住宅ローンを組んで希望のマイホームを手に入れたものの、病気や怪我で働けなくなってしまったら返済が困難になってしまいます。
「住宅ローンが払えない」「どうすれば良いのかがわからない」。
そのまま放置して、住宅ローンを支払わなければ、マイホームを差し押さえられて競売にかけられてしまうかもしれません。
既に住宅ローンを借入している方も、これから住宅ローン借入を考えている方も、住宅ローンの返済中に病気や怪我で働けなくなった場合のリスクや対処法について知っておいた方が良いでしょう。
病気や怪我で住宅ローンを払えないとどうなる?
病気や怪我で住宅ローンが払えずに滞納した場合、どうなるかについて解説しましょう。
最初に結果を言ってしまえば、住宅ローンを返せないでいると、マイホームが差し押さえとなり、競売にかけられてしまいます。
住宅が競売されてしまって、他人に売られるとマイホームに住み続けることはできないので、新しい住まいを見つけて出ていかなければなりません。
競売とは?
例え病気や怪我とは言っても、住宅ローンの契約者が毎月の返済ができなくなった場合、債権者が裁判所に申し立てをおこなうことで担保提供された不動産を差し押さできます。
差し押さえというのは、債権者(銀行など)の法的回収のための手続きであり、債権者の応諾を得ずに、所有者だけの判断で資産を売却できないようにするための手続きです。
そして、差し押さえで売却をストップさせておきながら、裁判所の権限にてマイホームを強制的に売却し、銀行などの債権者は売却代金から支払いを受けて債権の回収に充当するのが競売です。
競売はオークション形式でおこなわれ、1人あたり1回の入札となります。
しかし、競売で出た住宅というネガティブなイメージがあること、室内の内覧ができないことから買い手を見つけるのが難しくなりがちです。
そのため、通常の売却査定額と比較すると4~6割マイナスの値段になることも珍しくありません。
つまり、競売だと安く売却されてしまう可能性があるのです。
住宅が安く売られてしまうと、住宅ローンが完済とならずに、借金だけが残ってしまう可能性がでてきます。
もちろん、家が売られた後に借金が残れば、住宅ローン借入人に返済義務が残ります。
なお競売がおこなわれてマイホームを手放す時期の目安は、住宅ローン滞納後1年半程度となります。
競売になることで起こる問題
住宅ローンが残っている住宅が競売になることによって、以下のような問題が発生しますので、重要性を認識するようにしてください。
- 周囲に差し押さえられたことが知られてしまう
- 競売後に残った住宅ローンは一括返済をおこなう
- 引越し費用は自身で工面する
特に大きな問題は、競売代金で住宅ローンが完済できなければ、残った住宅ローンを払い続けないといけないことです。
住宅ローンの対象であった住宅が売却されたからと言って、住宅ローンの残債が免除されるわけではありません。
残った住宅ローンを払える目途が立たない場合には、自己破産や任意整理といった債務整理も検討する必要があります。
<関連:債務整理とは?>
次に病気や怪我で住宅ローンを払えなくなった場合、どのようにすれば良いのかという対処法について解説します。
加入する保険の契約内容を確認
病気や怪我を理由に収入が途切れた場合、住宅ローンを支払い続ける方法として保険の存在が大切となります。
万が一のことが起こってからではなく、自身がどんな契約をしているのかは事前に把握しておきましょう。
そして、まだ何の生命保険にも入っていないという方は、この機会に準備しておくのも良いでしょう。
疾病保障付き団体信用生命保険
まず、チェックしたいのが「団体信用生命保険(団信)」です。
住宅ローンの契約をする際に加入義務のある団体信用生命保険では、債務者が死亡もしくは高度障害を負ったときに住宅ローンの返済を代わりにおこなってくれます。
そして団信には「疾病保障付団体信用生命保険」があり、保険料は高くなるものの通常の団信の契約内容に加え、定められた病気にかかった際も住宅ローンの支払いが保証されます。
加入する保険によって異なるものの「がん」「脳卒中」「心筋梗塞」の3大疾病プラス「高血圧性疾患」「糖尿病」「肝硬変」「腎不全」などの7大疾病が対象になるなどさまざまです。
加入していても保険金はすぐに支払われない、発症から〇日以上などの支払い要件のクリアが必要などの注意点はありますが、もしものときに支払いをおこなってもらえるのは安心できるポイントでしょう。
もしも疾病保障が付いている場合は自身の病気が保障対象になるかを確認して、該当する場合は保険会社に今後について相談してください。
