべき売掛金の代わり金を使い込んでしまうというトラブルを起こす事業者がいます。
そのため、2社間ファクタリングでは利用者の信用力も大切な要素となります。そして、ファクタリング会社は、主に以下のような点が確認しています。
・損益計算書が黒字かどうか
・貸借対照表で債務超過になっていないか
・税金の滞納はないか
・金融機関の借入でリスケをしていないか
以上のような状況でもファクタリングの利用は可能です。上記に該当したからと言ってファクタリングが利用できなくなるわけではありません。
しかし、審査において確認される項目であり、ファクタリング手数料にも影響する可能性は高くなります。
また、審査のポイントとしては以下の関連記事でも詳細に解説していますので、あわせて確認してみましょう。
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出来るだけまとめてから売る
売掛金を高く売るためには、出来るだけ売掛金をまとめてから売ることも大切です。
ファクタリング会社としては大口の売掛金であっても、小口であっても、売掛金の評価や契約手続き、利用希望者との面談などの手間暇はあまり変わりません。
買い取る売掛金が小口の場合、ファクタリング会社が最低限の利益や費用を得ようとするだけでもファクタリングの買取価格を下げてしまいます。一方、大口の売掛金であれば、同じだけの利益や諸費用を課しても、売掛金の買取価格への影響は低くなり、高く買い取ってもらえる可能性は高くなります。
そのため、売掛金は小出しに売却するのではなく、ある程度まとまってから売却する方が買取価格は高くなります。
継続的な利用を前提に相談する
前項とも似ていますが、ファクタリング会社は小口よりも大口、1回だけの取引よりは、2回、3回目と継続的にファクタリングを利用してくれそうな顧客を重視します。
そのため、ファクタリング会社に相談する際には、1回だけのスポット的な売却を前提に相談するのではなく、継続的な利用を前提として相談した方が良いでしょう。
ファクタリング会社としても優良な顧客、引き続き仕事につながると見込まれる顧客であれば、反復しての取引を得ることを重視してもらえる可能性があります。そうなれば、同じ売掛金でも高く買い取ってもらえる要因となります。
相見積もりで条件の良い会社を選ぶ
ファクタリング会社選びにおいて基本的なことですが、1社だけに相談するのではなく、必ず、3~4社程度の複数社で同時並行的に相談するようにしましょう。
ファクタリング会社選びで相見積もりを活用して期待できる効果は、①複数の提案を比較して選ぶので少しでも高く買い取ってくれる業者を見つけやすいことに加え、②ファクタリング会社間の競争を促せることにあります。
ファクタリング会社も競争に負けて受注できなければ仕事になりません。そのため、複数のファクタリング会社に並行して相談することで各社は競争に勝つための努力をしてくれます。
複数のファクタリング会社を競争させることで、売掛金の買取価格を高くする効果が期待できるのです。
一括見積サービスも試してみる
前述の通り、ファクタリング会社に競争を促すことは買取価格を高くするうえで非常に重要なことです。
ファクタリング会社に競争を促すための方法は相見積もりが代表的な方法ですが、もう1つ「一括見積サービス」を利用することもできます。
一括見積サービスとは、「一括見積サービス」を提供している会社のホームページ上から必要事項を入力して送信することで、サイトを通じて多数のファクタリング会社から条件提示を受けられたり、サイト運営者が条件にあった最適なファクタリング会社を選んで紹介してくれるサービスです。
相見積もりによって、評判・口コミなどの良いファクタリング会社に個別に相談していく相見積もり方式と、一括見積サービスで多数の会社に見積依頼を行う方式を併用することが効果的です。
▼一括見積サービスを提供する会社の例
▼ 資金調達ガイドの5秒診断 |
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ファクタリング会社を乗り換えてみる
既にファクタリング取引を行ったことがあり、利用したファクタリング会社に不満があるのであれば、条件の良いファクタリング会社に乗り換えしてみるのも良いでしょう。
ファクタリング会社のなかには、他社を利用したことのあるファクタリング経験者の乗り換えに積極的に対応している会社が少なくありません。
これらのファクタリング会社は他社から顧客を奪うことに積極的であり、そのために他社に負けないような条件設定でファクタリングをおこなってくれます。もちろん、ファクタリング手数料や諸費用も低く抑えてくれますので、売掛金の買取価格は高くなる傾向にあります。
既にファクタリングを利用している方は乗り換えも検討してみましょう。
おすすめのファクタリング会社
ファクタリングを利用するのに最も大切なことはファクタリング会社選びです。良いファクタリング会社はそもそもの手数料体系が低く設定されているなど、売掛金を高く売るためには重要です。
一方、悪質なファクタリング会社に掴まってしまっては高すぎる手数料を押し付けられてしまうなど、売掛金を高く売るどころの話ではありません。
三共サービス
最大買取可能額:1億円
ファクタリング利用時に必ず検討対象に加えたいのが三共サービスです。
三共サービスの魅力は、ファクタリング業界のなかでも「大手」に位置して安心できること、そして、ファクタリング手数料の水準が、業界トップクラスに低いことです。
申込・相談はこちら☆ファクタリング業界で最も知名度・利用実績が豊富
☆全国対応可能
☆かんたん5秒の簡易診断サービスあり!
適用金利・手数料など | 2%~(ファクタリング手数料) |
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所要時間 | 最短即日での現金化 |
その他優遇など | 2社間・3社間ファクタリングも利用可能 |
資金調達限度額 | 3億円 |
利用できる方の条件 | 個人事業主・法人ともに可能 |
ビートレーディング
最大買取可能額:3億円(業界トップクラス)
ビートレーディングは、知名度・口コミ評価でNo.1の人気ファクタリング会社
また、法人企業だけでなく、個人事業主・自営業者の利用も可能や、債権譲渡登記が不要など、かなり利用しやすく、メリットの多いファクタリング会社です。
どこに相談するか悩まれるという方は、とりあえずビートレーディングも加えておかれるのがおすすめです。
申込・相談はこちら☆ファクタリング業界で最も知名度・利用実績が豊富
☆全国対応可能
☆かんたん5秒の簡易診断サービスあり!
