ついついカードローンで借り過ぎてしまって、2件、3件と借金が膨らんでしまったという方もいるでしょう。
借金が膨らむと、返済負担が重くなり、さらに次の借入が必要になるという悪循環も生まれやすくなります。
気持ちを入れ替えて、借金を完済するために行動を起こしたいという方にご案内です。
膨らんだ借金を完済するには、ポイントを押さえて、計画的に行動する必要があります。
今回は、借金を完済するために重要な4つのステップを取り上げますので、多重債務にお困りの方、早く借金を減らしたい方に、ご一読頂ければ幸いです。
返さずに放置するのは危険!!
リストラされてしまった場合や、会社の景気が悪くて収入が減ってしまった、もしくはカードローンの借入件数が膨らんでしまって返せなくなってしまうことがあります。
こんな時、借入先と相談しても借金を返せないことに変わらないため、どうしようもなくなって借入先と相談することなく放置してしまう人がいます。
または、借入先に返済が難しいと相談したけども、返済方法の交渉に応じてもらえず、支払を催促されることにストレスを感じて連絡するのが嫌になってしまい、連絡が来ても電話にでなくなり、借金を放置してしまう方もいます。
しかし、完済できる目途が立たないからといって、何もせずに返済をストップしてそのままにしておくのは危険です。
借金は膨らんでいく
返済しないまま、さらに何の手続きもしないままに延滞して放置していると借金は膨らんでいきます。
借金返済を延滞すると、通常の借入金利よりも高金利となる遅延損害金を請求されることになります。この遅延損害金が発生するのは延滞している元金に対してですが、延滞期間が数ヶ月続くと、期限の利益を喪失されて、借入金額全体に対して遅延損害金が発生するようになります。
遅延損害金は通常の借入金利の上限に対して1.46倍が上限とされています。
つまり、カードローンなどの借入金利の上限は消費者金融で18.0%(借入限度額が10万円以上)ですので、遅延損害金の上限は26.28%になります。
借金を延滞したまま放置すると、借入残高に対して、この26.28%の利息が発生しつづけることになります。そのため、現状の借入額の返済さえ難しいのに、さらに借金が大きくなってしまうのです。
一括返済を求められる
借金の延滞を開始してから解消できないままに3ヶ月が経過すると期限の利益を喪失されてしまいます。
期限の利益が喪失されるとは、延滞している3ヶ月分の約定弁済額だけでなく、借入額全体に対して一括返済の義務が生まれるということです。そのため、借入残高全てに対しての返済を求められることになります。
差押えされることもある
借金の返済を延滞した状態で放置していると、借金の返済を求めて裁判所に訴えられることもあります。
こんな時、どうせ支払えないからと何もしないままに放置していると裁判に負けてしまい、裁判所から借金返済を命じる判決がだされます。
裁判所からの借金返済の判決がでても、返済できないことに変わりがないので放っておけば良いと思っていませんか。
こういった判決を甘く考えているのは危険です。裁判所の判決は「債務名義」と呼ばれ、債権者(銀行などの金融機関)に対して、法的な回収手続きを行う許可となります。
そのため、金融機関は延滞している人の資産に対して差押えを行うことも可能になります。
例えば、自宅などの資産や、自動車、預金などに対する差押えも可能です。
さらに、就業されていて給料の受け取りがある方であれば、この受け取り前の給料を差押えされてしまうこともあります。
給料に対する差押えが行われると給料の一部が債権者への支払いに回り、残りだけが借入人に支払われるようになってしまいます。
借金完済への4つのステップ
前述の通り、借金返済を放棄して、何もせずに放置しているのは危険です。
借金返済が出来なくなって困ってしまっている方や、早期に借金問題を解決したいと考えているなら、完済するために取り組みたいポイントをおさえておく必要があります。
ここでは借金完済を目指して取り組みたい4つのステップについて解説していきます。
ステップ 1
借金の状況を把握する
借金 完済のために、最初にやるべき重要なことは、現在の借金の状況や、契約内容を整理して、しっかりと把握することです。
借金の現状を把握できないと、完済するにも返済計画が立てられません。
リストで整理する
