債務整理中でもお金を借入する必要があることがあります。
債務整理するにも、費用の高い弁護士や、司法書士に支払う手数料も必要です。債務整理してからの当面の生活費も必要です。
さらに、債務整理すると、それまでに持っていたカードローンなどは当然使えなくなります。こんな時、債務整理中でも、それ以外の新しいカードローンを作って借入することができるのか、知っておきたくありませんか?債務整理中の借入について解説します。
そもそも債務整理ってなに?
最初に債務整理がどういったものかを確認しておきましょう。銀行からの借入を延滞している人、自己破産したことのある人、自己破産後に時間が経っている人など、ご自身がどういった状況にあるのかを正しく理解できるようにしておきましょう。
債務整理というのは、その時点で借入しているものを整理して、借金返済の問題を抜本的に解決する手段です。そして、この場合の整理というのは、主に以下の2つ方法を表しています。
①返済方法を見直す
②返済額を見直す
そのための、債務整理の主な方法には、任意整理、個人再生、自己破産といった方法があります。借入額が過大になりすぎて、いくら頑張って払っても完済できる目途が立たない時に、債務整理によって、返済方法、返済額を見直して完済を目指すわけです。
*関連:債務整理ってなに?
そのため、債務整理を言い換えると、お金を借入している先である銀行や、消費者金融に損させたり、迷惑を掛ける行為であるとも言えます。迷惑を掛けるわけですから銀行や消費者金融から嫌わます。
債務整理の方法によっては、借入した元本の一部を「免除(つまり返済しない)」してもらうことになります。債務整理が借入している銀行や、消費者金融に損をさせることは大きなポイントになります。銀行などに損をさせたわけですから、銀行からしてみれば以降は絶対に融資をしたくない相手になってしまいます。
債務整理中の借入は原則難しい
債務整理中の借入は簡単ではありません。前述の通り、債務整理を行った方とは、銀行などの金融機関にとって返済に問題があったり、そもそも損をさせられた相手になります。金融機関にとって、貸したお金を返してもらえないと損をしますので、そういった相手には原則貸しません。
そのため、債務整理を行った方が新規借入する場合、債務整理を行ったことをばれないようにするか、債務整理でも貸してくれる相手を見つける必要があります。
しかし、債務整理を行ったことをばれないようにするのは非常に困難です。銀行や消費者金融から新規で借入する際の審査において、銀行などは必ず個人信用情報を確認します。
個人信用情報とは借入申込人の借入状況が確認できる調査情報です。
個人信用情報を確認することで、借入残高や、延滞有無、債務整理の履歴などが判明します。そして、個人信用情報の確認で、延滞や、債務整理が判明すると、ほぼ間違いなく、審査におちることになります。
そのため、個人信用情報に債務整理に関する情報が掲載された時点で、債務整理中の借入は困難となります。
時間差でばれないこともある
借入の延滞や債務整理といった情報は個人信用情報に登録される情報です。しかし、個人信用情報と言ってもリアルタイムで債務整理や、延滞に関する情報が更新されるわけではありません。
通常、初めて延滞開始してから個人信用情報に反映されるまでには数か月程度の時間差があります。
銀行や、消費者金融では、延滞が開始されても、入金忘れが理由のものや、間違いが原因となっていることをあります。前述の通り、個人信用情報に一旦登録されると新規借入が難しくなります。こういった誤解やミスによる延滞などを個人信用情報に登録してしまうと、後日、トラブルになってしまう危険性があります。
そのため、ある程度状況を確認して、明確な延滞を確認した後でなければ、個人信用情報に登録しません。延滞開始後も、すぐに個人信用情報に登録されるわけではないのです。
借入できる可能性もある
既存借入に対して延滞を開始していたり、債務整理を申し立てしても、個人信用情報に登録されるまでの時間内であれば、新規借入を申込する銀行や、消費者金融に対して、債務整理に関する情報がばれない可能性があります。
個人信用情報で延滞や債務整理がばれなければ、債務整理中であっても借入できる可能性があります。
銀行などの金融機関も初めて借入申込を受けている申込人で、延滞や債務整理のことを自己申告されない相手の場合、個人信用情報に登録されていないければ、そのことを知ること自体が難しいのです。
借入額が多いと借入出来ない
債務整理を申し立てする方の借入は金額的にも大きくなっている可能性があります。
そもそも、ある程度、借入金額が大きくて、返済を継続することが困難であると認められなければ、債務整理も認められません。
通常、カードローンなどでは、年収の3分の1を超える金額を借入することができません。この年収の3分の1というのは、借入申込する先だけでなく、既に借入している銀行などがあれば、そちらの残高も合算したうえでの合計額となります。
そのため、延滞や、債務整理がばれなくても、既存の借入額が年収の3分の1を超えてしまっていると、それだけで新規借入申込に対する審査には通らなくなる可能性が高くなります。
*関連:総量規制とは?
