ファクタリングは中小企業や個人事業主を中心として近年拡大している資金調達方法です。
銀行融資への過剰依存を回避する方法としても注目されています。
しかし、ファクタリングを活用して調達できる上限額はいくらなのでしょうか。
調達できる上限額が解らなければ利用するのも不安になってしまいます。
- ファクタリングで調達できる金額の上限
- 調達できる金額の上限を増やす方法
- 上限額の大きいファクタリング会社
今回はファクタリングの資金調達限度額(買取可能額)について解説します。
ファクタリング会社別の限度額
ファクタリングで調達できる限度額(ファクタリング会社の買取可能額の上限)は、利用するファクタリング会社によっても異なります。
買取可能額はファクタリング会社ごとに個別に設定しているためです。
ファクタリング会社別の買取可能額上限の一部を例示すると以下になります。
<買取可能額(上限)の一例>
会社名 | 買取可能額(上限) | 利用可能な方 |
三共ファクタリング | 1億円 | 法人 |
ビートレーディング | 3億円 | 法人・個人 |
MSFJ | 5,000万円 | 法人・個人 |
資金調達ガイド | 3億円 | 法人・個人 |
トラストゲートウェイ | 5,000万円 | 九州にある法人 |
日本中小企業金融サポート機構 | 非公表 | 法人・個人 |
えんなび | 5,000万円 | 法人 |
上記のようなファクタリング会社を利用すれば、5,000万円~最大3億円までの資金調達ができることになりますが、それで安心してはいけません。
こちらでご紹介した買取可能額の一覧は、各ファクタリング会社の最大買取可能額(上限)であって、実際にファクタリングを利用する方の全てが同様に上限額まで利用できるわけではありません。
ファクタリングを利用するにあたって、利用者それぞれの買取してもらえる上限額はファクタリング会社が個別に設定します。
そのため、ファクタリング会社が買取可能額を決める根拠について確認しておきましょう。
5つのポイントで上限が決まる
ファクタリングの買取可能額は5つのポイントをもとに決定されます。
買取可能額の上限を決める5つの要素は以下です。
- 保有している売掛金の額
- ファクタリング掛目
- 債権の信用力
- 売掛債権の数
- ファクタリングの利用実績
それぞれのポイントについて、どのように買取可能額の上限に影響するのか、詳細を解説しましょう。
保有している売掛金の額
ファクタリングは銀行融資などの借入と異なり、売掛債権を売却することによる資金調達方法です。
そのため、ファクタリングの買取可能上限額は、売掛金の残高以下に限定されます。
売掛金の残高以上の資金調達を行うことはできません。
また、売掛金の額を超えて資金調達することができませんので、そもそも売掛金を保有していない方は、ファクタリングを利用することもできません。
ファクタリング掛目
また、ファクタリングで売掛金を買い取ってもらう際には、「掛目」の存在を忘れてはいけません。
ファクタリングの掛目というのは、保有している売掛金のうち、ファクタリングによって買い取ってもらえる上限割合を指します。
仮に、ファクタリングの掛目が80%、保有している売掛金が500万円であれば、ファクタリングによって買い取ってもらえる上限額は400万円(=500万円×80%)となります。
掛目は、ファクタリングを利用する売掛金に不備があったり、請求できないものが紛れ込んでしまうような事態を回避するために設定されています。
そして、ファクタリング掛目の相場は50%~80%程度といった水準になります。
もちろん、残りの20%部分の売掛金はファクタリングによって買い取っていませんので、取引先から代金を回収した後は、ファクタリング会社ではなく、ファクタリング利用者が受け取る金額になります。
ファクタリング会社に支払うのはあくまでも掛目部分のみになります。
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売掛金の信用力
ファクタリング会社が利用者ごとの買取可能額(上限)を設定する際に、参考とする重要なポイントの1つが、売掛金の信用力です。
売掛金の信用力とは、売掛金を実際に支払う取引先の支払い能力を指します。
とは言っても、銀行融資の審査のように、取引先から決算書類などの様々な情報を得ることは通常できません。
そのため、ファクタリング会社が売掛金の信用力を評価する要素は以下のようになります。
- 会社規模の大きさ(上場、大企業など)
- 公的な企業
- 利用者との取引歴が長い会社
- 業歴な長い会社
- 有力なサービスで知名度のある会社
上記のような要素に該当していて、売掛金の支払いが問題なく行われると評価されれば、売掛金の買取可能額の上限も高くなります。
一方、逆に要素に当てはまらず、取引先の信用力が低いと判定されると、買取可能額の上限が低く設定され、ファクタリング掛目を50%程度に下げられてしまうこともあります。
売掛債権の数
ファクタリング会社に同じ金額の売掛金を買い取り依頼される場合、(1)特定の取引先1社に対しての大口の売掛債権を売却する場合と、(2)複数の取引先に分散された売掛債権を売却するのではどちらが有利になると思われますか。
- 例)500万円×1社(特定の1社向けの売掛金)
- 例)100万円×5社(複数の会社にまたがる売掛金)
ファクタリング会社の多くは、複数の会社の売掛金に分散されている方を好む傾向があります。
つまり、100万円×5社の売掛金のほうが好まれて、より大きな金額を買い取ってもらいやすくなります。
