最近は終身雇用なんて言葉は薄れてしまって、「転職」は決して珍しいことでは無くなっています。
一方で、住宅を購入するにはタイミングが重要ですが、転職後間も無くて「勤続年数1年未満」や「勤続6ケ月未満」だと住宅ローン審査に通らないと言われることもあります。
住宅ローン審査に勤続年数は重要ですが、勤続年数が短くても審査に通ることは可能です。
審査のポイントをおさえ、適切な説明を行えば、住宅ローンの借入は可能ですし、実際に、転職後6ヶ月で住宅ローン審査に通った実績もありますので審査に通す方法をご紹介します。確認頂きたいポイントは以下です。
今回ご紹介する内容
- 勤続1年未満が住宅ローン審査に通りにくい理由
- 勤続6ケ月でも審査に通った方法
審査での勤続年数の重要性
住宅ローンを借入するには、もちろん銀行の住宅ローン審査に通過する必要があります。
審査では、年収以外にも、勤続年数が重要なポイントになっています。
しかし、この勤続年数が審査でどれ位の重要度を占めるかを確認しておきましょう。
国土交通省が民間銀行を対象として行ったアンケート調査(「平成30年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」)によれば、「全国の銀行の95.7%は勤続年数が審査項目に加えている」としており、さらに住宅ローン審査における重要性は「完済時年齢」、「健康状態」、「借入時年齢」、「担保評価」に続く、5番目に「勤続年数」があげられる重要な項目としています。
銀行が重要視する審査項目の順位
順番 | 審査において重要視する項目 | 重要と考える銀行の割合 |
1位 | 健康状態 | 98.6% |
2位 | 借入時年齢 | 98.3% |
3位 | 完済時年齢 | 97.7% |
4位 | 担保評価 | 97.2% |
5位 | 勤続年数 | 95.7% |
6位 | 年収 | 95.6% |
*「平成30年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」の「融資を行う際に考慮する項目」をもとに作成
この調査結果によれば、年収や、雇用形態(正社員や、契約社員など)よりも、勤続年数の方が、住宅ローン審査では重要とされているのです。
勤続年数は住宅ローン審査において、非常に重要なポイントになっていることが解ります。
95.7%の銀行が勤続年数を審査項目としている
一般的に必要な勤続年数
先程の国土交通省の調査結果によると、民間銀行全体のなかで、「勤続年数は1年以上必要」とする銀行が全体の50%、「勤続年数は2年以上必要が5%」、「勤続年数は3年以上必要が24%」となっています。
この結果から以下のことが解ります。
- 勤続年数1年以上必要な銀行は全体の79%
- さらに勤続年数2年以上必要が銀行は全体の29%
- 勤続年数1年未満で利用できる銀行は全体の21%
つまり、転職後間もない方や、就職してから短くて、勤続年数が1年未満の方(もちろん勤続年数6ヶ月も)が審査に通る可能性がある銀行は、全体の21%しかないことが解ります。
そのため、勤続年数1年未満の方が住宅ローンを借入する場合、この21%の銀行を見つけることが大切になります。
勤続年数が重要な理由
では、なぜ住宅ローン審査に勤続年数が重要なのでしょうか。
前述のアンケート調査結果によれば、銀行の審査において年収や雇用形態よりも勤続年数の長さが重要視されている理由はなんなのでしょうか。
住宅ローンを貸してくれる銀行にとって大切なのは損しないことです。
そして、銀行が損する状態というのは、貸した住宅ローンが返ってこないことです。
住宅ローンは最長で35年間に渡って借入・返済を行う融資商品です。これだけの長期間になると、借入当時は問題の無かった方でも、状況が変わってしまい、住宅ローンの返済が難しくなってしまうということがあります。
そのため、融資を行う銀行の審査では、それだけの長期間でも問題なく返済を続けてくれそうな方であるかを見極める必要があります。
この時重要になるのが「収入の安定性」です。
収入の安定性とは、現在の収入の多寡だけではなく、継続性を意味します。
つまり、現在の収入が今後も安定して続いていきそうかということです。
仮に、現在の収入が高額でも、ギャンブルなどで得ている場合は安定した収入とは言えません。
銀行が安定した収入と判断するのは、「就業していて得る毎月の給料」と「就業の持続性が認められる」ことです。