また、これから住宅ローンを借入する方の場合、病気や怪我に備えて、疾病保障付き団体信用生命保険の加入も検討しておくと良いでしょう。
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☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在) |
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団信以外の保険の契約内容も確認
団信以外に住宅ローンの返済支援保険、医療保険などで保障になる場合があります。
こちらも団信と同じく加入する保険によって違いはありますが、自身の契約している保険に該当する項目がないかを確認してください。
団信と異なり、住宅ローン契約者に必須の保険ではありませんので、ご自身が加入している生命保険があれば、支援してもらえる可能性があります。
公的制度による救済も検討
上記で解説した保険に加入していない、契約する保険に該当項目がない場合は、公的制度による救済も検討してください。
以下で詳しい内容についてまとめています。
労災保険
労災保険とは、業務中や通勤中に病気になったり、怪我をしたりした場合などに保障をおこなう制度です。
労災保険の対象にある病気、ケガであれば、労災保険の給付によって住宅ローンを支払える可能性があります。
労災保険は従業員の保護を目的としているため、加入するかしないは自身で決めるものではありません。
会社(事業所)が加入して、そこに勤務する方全員に適用されるようになります。
具体的な内容は以下のとおりです。
- 病気や怪我で治療を受けた:必要な療養費の全額
- 療養のため仕事を休業:休業4日目より休業1日あたり給付基礎日額の80%相当額が支給
労災が受けられれば、治療に対して自己負担は発生することなく療養が受けられます。
また、上記に加えて1年6か月が過ぎても完治しなければ、傷病補償年金へと移行します。その後も所定の要件を満たすことで支給が継続されます。
就業時に比べて、多少の減少は見込まれますが、収入が途絶えませんので、住宅ローンの返済を継続できる可能性も高くなります。
高額療養費
高額療養費とは、医療費の月額累計額(1日から月末まで)が基準以上の高額になった場合、自己負担額が免除もしくは還元される制度になります。
基準となる額は収入によって異なります。高額療養費の制度を活用して免除・還元対象になるためには、加入する健康保険に応じた申請をおこなわなくてはなりません。
- 国民健康保険:各市区町村
- 社会保険:健康保険組合
病気や怪我による医療費がかさみ、家計が圧迫して住宅ローンの支払いが厳しい場合は必ず申請してください。
傷病手当金
病気や怪我のために仕事ができず、十分な収入が得られない場合に支給されるのが傷病手当金です。
疾病手当金とは、被保険者が病気や怪我を理由に仕事を休んだ日が連続して3日間あり、4日目以降の休んだ日に対して支給対象となる制度です。
ただし、仕事を休んだ期間に対し、事業主から傷病手当金の額以上に多い支給があった場合は傷病手当金の支給がありません。
疾病手当金の支給される1日あたりの金額は以下のようになります。
支給開始前(12ヶ月)の平均標準報酬月額÷30日×(2/3)
住宅ローンの借入先の金融機関に相談
上記で解説した保障制度を利用しても、住宅ローンの支払いが困難であれば、借入先の金融機関に相談して最適な手続きを取るようにしましょう。
「金融機関に相談はできない」と思っている方もいるかもしれませんが、早い段階であれば何らかの代替案を提案してもらえる可能性はあります。
住宅ローンの滞納をする前に一刻も早く金融機関に足を運びましょう。
以下では、病気、ケガなどで支払いが出来ない時に、銀行などで相談してお願いすることができる対処法をご紹介します。
返済計画の見直し
金融機関に現状を説明して返済計画の見直しをすることも可能です。
利率の低減をはじめ、返済期間の延長(毎月の返済額を減額)をお願いすることで住宅ローンの返済を行いやすくすることができます。また、状況によっては、一時的に元本返済をストップし、利息だけの返済にしてもらえることもあります。
このような住宅ローンの返済計画の見直しを「リスケジュール」、もしくは「リスケ」と呼びます。
銀行としても、住宅ローン借入先の病気、ケガなどのやむを得ない事情であれば、多少のリスケに応じてもらえる可能性は十分にあります。
こういった返済計画の見直しを行わず、支払いが延滞してしまうと住宅ローン契約の違反として、その後は差し押さえ、競売の流れで進み、1年ほどで強制退去となるので注意してください。
任意売却
