自己破産すると生活はどう変わる?生活スタイルの改善で自己破産による影響は抑えられる

多額の借金に追われた生活を続けていると、自己破産さえ行えば元の安定した不安がない生活に戻れると誰もが考えるはずです。

 

しかし、自己破産を行ったとしても免責決定を受けた後の生活が完全に元通りになるわけではなく、多少影響が出る部分が発生します。では、自己破産すると実生活にどのような影響が出るのでしょうか。

 

 

自己破産による影響は3つ

自己破産は、申し立て手続きを行ってすぐに完了するわけではなく、破産宣告から免責審尋を経て免責決定を受ける所までの一連の手続きが済んで初めて終わったことになります。

 

このため、個人が行う自己破産であっても破産同時廃止事件で3ヶ月以上、破産管財事件となれば1年以上破産免責決定までに時間を要するわけです。自己破産申し立てから破産免責決定を受けるまでの影響と、破産免責決定後に残る影響を事前に知っておけば生活に及ぼす影響を事前に想定出来ます。

 

なお、自己破産が生活に与える影響は3つの分野(日常生活、家族、仕事)で分けて考えた方が理解しやすくなります。それぞれの分野ごとに解説いたしましょう。

 

日常生活に与える影響

自己破産が日常生活に与える影響は、申立て後、破産免責決定前までは借金返済に追われずに働いた給与額をそのまま家計に組み込めるメリットを実感出来るようになることでしょう。

 

本当に破産免責決定を受けられるかどうかという不安な気持ちがあるものの、破産免責決定を受けた時点で晴れて租税債権を除き大半の借金返済義務が無くなるので生活は楽になります。今までお金が足りない生活から、家計が黒字になる状況を目の当たりにして無駄遣いをしないよう心がける必要がある程度です。

 

唯一注意しなければならない点として、破産債権に携帯電話の分割払い残金を入れた場合には、携帯電話自体が強制解約されてしまっているので破産免責後に任意返済をするか預託金を預けなければ携帯電話契約が大手3社とは出来ないという問題があります。携帯電話本体を一括払い購入して、格安SIMを利用するといった工夫を行えば問題有りません。

 

家族に与える影響

家族に与える影響は、自己破産申し立て時点で既に土地・建物・車といった資産を持っていなければ影響を与えることはありません。もし、資産をお持ちの場合、自己破産手続きのなかで資産を売却されることになりますので、こういった資産を利用できなくなるという点があげられます。

 

また、自己破産後はお金を借入できなくなる点にも注意が必要です。自己破産を家族に内緒で手続きしている場合には、破産免責決定後5~7年以内に車が欲しいといった状況になった時に、貯蓄をしておかなければ、マイカーローンが組めないので購入が難しくなります。

 

自動車のような高額の商品購入でも現金購入、もしくは家族に借入を行ってもらう必要があります。

 

仕事に与える影響

仕事に与える影響は、特定の士業や警備員・銀行員・保険外務員といった特定の職業へ就業していた場合のみ、自己破産申し立てから破産免責決定が出るまでの期間内のみ就業制限があります。破産免責決定後はこういった制限も解除されます。

 

他人の財物を管理・守る職業についてのみ制限を受けますが、自己破産を理由に解雇することは法律により禁止されているので、就業内容を一時的に変更する程度で済むはずです。

 

自己破産が生活に与える影響を確認する

 

 

自己破産に伴う4つの制限

自己破産に伴い4つの制限を事前に理解しておけば、生活をプラスの方向に変えることで日常生活への影響を最小限に留めることが出来ます。自己破産を行ったからといって、必ずしも不便な生活を強いられるとは限らず、身の丈に合った堅実な生活さえ行っていれば支障ありません。

 

職業・資格制限は免責決定で解除

破産法に基づき自己破産手続き期間中に職業・資格制限がされることは、自己破産申し立て準備段階から自らの職業が資格制限に該当するか確認出来るので影響は少ないです。また、職業・資格制限は破産免責決定を受けることで解除されるので、破産同時廃止事件に該当すれば数ヶ月程度で元通りとなります。

 

事前に職場の上司へ事情を説明して、一時的な配置転換を行ってもらうといった程度で済むはずです。

 

債務整理・破産・個人再生・過払い金請求などが得意な法律事務所

 

 

借入が5~7年間困難になる

自己破産を行った事実は、個人信用情報機関へ異動情報として一定期間掲載される(いわゆるブラックリストの状態になります)ので、新たな借入が5~7年程度困難になると想定されます。

 

銀行との取引については、自己破産を行った事実が全銀協へ10年間登録されるので、信販会社や消費者金融よりも審査に通りにくい期間が長いと考えておけば良いです。

 

しかし、個人信用情報機関へ異動情報として自己破産履歴が掲載されていても、必ずしも新たにクレジットカード発行や融資を行ってはならないという意味ではありません。有担保ローンやデポジット型クレジットカードといった手段を用いれば、5年以内であっても借入を行うことは事実上可能です。

 

