車の購入には意外とお金がかかります。中古車を購入しても100万円以上するものが多く、誰でも現金一括で買えるという金額ではありません。
こんな時に活用したいのがマイカーローンですが、マイカーローンを借りることのできる対象者の範囲はどこまででしょうか。パート・アルバイトとしてお勤めの方でもマイカーローンは組めるのでしょうか？
マイカーローンとは？
マイカーローンというのが、そもそもどういった借入なのかをご存知でしょうか。
マイカーローンとは車の購入だけを対象としてローンであり、資金使途を限定している分、低金利で利用できますが、カードローンやフリーローンのように、車の購入以外に資金を使うことが出来ません。自動車や自動車関連用品の購入だけに資金使途を限定されているのが特徴です。
また、マイカーローンはカードローンなどに比べて、長い期間の借り入れに対応していますので、毎月の返済額の負担を減らすことができます。但し、借入期間が長いということは元金の返済速度も遅いということですので、その分金利が多くかかりますので、支払総額は大きくなるということに注意が必要です。
マイカーローンには種類がある
一言にマイカーローンといっても、マイカーローンには複数の種類があることをご存知でしょうか。
マイカーローンの種類ごとに利用が適する方とそうでない方、メリットとデメリットなどもありますので、良く理解しておくのが良いでしょう。ここでは、マイカーローンの種類について解説しておきます。
クレジット型
最初にご紹介するのはクレジット型のマイカーローンです。
クレジット型のマイカーローンの具体例としては有名なものは、ディーラーで車の購入時に利用するクレジット型の借入用カードなどがあげられます。
融資を行なってもらうわけでないクレジット型のマイカーローンは、購入代金を直接現金化してもらえるわけではなく、車の購入代金に手数料を上乗せして、月々分割で支払うタイプのものです。クレジットカードの分割払いと良く似たマイカーローンであるため、クレジット型と呼ばれています。
クレジット型のメリット
車の購入時に、ローンの相談も同時に担当営業に相談できる
クレジット型のマイカーローンは通常、車の販売店や代理店で取り扱っています（そのためディーラーローンと呼ぶこともあります）。別に銀行などに相談する必要がなく、車の購入の相談と同時に相談、申込を行うことができます。
相談の手間暇がかからないのがクレジット型のメリットと言えます。
クレジット型のデメリット
1. 金利・手数料などの費用が高い
2. 支払いが完了するまでは、クレジット会社の名義
3. 残債が残っていると、売却しにくい
一方、クレジット型のマイカーローンは信販会社が行っているのが通常です。そのため、銀行のマイカーローンに比べて借入金利は高くなってしまいます。
また、クレジット型の場合、支払が完了するまで、購入した車の名義は信販会社やクレジットカード会社のものになります。購入者の名義にならないことに注意が必要です。
ローン型マイカーローン
ローン型のマイカーローンというものもあります。ローン型マイカーローンは幅広い金融機関（銀行・信用金庫・JAなど）で取り扱っている商品で、普通のカードローンと同様にお金を現金で貸してもらい、自分で車の支払に充当するローンのことです。
クレジット型との大きな違いは、クレジット型がクレジットカードの分割払いに近いもの（ショッピング）であるのに対して、ローン型マイカーローンは借入であるということです。
ローン型マイカーローンにもメリット・デメリットがありますので確認しておきましょう。
ローン型マイカーローンのデメリット
1. 金融機関で相談し借入する必要がある
ローン型マイカーローンは銀行などの金融機関から借入する商品ですので、自動車購入の担当営業（ディーラーなど）には相談できません。借入する銀行などで直接相談、申込を行う必要があります。
2. 手続きに時間がかかる・面倒
ローン型マイカーローンの場合、銀行などに相談する必要があり、ディーラーだけでの手続きで終わりません。そのため、銀行などの借入手続きを別途行う必要があるため手続きは面倒になります。
また、銀行などの借入申込では、必要書類を提出してから、審査結果がでるまでに数日の時間もかかりますので、手続きに時間もかかるようになります。
ローン型マイカーローンのメリット
クレジット型のマイカーローンより低金利
ローン型マイカーローンは銀行などからの借入になります。通常、信販会社やクレジットカード会社に比べ、銀行などのマイカーローンの方が適用金利は低くなります。そのため、少しでも安く車の購入がしたい人には、ローン型マイカーローンがオススメです。
パートでも借りられる？
今回の主要テーマでもある「マイカーローンはパート・アルバイトでも借りられるの？」について解説していきましょう。結論から言えば、マイカーローンはパート・アルバイトでも借りられる可能性があります。