つまり、逆に言えば
①既存借入が年収の3分の1を超えていない
②延滞や、債務整理の開始から日が浅く(数日以内など)、個人信用情報に、その事実が反映されていない期間内
以上の2つを満たしていれば債務整理中であっても新規で借入できる可能性はあります。
債務整理で相談できる法律事務所
債務整理を成功させることが重要
債務整理中に借入ができるかどうかを考えるにあたって、忘れてはいけない最も大切なことが「債務整理を成功させる」という目的です。
債務整理が成立しないと、既存の借入に対して完済できる目途が立たなくなってしまいます。そうなれば、借金、借入を抜本的に解決することも出来なくなります。
債務整理が成立すると、元本の一部を免除してもらえるなど借入人に大きなメリットがあります。いくら債務整理中の新規借入ができたとしても、結果として債務整理に悪影響を与えてしまうのでは意味がありません。
債務整理を成立させたうえで、そのうえで、債務整理中の新規の借入ができるかどうかが重要なポイントとなります。
債務整理中の借入は危険
結論から言えば、債務整理中の借入は非常に危険です。できれば、債務整理中の借入はさけるべきです。
進行中の債務整理に対して、悪影響を与える可能性が高くなります。新規借入をしようとしている、もしくは新規借入したことが、既存の債権者や、代理人として依頼している弁護士などに判明すると、債務整理がストップする可能性があります。
少なくとも、債務整理の手続きに参加している金融機関からすれば、あらたに借入した新規の銀行や、消費者金融も債務整理に加えるべきと主張するでしょう。
そもそも、債務整理中で、返せる見込みがないにも関わらず、新規借入するような「悪質な」借入人の債務整理に協力したくないという意見が出る可能性もあります。
一方、新規借入した銀行や、消費者金融からすれば、既に債務整理の手続きを開始していて、「返済できる目途が無い」ことが判明しているにも関わらず、「債務整理中であるという事実を隠して」、騙して融資を引き出したということで、詐欺として訴えられる可能性もあります。
債務整理は金融機関の同意が必要
債務整理のうち、任意整理や、個人再生は、既存の借入先である銀行や、消費者金融などの金融機関から、債務整理に対する同意が必要です。
どれだけ事前に協議しようが、最終的に金融機関の同意が得られなければ、債務整理は成立しません。そのため、金融機関の印象を大幅に悪化させてしまう、債務整理中の新規借入は、「致命的な事実」になる可能性が高いでしょう。
債務整理中にも関わらず、新規借入していることが判明すると、金融機関の印象を大幅に下げます。金融機関に返せる見込みが無いにも関わらず、「騙して借入する相手」と見なされてしまい、債務整理に対して賛成してもらえる見込みがなくなってしまいます。
銀行は実務としての借入の回収だけでなく、「建前」や、「公共的な見地」も大切にします。
そのため、「悪質」と判定する相手への協力を拒みます。
自己破産にも悪影響
債権者からの同意が不要な債務整理に自己破産があります。
自己破産は、裁判所の許可が得られれば進行しますので、債権者からの同意がなくても手続きは可能です。
しかし、自己破産も手続き中に新規借入することで進行がストップする可能性があります。
債務整理中の新規借入は、裁判所に対する印象も悪化させます。裁判所としても、「返済ができないから自己破産を望んでいるのに、その過程で、さらに新規借入する」ということを悪質と判断する可能性があります。
裁判所が悪質と判断すると、最終的に、破産免責が認められない可能性があります。
破産免責が認められないと、いくら自己破産しても借金が無くならないということです。
弁護士や司法書士にも影響
債務整理は、本人だけで金融機関と交渉するのは難しく、通常、弁護士などの専門家に代理人となってもらいます。債務整理中に新規借入するということは、債務整理の代理人となる弁護士や、司法書士にも影響します。
これらの専門家は、当然、債務整理中に借入をしようとしていることを知っていれば、反対しますし、止めるでしょう。
本来、既存の借入先との間で債務整理を進めているなかで、さらに新規借入をしたとなると、債権者、裁判所を裏切るような行為となります。債務整理の代理人として、そういったことを知っていたにも関わらず借入を止めなかったとなれば大問題であり、専門家としての信用を失ってしまいます。
そのため、債務整理中の借入がばれてしまうと、代理人から契約を解除されてしまう可能性もあります。
そこから別の方を探すのは非常に困難となるため、せっかくの債務整理を進められなくなる可能性もあります。
債務整理中の借入はばれる?