取引先が複数になると、ファクタリング会社としても複数の会社の信用力を評価する必要がありますので審査や事務手続きに手間暇はかかります。
しかし、どれか1社が資金繰り破綻してしまうなど、支払が行われなくなっても、買い取った売掛金の全額が回収不能になるわけではなく、回収リスクは低くなります。
一方、500万円の売掛金×1社であれば、対象となる取引先が破綻すれば全額の回収が出来なくなるかもしれません。
これはファクタリング会社にとってもリスクの高い取引となります。
そのため、ファクタリングの買取可能額(上限調達額)を増やしたいと考えているなら、複数の取引先を含めて買取依頼を行うのが良いでしょう。
ファクタリングの利用実績
最後は、ファクタリングの買取可能額に影響する最も基本的な点です。
ファクタリングを利用する会社や個人の多くは資金調達を急いでいます。
そのため、ファクタリング会社は短い時間で対象となる売掛金や、支払う取引先の調査を行う必要があります。
短い期間で審査を行わないといけないので、十分な調査が行えないこともあります。
また、ファクタリング利用者のなかには、破綻することが解っている信用の悪化した売掛金をファクタリング会社に譲渡しようとする悪質な利用者も存在しています。
こういった状況のなか、ファクタリング会社としても、騙されて損してしまわないように、初めてファクタリングを利用される方に対しては保守的に取引を行う傾向があります。
つまり、初めて申込する利用者向けの買取可能額をあえて低く設定します。
そして、何度かファクタリングの利用を行って、悪質な利用者でないことを確認できてから、徐々にファクタリングの買取可能額の上限を高くしていくのです。
こういったファクタリングの利用実績はファクタリング手数料にも影響します。
ファクタリング会社はリスク回避のために、初めて利用する方には高めの手数料を設定する傾向があります。
そして、複数回のファクタリング申込を受け、利用者に問題が無いことを確認したうえでファクタリング手数料を下げていくのです。
ファクタリングの買取可能額や、手数料で有利な条件を引き出すためには、これと決めたファクタリング会社を継続的に利用する必要があります。
利用実績が積み重なっていくことで有利な条件が得られるということを知っておきましょう。
おすすめファクタリング会社
ファクタリングの買取可能額を増加させるためには、今回ご紹介したポイントをおさえて準備することと、そもそもの買取可能額が大きいファクタリング会社を利用することです。
さらに、評判の良い、安心・安全なファクタリングを利用することも大切です。
以下、評判の良い優良ファクタリング会社のなかでも、当サイトが得におすすめするファクタリング会社を4社ご紹介します。(ファクタリングの相談は、2~3社を同時並行で相談されるのが大切です)
ビートレーディング
最大買取可能額:3億円(業界トップクラス)
ビートレーディングは、知名度・口コミ評価でNo.1の人気ファクタリング会社です。
また、法人企業だけでなく、個人事業主・自営業者の利用も可能や、債権譲渡登記が不要など、かなり利用しやすく、メリットの多いファクタリング会社です。
どこに相談するか悩まれるという方は、とりあえずビートレーディングも加えておかれるのがおすすめです。
☆ファクタリング業界で最も知名度・利用実績が豊富
☆全国対応可能
☆かんたん5秒の簡易診断サービスあり!
適用金利・手数料など | 2%~(ファクタリング手数料) |
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所要時間 | 最短即日での現金化 |
その他優遇など | 2社間・3社間ファクタリングも利用可能 |
資金調達限度額 | 3億円 |
利用できる方の条件 | 個人事業主・法人ともに可能 |
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GMO PAYMENT GATEWAY(GMOペイメントゲートウェイ)
GMOペイメント ゲートウェイはファクタリング会社のなかでは珍しい東証一部上場会社です。
そのため、ファクタリングを利用するのが初めて、慣れていないという方にも安心して利用できるのが特徴です。
さらに、GMOペイメントゲートウェイの「GMO BtoB」(ファクタリングサービスの名称)は、ファクタリング業界でも最低水準の手数料に設定されています(手数料率1.0%~、上限でも12.0%)ので、費用を抑えたい方にも十分満足できる手数料と言えるでしょう。
なお、GMO BtoBの現金化までの時間は最短2営業日です。
こちらもファクタリング業界トップクラスのスピードと言えるでしょう。
☆東証一部上場会社のファクタリング【GMO BtoB 早払い】
☆2社間ファクタリングでも手数料は業界最低水準
☆全国対応
☆利用は法人企業のみ
適用金利・手数料など | 1.0%~10.0%(ファクタリング手数料率) |
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所要時間 | 最短2営業日 |
その他優遇など | 2社間・3社間ファクタリングも利用可能 |
資金調達限度額 | 1億円 |
利用できる方の条件 | 法人のみ(個人事業主は利用不可) |
MSFJ
最大買取可能額:5,000万円
MSFJは、法人・個人事業主のどちらでも利用できるファクタリング会社です。
5,000万円までの大口ファクタリングはもちろん、100万円未満の小口ファクタリングにも積極的に対応してくれます。