適用金利・手数料など | 2%~(ファクタリング手数料) |
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所要時間 | 最短即日での現金化 |
その他優遇など | 2社間・3社間ファクタリングも利用可能 |
資金調達限度額 | 3億円 |
利用できる方の条件 | 個人事業主・法人ともに可能 |
MSFJ
最大買取可能額:5,000万円
MSFJは、法人・個人事業主のどちらでも利用できるファクタリング会社
5,000万円までの大口ファクタリングはもちろん、100万円未満の小口ファクタリングにも積極的に対応してくれます。さらに、100万円未満のファクタリングならスピード審査・即対応が可能ですので、即日資金調達できる可能性も高いのが特徴です。
MSFJの特徴
MSFJの特徴はファクタリング手数料比率が明確であることです。
業界トップクラスに低い水準でもあるため、安心して利用できます。
MSFJのファクタリング手数料の基準は以下となります。
<MSFJの特徴>
商品種類 | プレミアムファクタリング | クイックファクタリング |
調達可能額(上限) | 5,000万円 | 300万円 |
ファクタリング手数料 | 1.8%~6.8% | 3.8%~9.8% |
審査スピード | 最短1営業日 | 原則1営業日 |
MSFJのプレミアムファクタリングならファクタリング手数料は最大でも6.8%。
もちろん、MSFJでは2社間ファクタリングの利用も可能ですので、取引先に知られることなくファクタリングを利用できます。このMSFJのファクタリング手数料率の水準は業界トップクラスです。
さらに、ファクタリング会社のなかで、手数料率の上限を示している会社はMSFJを除いてほとんどいません。手数料率の上限を示しているのは、MSFJがかなり信頼できる会社の証拠と言えるでしょう。
▼MSFJへの相談は以下のリンク
☆業界最低水準の手数料率
☆スピード審査に対応
☆他社からの乗り換えも可能
適用金利・手数料など | 1.8%~9.8%(ファクタリング手数料率) |
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所要時間 | 最短1営業日での現金化 |
その他優遇など | 手数率は業界最低水準で審査通過率90% |
資金調達限度額 | 30万円~5,000万円 |
利用できる方の条件 | 個人事業主・法人ともに可能 |
ウィットのファクタリング
ウィットは面談不要・来店不要のファクタリングサービス
申込・相談はこちら☆ウィットのファクタリング
☆小口専門のファクタリング会社
☆全国対応可能(来店不要)
適用金利・手数料など | 非公表 |
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所要時間 | 最短即日での資金化可能 |
その他優遇など | 2社間・3社間ファクタリングも利用可能 |
資金調達限度額 | 少額での利用可能(下限なし) |
利用できる方の条件 | 個人事業主・法人ともに可能 |
中小企業金融サポート
郵送で手続き完結のファクタリング
申込・相談はこちら☆非対面で申込・契約完了の郵送ファクタリングサービス
☆審査回答は最短30分
適用金利・手数料など | 1.5%~10%(ファクタリング手数料率) |
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所要時間 | 即日での資金化可能 |
その他優遇など | 来店不要・審査通過率95% |
資金調達限度額 | 非公表 |
利用できる方の条件 | 個人事業主・法人ともに可能 |
ビジネスローンも検討
ファクタリングによる資金調達可能額の上限は保有している売掛債権の額面になります。ファクタリングは売掛債権の売却ですので、額面よりも多くの金額を調達することはできません。
そのため、売掛債権の保有以上の額を調達したい方には、ファクタリングだけでは不十分ということがあります。
こんな時に検討したいのが「ビジネスローン」です。
ビジネスローンは主にノンバンクと呼ばれる「貸金業者」が取り扱っている融資商品であり、銀行融資よりも利用しやすいのが特徴です。もちろん、貸金業者は正式な免許を持って営業している金融業者ですので安全です。
ビジネスローンなら売掛金や担保が無くても資金調達が可能です。銀行融資やファクタリングによる不足はビジネスローンも検討してみましょう。
ビジネクスト
ビジネクストはビジネスローン業界トップクラスの規模と知名度を誇る会社
ビジネクストの特徴はカードローンのタイプのビジネスローンを取り扱っていることです。
カードローンタイプですので、一旦契約しておきば、その後はいつでも自由に借入を行うことができます。 もちろん、契約は借入枠を持っておくことにはお金がかかりません。
申込・相談はこちら
ユニーファイナンスユニーファイナンスのビジネスローンもおすすめです。
ユニーファイナンスは証書貸付タイプのビジネスローンで大きな金額を低めの金利で借入できます。
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MRFでは土地・建物に担保設定を行い最大3億円・最長15年間の借入が可能です。
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☆西日本エリアが対象
☆融資残高284億円の実績(2020年2月末時点)
借入可能額(最大) 適用金利・手数料など
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まとめ
今回はファクタリングで売掛金を高く売るための方法を取り上げました。
ファクタリングで受け取ることのできる現金は「売却する売掛金 ― (ファクタリング手数料+諸費用)」で計算できます。
つまり、ファクタリングで売掛金を高く売却するということは、ファクタリング手数料を下げたり、諸費用を減少させることになります。
そして、ファクタリング手数料を下げるためには、審査基準や、ファクタリング会社から好まれる売掛金の特徴を理解して準備しておくことが大切です。
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