ここまでの話を整理すると、債務整理中でも借入できる可能性はありますが「債務整理中の借入がばれる」と、債務整理自体が破綻してしまう可能性が高いということになります。
では、債務整理中に借入したという事実はばれるものでしょうか。
最近は、個人情報保護にも厳しく、新規借入したという事実が簡単にはばれにくいという可能性もあります。銀行や消費者金融にばれる可能性としては、個人信用情報を見られてしまう可能性が考えられます。
しかし、個人信用情報は銀行や消費者金融であっても無制限に取得することはしません。新規借入時の審査ではもれなく確認しますが、この時は借入申込書などで個人信用情報を取得することに同意を得たうえで行っています。
また、新規融資であれば審査に個人信用情報は必要ですが、既に貸出を行っている先の確認としては、それほど個人信用情報を確認する訳でもありません。
但し、新規借入時の契約内容にて、銀行として債権を保全するために必要な個人信用情報の確認を行って良いという同意を得ているため、取得ができないということではありません。金融機関としては融資先に対する調査として個人信用情報を確認する可能性もあります。
そのため、ばれてしまう可能性があるということは知っておいた方が良いでしょう。
また、債務整理中は資産内容を、代理人弁護士を通じて金融機関に報告しています。現在の資産、収入を報告して、今後、払える金額を協議するためです。
その中で、「無いはずの資金」があると、ばれてしまう可能性もあります。
預金残高が多かったり、拠出できないはずの費用が払えたり、ばれてしまう可能性は少なくないでしょう。
給料債権ファクタリングなら可能
なお、ここまで債務整理中の新規借入の可否について解説してきました。しかし、債務整理中とは言え、お金が必要となることはあるでしょう。
緊急の資金使途や、そもそも債務整理を正式に弁護士などに依頼する場合には費用もかかります。また、借金問題に悩まされているなかで、十分に仕事ができなくなってしまっていることも想像されます。
こういった時の対処法として「給料債権ファクタリング」の利用があげられます。
給料債権ファクタリングとは給料の前借りのような性質を持った資金調達方法です。そもそも、ファクタリングというのは借入ではありません。ファクタリングとは将来お金を受け取る権利を売却することによって、お金を受け取る権利の期日前に前倒しして受け取る方法です。
現在、就業されていて定期的に給料の受け取りがある方の場合、この月額の給料の範囲内であれば給料ファクタリングで実質的な給料の前借をできる可能性があります。
なお、給料ファクタリングは借入ではありませんので、利用しても個人信用情報に登録されることはありません。そのため、個人信用情報を通じて銀行などに借入がばれるということはありません。また、給料ファクタリングは借入ではなく、そもそも給料を本来の期日前に受け取る方法であって、問題となる可能性も低くなります。
▼給料債権ファクタリングの申込
また、給料債権ファクタリングは借入ではありませんので、ブラックリスト、債務整理中、延滞中といった方でも利用できます。就業されていて、毎月受け取る給料があれば、利用しやすく、お金を調達できるのが給料債権ファクタリングの特徴となっています。
▼関連:給料債権ファクタリングとは?
まとめ
債務整理中の新規借入ができる可能性はあります。
そのポイントは、①既存の借入総額が年収の3分の1を超えていない、②既存の借入に対する延滞、債務整理の申し立てから日が浅く、個人信用情報に掲載されていないということの2点です。
しかし、債務整理中の借入は、せっかくの債務整理自体を駄目にしてしまう可能性が高く、非常にリスクの高い行為です。
一度債務整理が頓挫してしまうと、その後、再度債務整理を行うことも困難となるでしょう。そんな危険性を持った債務整理中の新規借入は避けるべきです。
なお、給料債権ファクタリングであれば借入ではありませんので、問題視されることなく、お金を調達できる可能性があります。
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