さらに、100万円未満のファクタリングならスピード審査・即対応が可能ですので、即日資金調達できる可能性も高いのが特徴です。
MSFJの特徴はファクタリング手数料比率が明確であることです。
業界トップクラスに低い水準でもあるため、安心して利用しやすいことです。MSFJのファクタリング手数料の基準は以下となります。
<MSFJの特徴>
商品種類 | プレミアムファクタリング | クイックファクタリング |
調達可能額(上限) | 5,000万円 | 300万円 |
ファクタリング手数料 | 1.8%~6.8% | 3.8%~9.8% |
審査スピード | 最短1営業日 | 原則1営業日 |
MSFJのプレミアムファクタリングならファクタリング手数料は最大でも6.8%です。
もちろん、MSFJでは2社間ファクタリングの利用も可能ですので、取引先に知られることなくファクタリングを利用することができます。
このMSFJのファクタリング手数料率の水準は業界トップクラスです。
さらに、ファクタリング会社のなかで、手数料率の上限を示している会社はMSFJを除いてほとんどいません。
手数料率の上限を示しているのは、MSFJがかなり信頼できる会社の証拠と言えるでしょう。
☆業界最低水準の手数料率
☆スピード審査に対応
☆他社からの乗り換えも可能
適用金利・手数料など | 1.8%~9.8%(ファクタリング手数料率) |
---|---|
所要時間 | 最短1営業日での現金化 |
その他優遇など | 手数率は業界最低水準で審査通過率90% |
資金調達限度額 | 30万円~5,000万円 |
利用できる方の条件 | 個人事業主・法人ともに可能 |
OLTA
- 急成長中のファクタリング会社
- 大手金融機関と業務提携
- ファクタリング手数料2.0%~9.0%の範囲内
- 信頼性が高く、安心して利用できる
- 日経新聞などのメディアでも紹介多数
OLTAは近年、急成長中のファクタリング会社です。大手金融機関との業務提携も多く、信頼性が高いファクタリング会社という特徴があります。
OLTAのファクタリングサービスは「クラウドファクタリング」と呼ばれています。
クラウドファクタリングとは、一般的なファクタリング会社で「2社間ファクタリング」と呼ばれているものです。
しかし、一般的な2社間ファクタリングに比べて、手数料水準は圧倒的に低いのが特徴です。
OLTAのファクタリング手数料は2.0%~9.0%の範囲内です。
2社間ファクタリングでもこの水準ですし、利用実績に応じて手数料が下がっていく「優遇制度」が採用されています。
そのため、最初は9.0%のファクタリング手数料になったとしても、次第に手数料率は下がっていくことが期待できます。
しかし、OLTAのファクタリングサービスには、「面談不要」「インターネット上の自動化された手続き」「安心の手数料設定」という特徴があります。
OLTA基礎データ
利用できる方 | 法人企業/個人事業主 |
赤字・債務超過 | 利用可能 |
税金滞納中 | 利用可能 |
対応地域 | 全国可能/WEBで手続き完結 |
買取期間 | 最短24時間で買取可能・スピード査定対応 |
取引先への通知(注) | 通知無も可能(2社間ファクタリング) |
担保・連帯保証人 | 不要 |
買取可能金額 | 上限設定なし(売掛金の範囲内) |
ファクタリング手数料 | 2.0% – 9.0% |
ビジネスローンも検討
ファクタリングを利用するためには「売掛金」の存在と取引先の信用力が重要です。
そのため、ファクタリングで資金調達したいと思っても、売掛金を保有していない、もしくは保有が少ない事業者は利用できないというデメリットもあります。
さらに、売掛金は保有していても、売掛金の信用力が低い場合や、個人向け債権が大部分を占める場合にも、ファクタリングの利用は難しくなってしまいます。
こんな時に利用がおすすめなのがビジネスローンです。
ビジネスローンは貸金業者と呼ばれる正規の免許を取得した金融業者が行っている融資です。
銀行融資に比較して、審査に通りやすく、審査スピードも速いのが特徴です。
もちろん、ビジネスローンなら、売掛債権を保有していなくても利用可能ですし、ファクタリングに劣らないほど、スピードの速い審査も可能です。
☆事業者向けビジネスローン
☆アイフルグループ
☆急な資金調達に対応可能
☆無担保・無保証(第3者保証)
☆年会費/保証料不要
借入可能額(最大) | 1,000万円 |
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適用金利・手数料など | 3.1%~18.0% |
その他優遇など | カードローンタイプでいつでも自由に借入可能・年会費/保証料不要 |
まとめ
ファクタリングの利用を検討されている方にとって、ファクタリングでいくらまで資金調達ができるのかという「買取可能額(上限)」は重要な要素になるでしょう。
ファクタリング各社はホームページ上などで「最大買取可能額」を公表していますが、全ての利用希望者がこの上限額を利用できるわけではありません。
各ファクタリング会社は、この最大買取可能額の範囲内で、様々な要素をもととして、利用者ごとの買取可能額を設定しています。
そのため、少しでも資金繰りに利用できる金額を増やすためには、買取可能額上限に影響する要素をおさえておくことが大切になります。
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