そして、その就業自体の持続性を図るのが「勤続年数」になります。
勤続年数が短い方の場合、転職やリストラなどで就業がストップしてしまい、将来的に収入が安定しない可能性があると見なされてしまうのです。
勤続年数が長いと「収入が安定している」と判断されやすくなる
勤続1年未満でも審査に通るケース
一言で「勤続年数が1年未満」であると言っても、実はその要因ごとに審査に通る可能性が高いものと、審査に通りにくいものがあります。
まず、勤続年数が短くなった要因ごとに審査への影響について説明します。
勤続年数1年未満でも審査に通りやすいもの
- ステップアップの転職
- キャリアアップの転職
- グループ会社への出向・異動
- 会社の倒産による止むを得ない転職
以上のような理由で勤続年数が短くなっている時には、比較的審査に通りやすくなります。それぞれの内容を詳しく説明します。
ステップアップの転職
ステップアップの転職とは、年収の増加が見られる転職のことです。
特に、源泉徴収票などの所得確認資料によって年収が増加しているものをステップアップと呼びます。
年収が増加する転職とは、住宅利用者の個人の能力の高さが認められていたり、就業先が優良な会社に転職するなど、その人にって良い環境に転職したことが伺われます。
銀行としても、住宅ローンの借入人の就業状況が良くなるのであれば問題ないと判断されやすくなります。
キャリアアップの転職
年収が増加するわけではないが、キャリアアップの転職が見られる場合にも住宅ローン審査に通りやすくなります。
例えば、就業先が変わっても同じ職種、スキルを活かして勤務していて、さらに、転職に合理性があるケースが該当します。
例えば、経理・会計職で働いていて、資格する資格を取得したことで資格を活かせる会社に転職した場合や、同じ職種ながらより大きな会社や、役割を担う会社に転職する場合などがあげられます。
キャリアアップの転職も、ステップアップの要素を含むものですが、通常、転職後すぐは給与が減少するケースも多いため、ステップアップとまでは言えないことが多くあります。
それでも、転職に連続性が認められるケースとして審査に通る可能性があります。
グループ会社への出向・異動
本人に転職する意思が無いにも関わらず、勤務先の人事異動によって勤続年数が短くなってしまうことがあります。
例えば、親会社から子会社、もしくは関係会社に出向するといったケースがあげられます。
出向の形態にもよりますが、転籍として出向する場合、元々の勤務先を退職、出向先へ最就職したとする扱いとなることがあります。
また、勤務先が他の会社に買収、譲渡される場合にも、退職・再就職となることがあります。
こういった勤務先の事情によって勤続年数が短くなるケースでは、本人の事情や、問題ではないことから、住宅ローン審査で認められやすくなります。
会社の倒産で勤続年数が短くなるケース
転職ではありますが、転職の理由が勤務先の倒産、廃業を原因とするケースがあげられます。
倒産、廃業を原因とする転職の場合も、本人の就業能力を原因とする転職ではないため、住宅ローン審査で認めてもらえる可能性た高くなります。
勤続6ヶ月未満で借入する準備
住宅ローンを借入するには、「3年以上の勤続年数」が理想で、少なくとも勤続年数1年以上無いと、借入できる可能性が大きく低下してしまいます。
しかし、勤続年数が1年未満でも、住宅ローン借入の可能性が「0」になる訳ではありません。実際に全体の21%は勤続1年未満でも借入可能です。
私自身も、実際に勤続年数6ヶ月で住宅ローン審査に通過して借入しました。
勤続年数6ヶ月で、住宅ローン審査に通過して、借入した準備方法などをご紹介します。
銀行選びから始まる
「勤続年数6ヶ月未満」、「勤続1年未満」で住宅ローンを借入する場合、申込する銀行を選ぶことが非常に重要です。
先程の説明の通り、銀行全体の79%は、勤続年数1年未満の住宅ローン借入に対して、ネガティブな反応を示しています。
そのため、勤続年数6ヶ月未満でも借入できる可能性のある銀行を探すことが先決です。
ここでは、勤続年数6ヶ月でも借入できる可能性のある銀行をご紹介します。
住信SBIネット銀行
- 勤続年数3ヶ月以上で申込可能
- 勤続年数1年未満で審査通過した事例も多数あり
- 変動金利は業界トップクラスの低水準
- 万一に備えた全疾病保証も無料で加入できる