借金の状況を整理して全体を把握しないと、計画的に行動しているつもりでも「漏れ」が発生してしまいます。
例えば、毎月の収入から生計費や、借金返済にあてるお金の割り当てを考えていても、借金の一部を忘れていてお金が足りないという事態も起こります。
計画や、対策から漏れた借金があると、結果、予想外の支出が発生し、完済に向けて計画的に返済していくことが出来なくなります。
こういった漏れを防ぎ、計画的に借金返済を行っていくために大切なことは、借金を紙に書き出して「リスト」にすることです。
自分の借入した借金だから、わざわざそんなことしなくても「把握できている」という方もいるでしょう。
しかし、リスト化することでこそ把握できる情報があります。
頭で解っていることと、目に見える情報は違いますので、必ず借金をリスト化するようにしましょう。
リスト化することで、借金の「漏れ」、「抜け」を防止するだけでなく、完済するための計画を立てやすくなります。
頭で把握するのは困難
借金の件数が、1件~2件程度なら良いのですが、3件、4件と、膨らんでしまうと、頭で解っているつもりでも、ついつい漏れが発生してしまいます。
それぞれの借入の約定返済日が異なっている時に、「どの返済日に、どの借金に支払えば良いか」、「それぞれいくらの返済が必要か」、「金利の高い借金と、低い借金」など、混乱してしまうことってありますよね。
段々、頭だけで把握することが困難になってくると、約定返済日に、返済する借金を勘違いしてしまい、思わぬ「延滞」が発生してしまうこともあります。
督促されて初めて間違いに気づくなんてこともあります。
借金を完済するうえで「延滞」は必ず避けなければいけません。
延滞するとその後の新規借入が出来なくなりますので、「おまとめローン」などを使って、借金を一本化するといった方法も取れなくなってしまう可能性があります。
また、状況が把握しづらくなってくると「借金を考えるのが嫌」になってきます。
そうなってくると、「どうでもいい」と投げやりになって、悪循環になってしまうこともあります。そうならならために、借金のリスト化は重要です。
リスト化する内容
借金をリストにするにあたっては以下の項目を盛り込むようにしましょう。
リスト化する項目
- 借入先名(銀行名など)
- 借入残高
- 毎月の返済額
- 金利(利率)
- 借入限度額(カードローン)
- 契約期間(カードローン)
具体例は以下のようになります。
<リストの例>
単位:円
借入先 | 借入残高 | 返済日 | 返済額 | 金利 | 極度額 | 有効期間 |
例① | 200,000 | 15日 | 4,000 | 14.6% | 300,000 | H30.6 |
例② | 150,000 | 27日 | 2,000 | 18.0% | 200,000 | H31.9 |
例③ | 180,000 | 10日 | 5,000 | 18.0% | 200,000 | H31.12 |
合計 | 530,000 | - | 11,000 | - | 700,000 | - |
リストにするメリット
借金の状況をリスト化して把握することで、あらたな気付きや、効果が得られるというメリットがあります。
メリットの例
- 今後の借金の支払総額が一目で解る
- 毎月の返済日、返済額、返済先が把握できる
- 金利の高いものと低いものが把握できる
- 借入限度額と空状況を把握できる
リストにすることで、返済額の大きいものや、金利の高い借入なども目で見て把握できるようになります。
借金を完済するためには、「金利の高い」ものを優先的に完済してしまいたいところです。
また、毎月の返済負担が重いという方には、どの返済が大きいのかということも解ります。
リスト化することで、借金を完済する計画が立てやすくなります。
ステップ 2
収支を把握する
借金を完済するために次に行うべきステップは、自分の収入と、支出を正しく把握することです。
給与所得者(いわゆるサラリーマン)の場合、収入というのは毎月の給料の手取り額です。口座に振り込まれてくる額ですね。
個人事業主の場合、収入が不安定で、把握するのが難しくなりますが、過去数か月の事業から残った額(手取り額)を平均で把握するなどしましょう。
支出というのは、食費、住居費、交際費などの生活にかかる費用、税金などとなります。
参考:収入は増やせる?