金融機関に相談をして、返済計画の見直しをおこなっても住宅ローンの支払いができないとなったら売却しかありません。
そして、売却代金によって住宅ローンの残債をすぐに一括返済するようになります。
その際に売却金額が残債を上回れば何ら問題はないのですが、残債が多い場合は差額も一括返済する必要があります。
マイホームを失うだけでなく、さらに借金を背負う可能性もあります。
そこで検討したいのが任意売却です。任意売却は、住宅ローン借入人・住宅所有者が自主的に自宅を売却する方法であり、前述の競売と比較して、任意売却と呼ばれています。任意売却は競売に比べて手続きが速く、高い金額で売却できる可能性があります。
金融機関の同意が得られれば、住宅ローンを残した状態でもマイホームを売却することは可能です。
任意売却時に完済が難しい場合は金融機関と相談しながら、自身のできる範囲内で返済をおこなうことになります。
金融機関での判断次第、相談次第とはなりますが、時間をかけて少額弁済を続けていくことを認めてもらえることもあります。
任意売却も金融機関に事前に申し出て同意を得る必要があるので、できるだけ早いうちに相談してください。
おすすめの住宅ローン
住宅ローンを借入する際には、住宅ローン選びが重要です。やはりポイントは金利です。
少しでも金利の低い住宅ローンを利用すれば、それだけ総返済額が少なくなります。
ここでは、2021年7月現在で注目の特におすすめの住宅ローンをご紹介します。
三菱UFJ銀行(ネット専用)
大手銀行のなかでは三菱UFJ銀行の住宅ローンがおすすめです。
その中でも、ネット申込時のみに利用できるネット専用住宅ローンがお得です。
三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンでは、3年間の固定金利を利用しても、金利は0.34%という他の銀行に比べて圧倒的に低い金利になります(2021年7月)。
☆三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
☆13年連続で日本で最も利用されている住宅ローン
☆変動金利 0.475%(2022年1月現在)
☆3年固定金利 0.34%、10年固定金利0.74%(2021年4月現在)
☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在) |
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三菱UFJ銀行住宅ローンの商品概要とメリット・デメリット、口コミ・評判など
住信SBIネット銀行
2021年現在、最も強くおすすめする住宅ローンは住信SBIネット銀行の住宅ローンです。
住信SBIネット銀行は変動金利が業界トップクラスに低いことでおすすめです。
さらに、銀行の費用負担で「全疾病保証」に加入することができます。
全疾病保証は、万一の病気で就業できなくなった時に、保険が住宅ローンの返済を負担してくれる制度です。
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適用金利・手数料など | 変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。 |
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SBIマネープラザ
SBIマネープラザとは、住信SBIネット銀行の住宅ローンを、店舗の対面相談で利用できるサービスです。
通常、ネット専業銀行は店舗がないため、対面相談できないのがネックと言われます。
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.41%、10年固定金利 0.53% (2021年7月時点) |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 団信・全疾病保障付(金利上乗せなし) |
まとめ
病気や怪我を理由に住宅ローンの支払いが困難になったけれど、後で何とかすれば良いと考えて放置することは避けてください。
競売や差し押さえになってしまう可能性が高いからです。
病気や怪我を理由に働けなくなった場合、早めの対策をすることを心がけましょう。
そうすることで住宅ローンの返済を継続できて、マイホームを手放す必要がなくなるかもしれません。
まずは自身ができることを確認して、そのうえで行動に移しましょう。
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