但し、もちろんですがマイカーローンを利用できる方には条件があります。ここでは、マイカーローンを利用できる方の条件を解説することで、パート・アルバイトがマイカーローンを利用するための注意点を確認していきます。
クレジット型マイカーローンの条件
クレジット型マイカーローンの利用条件は、提供しているディーラーごとに異なります。ここでは、クレジット型の例として“トヨタファイナンス”のトヨタクレジットの利用条件を確認してみましょう。
1. 原則18歳～70歳（お申し込み時）
ただし未成年者のご契約には、親権者の連帯保証人が必要
2.安定した収入のある人
パート・アルバイトでも、安定した収入があれば、雇用形態を問わず申し込み可能
以上の通り、トヨタクレジットのクレジット型（ディーラーローン）では、安定収入があればパート・アルバイトでも利用できます。安定収入とは特定の先に就業されていて、継続した収入がある状態を指します。
ローン型マイカーローンの条件
次にローン型マイカーローンの利用条件を確認します。ローン型は銀行などから借入するタイプのマイカーローンですので、ここでは、代表例として三菱UFJ銀行のマイカーローンを取り上げます。
三菱ＵＦＪ銀行のマイカーローンを利用するためには以下の条件があります。
1. 満20歳以上、完済時に満70歳の誕生日
2.保証会社の保証を受けられる
3.前年度の税込年収が200万円以上（年金収入のみは対象外）
4.勤続年数が1年以上
5.今回の自動車購入で他行からの借り入れがない
6.パソコンのEメールアドレスがあること
7.外国人は永住許可を受けている
先ほどのクレジット型のマイカーローンに比べて、かなり条件の数は多くなっていることに注意が必要です。銀行のマイカーローンは借入金利も低くなりますが、その分、審査ポイントも多く、審査は厳しくなるのです。
三菱UFJ銀行のローン型マイカーローンでも正社員・契約社員など雇用形態を問わず、パート・アルバイトの人でも申込が可能となっています。しかし、パート・アルバイトで前年度の税込み年収が200万円以上で、勤続年数が1年以上の条件を満たせる人は少数なので、実際には申込できるパート・アルバイトの方は多くはないでしょう。
ローン型のマイカーローンと一括りに言っても、銀行など金融機関ごとに申込条件は異なるので、自分の条件に合う金融機関選びが必要です。大手都市銀行の申し込み条件の方が厳しい傾向にあるので、地方銀行・信用金庫などで探すほうが自分にぴったりの商品に出会えるのが早いかもしれません。
マイカーローンの審査基準は？
前述の通り、マイカーローンを申込できる方の条件を整理しましたが、申込できる方と実際に審査に通過できる方の条件は少し異なります。ディーラーや、銀行では、公表されていない審査基準もあるため、審査で見られるポイントを知っておいた方が良いでしょう。
個人信用情報が重要ポイント
個人信用情報とは、金融機関が審査で必ず確認する情報であり、個人信用情報を確認することで、借入希望者の以下のような項目を確認することができます。
1. 今現在の既存借入件数（借入件数が多いと不利）
個人信用情報を通して、どれだけの件数の借入があるかを確認できます。
2. 今現在の借入残高（借入残高が多いと追加で借入できない可能性あり）
さらに、いくらの借入を行って、そのうち現在の借入残高がどれだけなのかという現在残高も確認できます。
既存の借入があってもマイカーローンの借入は可能です。既存借入があるからと言って、それだけで審査ではねられてしまうわけではありません。
しかし、既存借入が多くなるほど、審査には通りにくくなります。借入が多いということは、そちらへの返済を行っていることになりますので、収入からマイカーローンに対して行える返済の余力が少なくなってしまうためです。
3. 過去の遅延履歴（遅延履歴があると不利）
過去に借入に対して延滞を行ってしまった方は「事故情報」として履歴が残ります。
例え、対象となる借入を完済していても、すぐに事故情報は消えません。通常、5～7年程度は事故情報が残されるのです。
4. 債務整理の履歴
自己破産、個人再生、任意整理などの債務整理を行った履歴も残されます。債務整理の履歴も5～7年程度残ります。
返済遅延や債務整理の履歴があると審査に通ることはほぼ不可能となります。これらの履歴は金融機関が最も嫌うものであり、あるとそれだけで審査に落ちる原因になります。
安定した収入があることがポイント
マイカーローンを借入するために大切な条件として、安定収入があることがあげられます。この審査ポイントは、ローン型マイカーローン・クレジット型マイカーローンのそれぞれで同様に求められます。
ディーラーも、信販会社も、金融機関も、融資を行った後は、問題なく、返済してもらえることが大切です。そのため、返済原資が見込まれる方に融資を行います。その返済原資として認められるのが安定収入です。
安定した収入とは、雇用形態問わず就業中で、毎月定期的に収入があることをいいます。簡単に言うと、働いて給与をもらっていることが条件になります。