収支を把握するにあたって、支出を減らすことがポイントとなりますが、可能なら収入を増やすことも検討すべきでしょう。
収入を増やすための方法としては、以下の関連記事でご紹介していますので、参考にしてみて下さい。
節約だけじゃなくお金を貯める方法
支出の把握がポイント
借金を完済するためには、余計な支出を減らして、返済できる余力を増やすことが重要です。
収入を増やすことは簡単には出来ませんが、支出の無駄を減らすことは「誰にでも」できます。
どれだけ、支出に無駄が無く、節約しているという方でも、支出を整理して把握すると、必ず多少なりの無駄が見つかります。
そのためにも、支出の状況を整理して、「どこに」、「何のために」、「どれだけ」支払っているのかを整理することが重要です。
なお、支出を把握するうえでは、支出を以下の分類に分けておくことがお勧めです。
- 固定費(住居費、食費、水道光熱費、税金など必ず発生するもの)
- それ以外(交際費、趣味・娯楽など調整できるもの)
- 借金の返済額
<支出把握の例/12月>
単位:円
内容 | 固定費 | 借金返済 | その他 | 合計 |
食費 | 30,000 | 30,000 | ||
家賃 | 50,000 | 50,000 | ||
水道光熱費 | 6,000 | 6,000 | ||
飲み会(交際費) | 10,000 | 10,000 | ||
借入金返済 | 11,000 | 11,000 | ||
合計 | 86,000 | 11,000 | 10,000 | 107,000 |
自分の毎月の支出の状況を、リストに書き出して、整理して把握することで、支出の無駄が探しやすくなります。
この時重要なのは、書き出した支出の状況が、実態をちゃんと把握できているということです。
例えば、書き出してみると、支出の額は107,000円になったけど、毎月の手取り収入150,000円が全く手元に残らないという方は、漏れている43,000円の支出を洗い出す必要があります。
知らない間に使ってしまっている費用は結構多いものです。
しかし、そんな費用にこそ無駄が隠れていることも多いので、しっかりと把握して全てを書き出すようにしましょう。
ステップ 3
無駄な費用を削減する
借金の完済に向けて、現在の支出を整理した後にやるべきことはお解りですよね。
支出の内容を確認して、削減できるものを洗いだしていきます。
借金を完済するためには、自分自身の返済余力を高めていく必要があります。
そのためには、無駄な支出を削減して、手元に残るお金を少しでも増やすのが重要です。
書き出した支出の項目毎に、内容を見直して無駄がないかを確認していきましょう。
費用を見直しするうえでのポイントは、次の2つです。
- 本当に必要か?
- 金額は多すぎないか?(無くせなくても、減らせない?)
この2つのポイントを意識して、それぞれの支出の項目を見直していきましょう。
固定費は、費用の水準が妥当か(住居の家賃が高過ぎないか、食費は多すぎないか、その他の固定費は本当に必要かなど)を確認していきましょう。
それぞれの固定費を丸ごと無くすのは難しいでしょうが、その金額が大きすぎないかという観点から見直していく必要があります。
その他の費用に分類するものは、無くても良いのではないかと言う観点から見直ししていきましょう。
可能なら項目毎、丸ごと削減するつもりで見直ししていくのが良いでしょう。
ステップ 4
返済方法を考える
収入と支出の状況が把握できたら次は返済方法を考えます。
収入と支出が解れば返済余力はすぐに解ります(手取り収入-借入返済を含めない支出(固定費+その他))。
返済方法を考えるうえで重要なのは「借金を完済」できる目途がどの程度あるかを把握することです。
自分の返済余力と、借金の額から、完済できる可能性を把握して、今後の返済方法を確認する必要があります。
返済方法を考えるうえでのポイント
- 返済余力と、実際の返済額は「どちらが大きいか」
- 返済余力で、借入金全額を完済するのに「どれ位の期間が必要か」
借金を完済するうえで、上記のポイントは非常に重要です。
以降で、それぞれのポイントについて、もう少し説明しましょう。
十分な返済余力はある?
収入と、支出を見直しした結果としての返済余力が、実際の借金の返済額を上回っているかどうかの確認です。
借金を完済するために非常に重要です。
返済余力 > 返済額
もし、「返済余力 > 返済額」で、十分に余力があるなら、前倒しして、借金を返済していくのが望ましいでしょう。
前倒しで返済すれば、その分、利息も減っていきますので、加速度的に借金を減らすことができます。
前倒しで借金を返済する際のポイントは「金利の大きい」ものを優先して返済することです。
最初に作成したリストを見れば、どの借金の金利が高いかは、一目瞭然ですよね。
もっとも金利の高いものを完済するように努力していきましょう。
この時、完済に向けて借金を返済していく方法としては「おまとめローン」を活用するのも有効です。
おまとめローンとは複数の借入を一本の新規借り入れにまとめてしまって、既存借入を返済してしまう方法です。
借入が一本化できることに加えて、金利を下げる効果もありますので、借金返済を進めていきやすくなります。
複数の借入がある方は、おまとめローンも併せて検討してみましょう。
返済余力 < 返済額
次に、「返済余力 < 返済額」の場合を考えていきましょう。
実際の返済額に比べ、返済余力が少ない場合には、そのまま返済を継続していくのは困難となります。