ネット専業銀行のなかでも、借入金利が低いことで有名な住信SBIネット銀行は、勤続年数が3ヶ月以上であれば借入対象となる銀行です。
私も実際、住信SBIネット銀行に、勤続年数6ヶ月未満で申込して、問題なく審査に通過することができました。
住信SBIネット銀行では、公式ホームページ上でも「3ヶ月以上勤務していれば申込可能」と公言しています。
勤続年数3ヶ月以上で借入申込できる住宅ローンは少なく、貴重な住宅ローンです。
*住信SBIネット銀行は仮審査までは必要書類も不要です。まずは借入可否を確認してみましょう。
住信SBIネット銀行は、借入金利も「変動金利」であれば、0.5%未満での借入が可能な住宅ローンです(2020年12月現在)。
そのうえ、住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンは「全疾病保障」の保険に無料で加入できるといったメリットもあり大変お得です。
SBIマネープラザ
SBIマネープラザは住信SBIネット銀行の住宅ローンを対面相談で利用できるサービスです。
ネット銀行の金利を、直接相談しながら借入したい方におすすめです。
- ネット銀行住宅ローンの金利+対面相談
- 住信SBIネット銀行グループ
- 住宅ローンのプロと相談しながら借入ができる
- 勤続年数1年未満の利用可能
なお、SBIマネープラザでの相談は事前予約が必須です。店舗数も少ないため、以下から早めに予約しましょう。
★SBIマネープラザの住宅ローンサービス
★完全予約制ですのでまずはご予約ください
★ネット銀行の低金利を対面相談で利用可能
住信SBIネット銀行と同水準の低金利
全疾病保障特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 2億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.41%、10年固定金利 0.53% (2021年7月時点) |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 団信・全疾病保障付(金利上乗せなし) |
三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
- 13年連続で最も選ばれている住宅ローン
- 3年固定住宅ローンが金利最安
- WEB申込なら店頭相談よりも金利優遇
- 勤続年数1年未満でも借入可能
三菱UFJ銀行も勤続年数の条件がなく、借入申込が可能な銀行です。
加えて、適用金利は年率0.34%(2021年7月時点/3年固定金利)と、住宅ローン業界のなかでもトップクラスの低金利を実現しています。
団体信用生命保険も疾病特約を付加することができるなど、非常に利便性の良い住宅ローンとなっています。
三井住友銀行
店頭での対面相談・柔軟な審査対応
ここまでネット専業銀行の住宅ローンをご紹介してきましたが、店頭型銀行が良いという方なら三井住友銀行がおすすめです。
三井住友銀行の住宅ローン審査は、「形式にこだわらず」、「内容次第・説明次第」で借入できる可能性のある住宅ローンです。
勤続年数が短い方で、直接銀行に説明して納得してもらいたいという方には、三井住友銀行の住宅ローンがおすすめです。
私も、三井住友銀行は、住信SBIネット銀行と並行して、実際に借り入れ申込しましたが、しっかりと審査に通過しました。
勤続年数が6ヶ月未満でも審査に通る可能性があることは実証済みです。
おすすめできない銀行
こちらは、私が直接住宅ローンの借入可否を確認して、「勤続年数の短さを理由」として申込できなかった銀行です。
一応参考として押さえておくと良いでしょう(時間の無駄になりません)。
- 新生銀行
- イオン銀行
- ソニー銀行
- じぶん銀行(au住宅ローン)
それぞれ、住宅ローンの商品性が非常に良く、魅力のある住宅ローンです。
並行して相談してみましたが、「勤続年数は3年以上が必要」ということで申込できませんでした。
銀行を厳選することが大切な理由
前述の通り、勤続年数1年未満の方が申込におすすめ銀行と、そうでない銀行をわけてみました。
この申込先となる銀行をわけることが大切な理由があります。
それは「申込ブラック」を避けることです。
「申込ブラック」とは、立て続けにたくさんの銀行(通常、4社以上)を申込することで、審査に通りにくくなる状況を指します。
