年収1千万円の方の住宅ローン借入可能額はいくら?審査のポイント徹底解説

住宅購入を考えるにあたっては住宅ローンが重要な要素となるでしょう。

そして、この時、住宅ローンでいくらまで借入できるかというのは気になる点でしょう。

今回は年収1千万円の方がいくら借入できるのかという点を解説します。 

 

住宅ローンで借入できる金額は、頭金や、年齢、お勤め先、そして購入する住宅などの条件によっても異なりますが、標準的な住宅ローンの借入可能額(上限)や、その場合の毎月の返済額などについて解説したいと思います。

また、同時に、どのような基準で住宅ローンの借入可能額は決まるのかも解説します。

 

返すことを優先して考える

最初に住宅ローンの借入可能額を考えるうえで知っておきたい基礎知識から解説いたします。

住宅ローンの借入可能額に影響する要素や、注意すべき項目となります。

住宅ローンの計画を立てる際、一番大切なことは返済額について考えることです。 

年収が1,000万円あるという方であっても、それぞれの家族構成や、将来の人生計画などでも返済できる金額は異なります。

 

それらを併せ考えて将来返済し続けることができる金額をベースにして住宅ローンを組みます。

今まで貯蓄していた人は、それを頭金にすることで住宅ローンの借入額を抑えることができるでしょう。

また、貯蓄額を返済に充てるのであれば、毎月の返済可能額を決めることも難しくありません。

 

まず返済額を決めよう

住宅ローンを組んで、夢のマイホームを買ったにもかかわらず、途中で返済できなくなってしまい、退去を余儀なくされる人がいます。

そのような人は、自分の返済可能額を甘く見ていた人が多いようです。

銀行は将来の人生設計まで考えて住宅ローンの審査をします。

 

しかし、将来発生する子供の教育費や、収入の変動までは予想できないことも多いでしょう。

そのため、銀行の審査に通ってお金が借入できたからと言って、無理なく返済できる金額であるとは言えません。

冷静に自分の返済可能額を決めることが一番大切です。

 

ボーナス払いは使わない事

毎月の返済可能額を少なく抑えるために、ボーナス払いを活用しようと思う方もいるでしょう。

しかし、ボーナス払いを返済計画に入れてしまうと、収入の変動などがあった際に対応できなくなります。

 

お勤め先の業績が悪化した場合など、賞与が大幅に増減するということは少なくありません。

そして、ボーナス返済を多く見積もっていたために、賞与の減少とともに支払いが滞ってしまうというケースもあります。

住宅メーカーの宣伝には、ローンシミュレーションとして非常に低い返済額を載せています。

 

しかし、一番利率の低い変動金利、そしてボーナス払いで20万程度の返済をすることを前提にしていることを忘れてはいけません。

住宅ローンの返済期間は30年を超える事が多くなります。

その間ボーナスを年2回もらい続けることができるかどうかも冷静に考えるべきです。

そして、出来る限り、ボーナス返済をあてにせず、毎月弁済で無理なく支払ができる水準の借入を前提とした方が良いでしょう。

 

返済負担率の上限は?

銀行の住宅ローン審査において、借入可能額を考えるうえでは「返済負担率」が重要な要素になります。

返済負担率とは、年収のうち、借入の返済に充てることできる割合を指します。

住宅ローン審査では、それぞれ個人の実態は解りませんので、一律標準的な返済負担率の割合で借入可能額を計算します。

例えば、年収1千万円の方の場合、35%として計算される銀行が多いでしょう。

 

つまり、銀行の審査基準としては、年収1千万円×35%として、年間350万円までの返済(利息含む)が可能という計算になります。

住宅ローン審査では、この350万円という年間返済額で借入できる額が住宅ローンの借入可能額(上限)ということになります。

借入可能額の上限は?