手元の預金などから多少は返済できても、どこかで無理が出てしまいます。
この場合、完済を目指して借金返済を行っても、継続していくことは難しくなりますので返済方法自体を見直す必要があります。
つまり、毎月の返済額を減らさないと、返済が続けられません。
この時の有効な方法には、
- おまとめローンで借り換え
- 債務整理で借金を減らす
- 借入先と相談して返済方法を見直す
の 3つの選択肢があります。
どれが、ご自身にあった借金の返済方法かは、次の項目でご説明していきます。
返済期間を確認する
現在の借金の残高を、返済余力で完済する場合に「どれくらいの期間がかかる」のかを計算してみましょう。
計算は簡易的なもので結構です。
金利がかかることを考慮して、年間の返済余力(月毎の返済余力×12ヶ月)の8割が、借金の元本に充当できるものとして、計算します。
つまり、借金を完済できるまでの期間は以下で計算できます。
借金の完済期間=借金の残高÷(年間の返済余力×80%)
完済までの期間を計算した結果、次の2つのタイプに分けて、ご説明しましょう。
- 完済までの期間 < 5年
- 完済までの期間 > 5年
① 完済までの期間 < 5年
計算した結果、借金を完済するまでの期間が、5年未満となった方は、ご自身の力で借金を完済する能力がある方と言えます。
債務整理に頼らなくても借金の完済を目指せます。
この場合は、「おまとめローン」を活用して、返済負担を減少させながら、効率的に返済して方法を考えるのが良いでしょう。
おまとめローン
前述の「完済までの期間」が、5年以内となり、ご自身の力で、借金を完済できる目途がある方には、「おまとめローン」がおすすめです。
おまとめローンを活用して、既存の「借金を一本化」すると、以下のような様々なメリットがあります。
おまとめローンのメリット
- 毎月の返済額を減少できる
- 利息を減らせる
- 煩雑な返済・諸届の手続きを削減できる
おまとめローンのおすすめ商品
☆中央リテールのおまとめローン
☆おまとめローンの老舗会社
☆中堅消費者金融ですが業歴も長く安心
借入可能額(最大) | 500万円 |
---|---|
適用金利・手数料など | 10.95%~13.0%(実質年率) |
所要時間 | 審査まで2時間、融資実行まで最短1日 |
おまとめローンの活用方法などは、詳細に解説していますので、以下の関連記事をご参照ください。
カードローンのおすすめ関連記事
② 完済までの期間 > 5年
そもそも返済余力が無い方(収入から最低限の生活費を引くと残らない)や、「完済までの期間」が、5年を超える方は、債務整理を検討してみるのが良いでしょう。
これらの方は、現在の返済を続けても、残念ながら、借金を完済するのは、困難であり、現実的ではありません。
「いくら返済しても元本が減らない」、「延滞が避けられない」といった問題を抱えてしまう可能性も高いでしょう。
法律の手助けを得て、借金の残高そのものを減らしていく必要があります。
債務整理は専門家に相談
「完済までの期間」が5年超、もしくは、そもそも返済余力が無いという方は専門家に相談して、債務整理を含めて返済方法を考える必要があります。
債務整理を活用すると、「借金の残高」自体を、現実的な金額まで減らしてもらえる可能性があります。
借金をなんとか完済したいという方には、抜本的な解決につながる手段となります。
もちろん、債務整理を活用すると、メリットだけでなく、以降の新規借入が出来なくなるなどのデメリットもあります。
<参考:債務整理の種類>
債務整理には、以下の種類があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
- 過払い金請求
それぞれの状況に応じて、債務整理を使いわけることになります。
債務整理の詳細はこちらで解説しています。
債務整理とは?
弁護士などの専門家に相談
債務整理は法律的な手続きが多くなります。
債務整理のうち、任意整理に関しては、裁判所は関係しませんが、複数の銀行や、消費者金融と、交渉する必要があり、不慣れな方には困難でしょう。
そのため、債務整理は、どの方法であっても、弁護士などの専門家に相談し、支援を受けながら行った方が良いでしょう。
無料相談を行っている弁護士もいますので、多重債務にお困りの方は、まずは、相談されてみるのが良いでしょう。
債務整理に不慣れな状態で単独で借入先と交渉を行ったり、裁判所の手続きを行っても、手続きや交渉が上手く進まない可能性が高くなります。
これでは、気付かないうちに、せっかくの債務整理の機会を台無しにしてしまう可能性もあります。
こちらからWEB無料相談
債務整理の相談場所
完済後が重要
うまく借金を完済できた後は、その後、再度借金問題に苦しまないようにしていくことが重要です。
借金は全てが駄目と言う訳ではありません。
一時的な必要や、住宅ローンなど、借金を活用しないといけない場合というのもあります。
大切なのは、借金とうまく付き合うことです。
まとめ
多重債務や、借金の返済負担に悩んでいる方に、おすすめしたい「借金の完済」方法をご紹介しました。
借金を完済するために大切なのは、現状を正しく把握して、今後の返済計画を考えることです。
そのうえで、ご自身だけの返済能力で、借金の完済が難しいなら、弁護士などの専門家に相談して、借金自体を減らすことも大切です。
まずは、ご自身の状況把握から始めてみましょう。
債務整理の関連記事