銀行の住宅ローン審査では勤続年数だけでなく、様々な観点から審査を行います。
その1つが「個人信用情報」です。個人信用情報をもとに、住宅ローン申込者の過去の信用状況(延滞歴の有無、債務整理などの情報)を確認します。
しかし、この個人信用情報には6ケ月以内の閲覧履歴も記載されるため、一度にたくさんの住宅ローンに申込すると、後になった銀行では、申込者が数多くの銀行に相談していることを知ってしまいます。
この時、銀行では住宅ローン審査に通らないから、たくさんの銀行で相談していると慎重になってしまいがちです。
つまり、申込銀行数が多いと、それ自体が銀行審査に通りにくくしてしまうことがあるのです。これが「申込ブラック」と言われる状況です。
一度に申込する住宅ローンは4件以内を目安にする
職務経歴をつくる
勤続年数が短い場合(6ヶ月未満なら必須/12ヶ月未満なら作成しておくのが望ましい)、銀行に提出する「職務経歴書」を作る必要があります。
職務経歴とは、住宅ローン申込者の過去の職業の履歴を記載するもので、初めて就職してから、現在に至るまでの職歴を全て記載する必要があります。
最近の就業状況だけでなく、職務経歴全てが必要という点がポイントです。
職務経歴が必要な理由は、銀行の審査で職歴の連続性を見るためです。
そのため、勤続年数が短い方は、どの銀行の住宅ローンに申込しても共通して職務経歴が必要になります。
職務経歴を作成する場合、最初に就職してから、現在に至るまでの全ての職務経歴を記載するほか、以下のような内容も記載しておくことになります。
必要項目
- 会社名
- 職務内容(営業、経理、人事、総務など)
- 就業年月日、退職年月日
- 転職理由
- 退職先は最後の年収
- 就業中の会社は見込み年収
<職務経歴の記載例>
会社名 | 入社年月 | 退職年月 | 職務内容 | 転職理由 | 最終年収 |
㈱XXX | 2008/4 | 2013/3 | 経理 | キャリアアップ | 500万円 |
㈱YYY | 2013/4 | 2017/8 | 経理 | 年収増加 | 600万円 |
㈱ZZZ | 2017/9 | 就業中 | 経理 | – | 700万円 |
住宅ローン審査で、銀行が職務経歴書を見るポイントは、以下となります。
職務経歴書でチェックするポイント
- 職務内容に連続性があるか?(営業、事務職などが一貫して継続しているか)
- ステップアップ感のある転職か?(年収の増減)
- 転職理由に納得感があるか?
- 1社あたりの就業期間が短すぎないか?
なお、私の場合は、転職回数は5回以上になりますが、銀行3行の審査に無事通ってますので、転職回数が多くても、決して駄目というわけではありません。
但し、「転職の度に年収が下がる」、「職務内容の変化が大きい(キャリア変更)」場合は、審査にマイナスの影響を与えます。
職務経歴は、「作文」的な要素も強いので、「キャリアアップを図った転職」、「一貫した流れがある」と受け止められる内容にまとめておくのが大切です。
収入証明を準備
勤続年数1年未満で住宅ローンを申込みすると、「源泉徴収票」の提出だけでは審査してもらえないことがあります。
勤続年数が1年未満だと、現職の収入の状況が源泉徴収票だけでは把握できなくなってしまうことがあるためです。
例えば、前年度の年収として源泉徴収票を取得すると、内容が前職のもので、現職の年収をしっかりと反映していないということもあるでしょう。
審査にとって最も重要なのは現在以降の年収です。そのため、こういった前職の年収だけでは審査ができません。
勤続年数6ヶ月で住宅ローン審査を受けるためには、以下の書類を準備しましょう。
<転職後に用意したい所得証明書>
- 現職への入社後、現在までの毎月の給与明細(賞与も含む)
- 転職時の「雇用条件通知書」(予定年収記載)
- 転職時の「オファー通知」でも可能
- 雇用条件通知書が無い場合、「見込み年収証明書」を勤務先に依頼
不動産会社を活用
勤続年数が6ヶ月と短い場合でも、銀行の住宅ローンの審査を通りやすくする「簡単なコツ」も押さえておきましょう。
ネット専業銀行(住信SBIネット銀行など)の住宅ローンを除く、店頭型の銀行住宅ローンの場合、直接申込人が銀行に相談するよりも、不動産会社を通じて銀行に相談する方が審査に通りやすくなります。
もちろん、勤続年数6ヶ月未満という不利な状況においても、この審査に通りやすくなるポイントは同じです。