自己破産手続き中は転居が制限される

自己破産手続き中は、裁判所の許可無しに転居することは禁止されていますが、事前に申告すれば多くの場合で許可は出ます。転居に対する制限は行方不明となることを防止する程度と考えれば問題ないわけです。

 

実際に職業・資格制限に伴い部署異動のため勤務先の支社が変更になるといった例があるので、あくまでも申告制だと考えておく程度に過ぎません。

 

7年間以内は再度免責決定を受けられない

1度自己破産を行った際には、2度目以降の自己破産・免責決定に対する制限がもうけられます。

2度目の自己破産は最初の自己破産から7年間は出来なくなります。なぜなら、破産法に定められた免責不許可事由の1つとして、7年以内に自己破産を行ったことがあるという項目が入っているからです。

 

つまり、自己破産は生涯で1度限りという制限があるわけではなく、債権者に対して多大な迷惑を掛ける行為を短期間に何度も認めることは出来ないという意味合いがあります。自己破産を行った後は、派手な生活を控えて自らの収入の範囲内で家計をやりくりする生活改善が求められているわけです。

 

一度破産免責を受けると7年間は再度自己破産できない

 

自己破産後の影響を抑える方法

自己破産後の生活を視野にいれて、申し立て手続き前の準備段階から生活スタイルを見直していれば、自己破産を行ったからといって多大な影響が出るわけではありません。

 

既に自己破産を決意する時点で多重債務者として苦しい生活を行っていたわけですから、借金に追われる生活とは異なり身の丈に合った暮らしぶりに改めれば良いだけのことです。実生活においても、次のような方法で考え方を改めれば快適な生活を送ることが出来ます。

 

デビットカードを活用する

キャッシュレス決済の普及を目指す動きに対しては、キャッシュレス自体が必ずしもクレジットカードだけを指しているものでは無いという点に気づけば、デビットカードの活用でクレジットカードの代替が可能だと分かります。

 

実は海外のクレジットカードも半分はデビットカードのことを指していて、銀行口座と連動したクレジットカード決済システムを利用したデビットカード決済が可能です。日本国内で独自に普及が進められたJ-Debitとは異なり、VISAやMASTERといった国際決済ブランドマークが付いたデビットカードならば、銀行預金残高を利用限度額とした決済手続きが可能です。

 

クレジットカードとは異なり即座払いとなるので、使いすぎに注意して現金感覚で使うことが出来ます。

 

アヴァンス法務事務所 債務整理

 

 

デポジット型のクレジットカード

インターネットプロバイダや格安SIMといった一部の通信事業者では、支払い方法としてクレジットカードに限定した契約を行っている事業者が登場しています。

 

どうしてもクレジットカードが必要なケースが出ているからこそ、近年新たに日本国内でもデポジット型のクレジットカードが登場しているので、自己破産をしたからといって全てのクレジットカードが使えないわけではありません。

 

事前に利用限度額と同額の預り金をクレジットカード会社に預けておき、一括払い専用クレジットカードとして利用します。毎月の利用料金の引き落としが続けて出来ない場合には、預り金から清算処理を行った上で解約となることから、クレジットカード会社はリスク負担無しにクレジットカードを発行出来るわけです。海外では一般的ですが、日本国内ではまだライフカードのみが提供開始したばかりです。

 

家計簿チェックを継続して貯蓄を増やす

自己破産後の生活では、5年~7年間程度は最低でも新たな借入が困難な状況となるので、当面は現金主義かつ貯蓄生活を心がけることで日常生活に与える影響を最小限に止めることが可能です。

 

複数の借金を抱えて余裕が全く無い生活をしていた経験を考えれば、家計簿チェックを継続しつつ毎月の先取り貯蓄を行うことにより貯蓄を増やす生活を継続すれば安定した暮らしぶりを保てます。今までのお金が無くなったら借りれば良いという考え方を改めて、事前に将来起こり得るリスクに備えて貯蓄を行うという用意周到さを身につけておくと再度自己破産を行うリスクを抑えられます。

 

一度自己破産により失敗した経験を活かすことが何より重要です。

 

自己破産後は貯蓄するように心がける

 

まとめ

自己破産を行ったからといって、必ずしも仕事・家族・住居を失うわけではありません。自己破産は生活を再建することを目的とした救済措置として破産法により認められた制度であって、やむを得ない事情や失敗により作った借金の返済義務を免責決定により免除する制度です。

 

破産免責決定後5~7年程度は新たな借入が難しくなるものの、借金前提の生活を改めて毎月貯蓄出来る生活に改めれば日常生活に与える影響の大半を抑えることが出来ます。

 

多重債務に悩みつつ辛い生活を続けるならば、早期に自己破産申し立てを行い、破産免責決定を受けて生活再建を早めることが得策です。

 

 

借入・債務整理の関連記事

>>住宅ローン借入後の債務整理と自宅を残す方法

>>個人が利用できる債務整理とは?

>>カードローンを返済できないとどうなるのか?

 

最新情報をチェックしよう!
>おすすめファクタリングの一覧を公開

おすすめファクタリングの一覧を公開

ファクタリング手数料や資金化までの日数、サービスレベル等

CTR IMG