さらに、金融機関が安定収入を評価する場合、ただ働いていれば良いわけでなく、勤続年数もポイントになります。しかし、三菱UFJ銀行のように勤続年数1年以上と申込条件の掲示している銀行もありますが、トヨタクレジットのように公に勤続年数の条件の掲示をしていない所も多くあります。
一般的な基準としては、安定した就業を判断してもらうために、出来れば1年以上の勤続年数を確保しておきたいところです。
マイカーローン申込の方法
クレジット型マイカーローンを申込するときは、ディーラーの担当営業が計算や手続きをしてくれるので困ることも少ないでしょう。自動車購入の相談にあわせて、ディーラーローンを利用したいと伝えれば済みます。
一方、ローン型マイカーローンの場合は自分で銀行などに対する手続が必要です。以降では、ローン型マイカーローンを利用するための手順を解説しましょう。
<マイカーローン利用の流れ>
1．ディーラーで自動車購入の見積書をだしてもらう、もしくは契約書をもらう
↓
2.ＷＥＢもしくは銀行窓口でマイカーローンを申込
↓
3.銀行内部で審査
↓
4.契約
↓
5.融資実行（口座に振込）
マイカーローンの申込には、「購入金額・購入先（販売店）・振込先など」の詳細情報が必要です。こういった情報が解る見積書や契約書を準備しておく必要があります。
さらに、銀行などで申込するときは見積書を提出し、見積書に記載がある金額内での申込となります。見積金額を超える申込もできませんので注意が必要です。
それぞれの金融機関で申込方法に違いがあるので、直接店舗の窓口で申し込むのかネットで手続完了できるのかなど、自分で申込する金融機関で申込方法を確認することが必要です。ホームページや窓口に手続き方法の案内があるので事前に確認してくださいね。
なお、前述の三菱UFJ銀行のローン型マイカーローンは、インターネットでの申込ができるので、事前審査に通過できれば必要書類を郵送するだけで手続が完了できます。
マイカーローンの例
以降では、代表的なマイカーローンをいくつかご紹介します。これからマイカーローンの利用を考えている方は参考にしてみてください。
ホンダファイナンス
最初はホンダファイナンスのクレジット型マイカーローン（新車購入）の紹介です。ホンダファイナンスのクレジット型マイカーローンは、適用される金利が（実質年率）3.5％と非常に低い金利で利用できます。
この金利水準は銀行のマイカーローンにも負けない水準になりますので、ディーラーと言っても不利な条件ではなく利用できます。
支払回数も最大84回（７年）まで選択でき、毎月の返済負担額を抑えることが出来ます。
ホンダファイナンスは、申込当初の返済額を低めに設定しておき、返済期間の途中から返済額を増加させることもできます。
三菱UFJ銀行
次に、三菱UFJ銀行のローン型マイカーローン（インターネット専用）をご紹介します。
三菱UFJ銀行のネットDEマイカーローンの適用される金利は（実質年率）1.72％～年2.975％の範囲内の低金利で、借入可能上限額は50万円～最大1,000万円までの範囲内となります。ネットDEマイカーローンは銀行で利用できるマイカーローンのなかでも、かなり金利水準が低いマイカーローンと言って良いでしょう。
ネットDEマイカーローンは、インターネット申込のみの商品なので店頭窓口での相談・申込時には低金利が適用されないので要注意です。窓口申込の場合は金利が高くなってしまいます。
カードローンという方法もある
マイカーローンは金利が低くてお得ですが、見積もり書や契約書を用意するなどの手間がかかることと、審査基準が厳しめであることがデメリットです。
こういったマイカーローンの利用が難しい方には、銀行カードローンもおすすめです。
楽天銀行カードローン
銀行カードローンのなかでは楽天銀行カードローン（楽天スーパーローン）がおすすめです。
楽天銀行カードローンは銀行カードローンのなかでもトップクラスに金利が低く、借入限度額も最大800万円と最大規模を誇るカードローンとなっています。
さらに、カードローンの申込はＷＥＢからの手続きで完了できますので、店舗に行く必要がありません。
・楽天グループのカードローン
・WEB申込で手続き完結。契約など来店不要
まとめ
パート・アルバイトでも利用できるマイカーローン商品もあるので、非正規社員だからローンが組めないだろうと自動車購入をあきらめる必要はありません。
銀行系のローン型マイカーローンは、大手銀行になるほど金利が低いですが、申込できる人の基準や審査が厳しいので申込できる人も限られてしまいます。申込条件には雇用形態を問わない場合でも、前年度の税込み年収200万円以上など、収入制限を設けているところもあるので、申込できる金融機関が限定されてしまうのです。
金融機関のローン型マイカーローンの方が低金利でオススメですが、申込条件や手続きに時間がかかるなどデメリットも多いので、そんな時は、カーディーラー提携のクレジット型マイカーローンや低金利を見込んだ地方銀行などのローン型マイカーローンも視野に入れて検討してみてください。