それでは、実際に銀行の住宅ローンの審査で、年収1千万円の方がいくら借入できるのかを解説していきましょう。

以下、具体例で借入可能額を計算します。

 

返済負担率で逆算

先ほど、銀行の住宅ローン審査において、返済負担率の上限は年収の35%までと解説しました。

1,000万円であれば年間返済額は350万となります。

この年間返済額350万円で、ボーナス払いがなければ、1ヶ月あたりの返済可能額は29万程度になります。

ここでは、年収1千万円での借入可能額の上限を確認するという点で、年利3%、返済期間35年、元利均等返済で逆算してみましょう。

 

年収1千万円以上の借入可能額を計算すると、借入可能額は75,353千円となります。

年収1千万円であれば、75百万円以上もの借入が可能ということになります。

なお、この計算は民間銀行の住宅ローン審査を前提としています。

民間銀行の場合、借入可能額の計算では、金利を34%で計算します。

変動金利を前提とする住宅ローンが主力であり、将来の金利変動リスクを考慮するために、実際に融資している住宅ローンよりも少し高めの金利となっているのが特徴です。

 

フラット35なら増額

年収1千万円の方の場合、民間銀行の住宅ローンであれば、75百万円程度の借入が可能ということが解りました。

しかし、フラット35であれば、さらに大きな金額の借入が可能です。

フラット35の方が民間銀行の住宅ローンよりも大きな金額を借入できる可能性がありますが、それには理由があります。

 

民間銀行の住宅ローン審査では、借入可能額の逆算を金利34%の審査金利で行います。

しかし、フラット35の場合、借入時点で金利が確定する全期間固定金利が特徴となります。

そのため、将来の金利変動リスクがありません。

そのため、年収1千万円の方がフラット35で借入するなら、8千万円の借入も可能となります(フラット35の商品上の借入可能額の上限が8千万円となります)。

 

担保額はあまり重視されない?

住宅ローンは住宅を担保にしたローン商品です。

そのため、住宅に価値があれば借入可能額は増えるのではないかと思われるかもしれません。

しかし、それは大間違いです。

 

銀行の住宅ローン融資では、あくまでも「返済出来るかどうか」を重視して審査されます。

そのため、返済能力が認められないにも関わらず、担保価値が高いからというだけでは融資してもらえません。

住宅ローン審査では、返済能力の評価 >担保価値で考えておく必要があります。

 

借入可能額と適正額は違う

ここまで年収1,000万円で借入できる金額と、その金額を増加させるためのポイントを解説してきました。

しかし、住宅ローンでは、借入できる金額と、適正な借入額とは異なりますので、ご自身にあった適正額を意識しておくことが大切です。

 

一般的な方の場合、貯蓄や、娯楽、子供の養育費なども考えると、返済負担率の適正水準は25%程度だと考えられます。

年収1千万円の方の場合、平均的な方よりも余裕資金が多いと考えられますが、それでも年収の30%程度を目安とした方が良いでしょう。

サラリーマンの方は、税金や社会保険で実際の手取り額は年収の2割ほどが目減りしているでしょう。

年収の30%とはいえ、実際の手取り年収の4割程度占めることになります。

このレベルを超え、年収の4割とか5割を住宅ローン返済に必要とされたら生活ができるでしょうか。

将来の生活設計を考えよう

住宅ローンの借入を計画する際には、将来の生活設計を検討項目に入れなければいけません。

現在の生活スタイルから無理の無い返済計画であっても、生活スタイルや家族構成、配偶者との共働きなどの前提が変わってしまい、返済が難しくなってしまうこともあります。

将来の生活設計が重要となるのは、年収1千万円の方であっても同様です。 

 

自分の子供が何年後に高校に入学し、大学に入学するかは大切な情報です。

今後子供を作る予定であれば、そのシミュレーションも大切でしょう。

また、老後の生活に備えた資産形成も欠かせません。

ご自身のライフプランについて配偶者としっかり話し合いをすることが必要です。 

 

35年間は長い

住宅ローンの返済期間は最長35年です。実際の住宅ローンの返済期間も35年にしている人がほとんどでしょう。

しかし、35年は長いです。30歳の人であれば65歳まで住宅ローン返済が続きます。

 

