保証人がどんなものなのかを、しっかりと理解しましょう。
個人保証ってどういうこと?
銀行からお金を借入しようとすると、個人保証を求められます。
大手企業が借入する場合や、一部の政府系金融機関の制度融資では不要ですが、中小企業が民間金融機関から借入するとすれば、必ずといって良いほど、保証人になる必要があります。
保証人の「保証」とは、借入を行う人が、間違いなく、返済を行うということを、銀行に対して「保証」するという意味です。
そして、借入人から、銀行に対して、返済が行われなかった場合には、保証人がその責任を負う(代わりに返済する)ということを意味します。これって、本当に怖い状況なんです。
保証人には2種類ある!!
保証人には、「保証人」と「連帯保証人」の2種類があります。2つの違いは、簡単に言えば、保証人としての責任の重さの違いです。
「保証人」は債務者がお金を返せないと、変わって弁済を行う必要があります。
しかし、「保証人」であれば、銀行に対して、まずは債務者に対して請求してくれとか、債務者にまだ資力があるはずだから、債務者の資産から先に回収してくれと断ることができます。法律用語で言えば、「検索の抗弁権」や、「催告の抗弁権」が認められているということになります。
それに対して、「連帯保証人」は、こういった拒否権が認められていません。
銀行から請求があれば、すぐに応じなければいけません。
つまり、連帯保証人とは、債務者と同じ責任を負っており、債権者からの請求を拒否する権利はないのです。連帯保証人の責任は非常に重くて、怖いのです。もし、借入人が悪質な方で、資産を隠していたり、銀行の請求から逃げてしまっている場合、こういった借入人への交渉は大変です。
なんせ、音信普通の状況ですから、探すことすら大変です。
銀行としても労力がかかる
であれば、債務者は放っておいて、連帯保証人に請求した方が、簡単で、手っ取りばやいと考えることもあるのです。そして、銀行との契約で、個人保証を求める場合、ほぼ間違いなく「連帯保証人」を指しています。
銀行が求める「連帯保証人」の責任は非常に重いため、もし、債務者が返済できなくなった場合には、保証人の個人資産をまるごと回収してしまうこともあります。
本当に怖い第三者保証
また、同じ連帯保証人でも、だれのために保証をするかで、「経営者保証」と、「第三者保証」の2種類があります。
経営者保証は、会社が銀行から借入する際に、経営者が連帯保証人となるものです。こちらの場合、特に中小企業であれば、経営者と、企業が実質一体でもあるので、ある程度保証人になるのもやむを得ません。
それとは別に、他人(友人、知人、親族など)が経営する会社のために、連帯保証人となる第三者保証というものがあります。
また、知らない間に逃げてしまっても解りません。
銀行が個人保証を求める理由
1つ目の理由は、中小企業が、法人と個人で実質一体であることが多いためです。これは、運営上だけでなく、財布も明確に分かれていないことも多いのです。心あたりのある経営者は注意してください。
個人的な支出を会社に支払わせていませんか。社長のご自宅を社宅扱いにしていたり、個人の生活費を交際費にしていたり、酷い時には、個人宛に貸付してまったく返済しないことや、会社に来たこともない家族に給料を払っていたり、様々です。
この状態が続いていれば、銀行はいつまでたっても個人保証を外してはくれないでしょう。会社のお金を個人に、必要以上に流出させているのですから、いざという時には、そちらに返済を求めるのも当然のことです。
次に、経営者に対し、責任の意識を持ってもらうという理由もあります。残念ながら、経営者保証が求めていないと、経営者は簡単に事業を投げ出してしまうことがあります。経営が苦しくなっても、逃げ出すと、個人資産まで失ってしまうという責任感があるから、頑張っているという経営者は実は多いのです。
経営者を連帯保証人から免除したり、そもそも連帯保証人不要という融資を行った場合、経営が苦しくなってくると、早々と事業を辞めてしまう経営者がいます。
連帯保証人になっていないと、会社がいくら負債を負っていても、会社だけ破産させてしまえば、個人には何の責任も残らないため、あっさりと諦めてしまうことが多いのです。
銀行が経営者に連帯保証を求める理由は、主にこの2つとなります。
連帯保証人になっていない経営者は、会社の資産を必要以上に個人で流用してしまったり、経営に対する責任感が希薄になってしまったりという問題が起こらないように、防止しているのです。
連帯保証人になることの問題点
連帯保証人の問題点は、事業が失敗した際の、経営者に対する責任が重すぎることです。銀行は、一旦連帯保証人になってもらうと、会社が破たんした時に、連帯保証人からも最大限の回収を行う責任を負います。
もし、連帯保証人に資産があるにも関わらず、回収を行わなずに損失を出したとなれば、銀行の株主から責任を追及される可能性も出てきます。
また、税務上の損金として処理できずに、必要以上に銀行の損失が拡大してしまう可能性もあります。経営者は、その事業からの資金で得た資産だけでなく、この事業の収入以外から得たものまで含めて回収されてしまうことになります。
そうなると、再挑戦を行うことも難しくなってしまいます。1度失敗すると、再挑戦しにくい制度になっているのです。
まとめ
連帯保証人の責任は非常に重く、場合によっては、債務者の借入による責任をすべて背負うことにもなります。そのため、個人資産をすべて、奪われてしまうというリスクも負います。
更に、第三者保証では、さらに危険が高くなりますので、第三者保証人にはならないようにしましょう。
個人保証を免除してもらうためには、会社と個人の財布を明確に分け、会社の資産を個人に流出させないように経営することが必要です。金融機関から認められ、個人保証がなくても借入できる会社になりましょう。
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