銀行住宅ローンの審査では、店頭で借入人から相談・申込を受ける案件は無理をする必要の無い「一見さん」の案件として審査されます。
断っても、その後の住宅ローン営業に、特に悪影響はありません。
それに対して、不動産会社(マンション分譲会社や、不動産仲介など)は、継続的に住宅ローンの申込人を紹介してくれるお得意さんです。
こういった不動産会社からの紹介案件を安易に断ると、次回以降の紹介が減少してしまう可能性があります。
実際、不動産業者は、住宅ローンの審査に通りにくい銀行は紹介しなくなります。
そのため、銀行の住宅ローン審査では、同じ6ヶ月未満の勤続年数でも、直接借入人からの相談・申込を受けるより、不動産会社を経由して申込を受ける方が、審査には通りやすくなります。
ただし、こういった対応は、ネット専業銀行には通用しません。
ネット専業銀行は、そもそも不動産会社からの相談を受付していないところが多いのです。
そのため、住信SBIネット銀行や、楽天銀行には、インターネット経由で借入申込して、三井住友銀行などの店頭型銀行には、不動産会社を経由して相談するといった流れがおすすめです。
フラット35もおすすめ
勤続年数6ヶ月未満で住宅ローンを借入するには、フラット35もおすすめです。
フラット35は住宅金融支援機構(公的機関)が貸出を行う住宅ローンです。
フラット35は、公的機関の住宅ローンであり、「申込要件」を充足していれば民間銀行よりも審査に通りやすいのが特徴です。
そのうえ、フラット35では、勤続年数の条件なく、就業していれば借入申込できることになっています。
つまり、フラット35は勤続年数が6ケ月未満であっても借入申込できますし、実際、審査に不利なく通過することができます。
さらに、フラット35は借入期間全体を通じての長期固定金利も人気の高い住宅ローンです。
借入時点で返済期間全体の金利が固定されますので、その後の金利変動の影響を受けることがありません。
そして、資金計画を立てやすいというメリットがあります。
勤続年数の短い方は、フラット35への申込も検討されるのがおすすめです。
なお、フラット35は民間銀行の多くが窓口で相談を受けていて、それぞれの銀行で借入条件が異なります。
そして、住信SBIネット銀行は、フラット35のなかでもトップクラスに金利が低い銀行となります。
転職回数は審査に影響するのか?
勤続年数が長い、短いということに加え、「転職回数」は審査に影響するのでしょうか?
転職回数も審査に影響を与える項目ではありますが、勤続年数1年未満といった勤続年数の短さほどではありません。
そもそも、単に転職回数が多いだけなら、銀行に気づかれないこともあります。
それは、「職務経歴書」を提出するかどうかによります。
前述の通り、勤続年数が短いと「職務経歴書」の提出が必須となります。
しかし、この職務経歴書が必要となる勤続年数の長さは銀行によって異なります。
例えば、勤続年数1年未満の方は職務経歴書の提出が必要という銀行の場合、勤続年数が1年を超えていれば職務経歴書を提出する必要がありません。
この場合、現在の就業先に対する職歴は銀行に判明しますが、それ以前に何度転職したか、どういった勤務先で働いていたのかは銀行にとっても解らないということになります。
また、現在の勤続年数が1年未満で職務経歴書を提出する場合であっても、前述のような「住宅ローン審査に通過する可能性のある転職、離職事由」であれば、転職歴が多くても問題にならないことが多いでしょう。
銀行としても、「住宅ローン返済ができる人かどうか」を判定していますので、勤続年数が短くても、返済に支障が無いと判断できれば融資の対象となります。
転職回数と住宅ローン審査
- 職務経歴書が必要なのは勤続年数1年未満
- 勤続年数1年超なら転職回数はほぼ影響しない
- 転職回数が多くても審査に通る可能性は十分にある
まとめ
転職して間もなく、勤続年数6ヶ月未満でも住宅ローンの借入は可能です。
しかし、勤続年数1年未満で借入できる住宅ローンは、銀行全体の20%程度でもあり、しっかりとした準備をしないと審査に通るのは簡単ではありません。
銀行を選ぶこと、必要書類を整えること、勤続年数が短いことを合理的に説明するのが重要なポイントです。
しっかりと準備すれば、勤続年数6ヶ月でも住宅ローンは借入できますので、上手に対応しましょう。
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