定年延長が当たり前の時代なので定年も65歳まで伸びているかもしれません。

しかし、35年の間にどんなことが起きるかはわかりません。

年収1,000万円の方も、ずっとその年収を維持できるかどうかはわかりません。控えめの住宅ローンで確実に返済し続けることが必要ではないでしょうか。

 

銀行の審査のポイント

住宅ローンを申し込むと、銀行で審査が行われます。

銀行の住宅ローン審査に通るためには銀行から信用されなければいけません。

年収1千万円ある方の場合、平均的な方に比べれば、相当に審査に通りやすいと言えますが、必ず審査に通るとは言えません。 

住宅ローンの返済期間は短くありませんし、銀行としても数千万円の融資となれば、貸し倒れとなった場合のリスクが大きいため、慎重な審査が必要となります。

 

例え、現在の年収が1,000万円を超えていても、その収入がずっと継続するとは限らないため、銀行では年収だけでなく、それぞれの方の職種や、勤続年数、勤務先、家族構成など、様々な条件を含めて審査します。

以下では、住宅ローンを借入する方のタイプ毎に、住宅ローン審査のポイントを解説します。

 

サラリーマン

銀行が住宅ローンの審査をする際、一番審査を通しやすいのはサラリーマンです。

今の日本では、相当の理由がない限り正社員を会社の都合だけで解雇することはできません。

また、年収に関しても「大幅に下がる」ということは少ないため、一度雇われたら収入は安定します。

 

そのため、サラリーマンが住宅ローンの申し込みをすると比較的簡単に審査に通ります。

もちろん先ほど述べた年収の35%以内の返済額であったり、将来の生活設計などを考慮したりするでしょう。

 

しかし、サラリーマンで年収1千万円以上を受け取る方は、相当なハイスペックな方や、仕事で実績を出している方、もしくは、かなりの優良企業に勤めている方となるでしょう。

年収1千万円以上のサラリーマンの場合、確実な収入が望めそうだという信頼感は強くなり、住宅ローン審査には通りやすくなります。

 

自営業は不利

サラリーマンなどの給与所得者に比べて、自営業、個人事業主や、中小企業の経営者の場合、住宅ローンの借入には不利になります。

例え、弁護士などの資格を有する専門職であっても、住宅ローン借入には不利になります。

 独立弁護士などの士業や、自営業者のなかには、年収1千万円程度稼いでいる人もたくさんいるでしょう。

こういった方の場合、平均的な給与所得者に比べれば、可処分所得も多く、裕福な暮らしをしているでしょう。

 

しかし、銀行は「今後30年間、今の収入が継続するだろうか」と考えるのです。

同じ年収1,000万円であっても、サラリーマンと自営業で比較すれば差が生じてしまいます。

自営業者や、中小企業経営者の場合、景気変動や、業界環境の変化などで収入が大幅に変動することがあります。

そのため、長期の借入が前提となる住宅ローン審査では、例え年収が1千万円以上であっても、自営業者の審査には厳しくなる傾向があります。

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給与振込をしている人

銀行は住宅ローン審査の際に貸金回収を重視します。その観点からすると、給与振込をしている人は非常に有利です。

給料からその銀行に毎月積立貯蓄などをしていたら更に有利になります。

銀行によっては住宅ローン金利を、その人の信用に応じて差をつけることがあります。

給料振込をしているサラリーマンの方は最優遇金利が適用されるはずです。

 

取引期間が長い人

また、銀行は取引期間が長い人も優遇します。取引期間が長い人は、銀行から信用されています。

特に子供や学生時代から取引がある人は、親のこともわかっているため更に信用があるでしょう。

銀行は世帯ごとの情報を持っていますから、一家で取引があるような場合は信用力が増すのです。

 

おすすめの住宅ローン

住宅ローンを借入する際には住宅ローン選びが重要です。住宅ローンはどこの銀行で借入しても同じと思っている方がいますがそれは間違いです。

銀行ごとで住宅ローンの条件は大きく異なりますので、ご自身にあった住宅ローンを探すことが大切です。

住宅ローンを選ぶ際に気を付けたいポイントは金利です。

少しでも金利の低い住宅ローンを利用すれば、それだけ総返済額が少なくなります。

ここでは、2021年7月現在で注目の特におすすめの住宅ローンをご紹介します。

 

三菱UFJ銀行(ネット専用)

大手銀行のなかでは三菱UFJ銀行の住宅ローンがおすすめです。

その中でも、ネット申込時のみに利用できるネット専用住宅ローンがお得です。

三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンでは、3年間の固定金利を利用しても、金利は0.34%という他の銀行に比べて圧倒的に低い金利になります(2021年7月)。

 

さらに、三菱UFJ銀行の住宅ローンは通常の大手銀行の住宅ローンと違い、一度も来店することなく、ネットからの申込や手続きで完結させることもできます。

三菱UFJ銀行住宅ローン
4.95

☆三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
☆13年連続で日本で最も利用されている住宅ローン
☆変動金利 0.475%(2022年1月現在)
☆3年固定金利 0.34%、10年固定金利0.74%(2021年4月現在)
☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます

借入可能額(最大)

1億円

適用金利・手数料など

変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在)

その他優遇など

7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>

 

住信SBIネット銀行

 

2020年現在、住信SBIネット銀行の住宅ローンも大変おすすめです。

住信SBIネット銀行は変動金利が業界トップクラスに低いことで有名な住宅ローンです。さらに、銀行の費用負担で「全疾病保証」に加入することができます。

全疾病保証は、万一の病気で就業できなくなった時に、保険が住宅ローンの残元本を負担してくれる制度です。

そのため、死亡だけでなく、万一の病気、疾病に無料で備えることができ、住宅ローンを安心して利用できることになります。

住信SBIネット銀行
4.98

★住信SBIネット銀行の住宅ローン
★業界トップクラスの低金利
★新規購入時の通期変動金利は0.32%(2023年5月現在)
★全疾病保障保険の特約を無料で利用できる

借入可能額(最大)

1億円

適用金利・手数料など

変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。

所要時間

申込から融資実行まで1ヶ月程度

その他優遇など

全疾病保障特約を無料で付加、一部繰上げ返済手数料無料

 

SBIマネープラザ

SBIマネープラザとは、住信SBIネット銀行のネット専用住宅ローンと同条件の住宅ローンを、店舗の対面相談で利用できるサービスです。

通常、ネット専業銀行は店舗がないため、対面相談できないのがネックと言われます。

しかし、SBIマネープラザでは専用のコンサルタントと相談しながら住宅ローンを申込できるのが特徴です。

なお、SBIマネープラザでの相談は事前予約が必須です。店舗数も少ないため、以下から早めに予約しましょう。

SBIマネープラザ
4.9

★SBIマネープラザの住宅ローンサービス
★完全予約制ですのでまずはご予約ください
★ネット銀行の低金利を対面相談で利用可能
住信SBIネット銀行と同水準の低金利
全疾病保障特約を無料で利用できる

借入可能額(最大)

2億円

適用金利・手数料など

変動金利 0.41%、10年固定金利 0.53% (2021年7月時点)

所要時間

申込から融資実行まで1ヶ月程度

その他優遇など

団信・全疾病保障付(金利上乗せなし)

 

まとめ

住宅は人生最大の買い物と言われます。そして、現金で支払うことができる人は多くありません。

つまり、家を買うほとんどの人が住宅ローンを利用しているのです。

年収1,000万円と聞けば、かなりの借入ができると期待するでしょうが、実際はそうとは限りません。

万が一信用情報に何らかの問題があれば、年収1,000万円でも審査で絶対落とされます。

住宅ローンの審査で重視されるのは、返済期間にわたって返済を続けることができるかという信用力です。それは年収1,000万円の人でも変わりません。

 

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