人手不足が深刻な現在、より良い環境を求めての転職は利用しやすい状況になっています。
転職は、働く環境が良くなり高い給料を手にするチャンスであると言えます。
住宅ローンの審査が通った段階で、より良い給料を求めて転職を考える人もいます。
果たしてこれは良い判断なのでしょうか。ここでは住宅ローンの審査が通った後に、今いる仕事を転職したり退職したりすることについてのリスクについてご紹介します。
住宅ローン契約の流れ
そもそもまず住宅ローンはどのような流れで契約に至るのでしょうか。
住宅ローンを組む前に購入したいと考える物件についての売買契約を結んでおく必要があります。
売主との間で売買契約が結ばれ、その履行に向かって準備している期間に、物件の購入代金を用立てるために住宅ローン契約を結ぶというのが不動産購入の一般的な流れです。
住宅ローンを契約して購入し、お金を借りいれるためには大きく分けて次の四つのステップがあります。
住宅ローンの事前審査
まずは住宅ローン契約の事前審査を行います。年収や勤続年数などを借入の審査に必要な情報を金融機関に提示することで借入の希望金額まで借りることができるのか、おおよその目安を知ることができます。事前審査は早ければ、2-3営業日で完了します。
住宅ローンの本審査
事前審査を通ることができれば、次には住宅ローンの本審査に移ります。
本審査では前年度の年収を金融機関に提示する為に源泉徴収票を提示します。
その他、住民票や売買契約書などの申込に必要な書類一式を金融機関に提出します。
これらは全て借り入れの信用状況を確認するために使われています。本審査には概ね2週間程度かかります。
金銭消費貸借契約書の締結
晴れて本審査を通ることが出来れば住宅ローンの契約を締結します。
ここで重要なのは住宅ローン契約というのは借入金が振り込まれた時点で契約が成立するということです。
すなわち契約のための書類を取り交わした段階ではまだ契約が成立していないので、状況によっては借入金が振り込まれない可能性もあります。
住宅ローンの実行(振込)
こちらが今回のテーマである審査完了後の転職もしくは退職のリスクについてきますので後ほど詳しくご説明します。
住宅ローン契約の履行とは、借入金の融資が実行され、住宅購入代金の決済と購入物件の鍵屋引きを刺された瞬間です。
以上大まかに住宅ローン契約の流れについてご紹介しました。
それでは、住宅ローンの本審査が完了した時点で転職もしくは退職することについてはどのような事態に陥ってしまうのでしょうか。
本審査完了後で転職・退職するとばれる?
住宅ローンの申込時点で就業していれば、その後に転職、退職してもばれないのではないかと考える方も多くいるようです。
しかし、結論から言えば本審査後の転職・退職もばれる可能性が高いです。
転職・退職などの離職が銀行にばれるのには理由があります。
本審査が完了した後で住宅ローン契約を締結する時に、借入を希望する人は金融機関に対して運転免許証や健康保険証の提示を求められます。
見落とされがちなのが、金融機関に対して健康保険証を提示することです。
金融機関は健康保険証の発行日を確認します。これによって借入希望者の勤務年数の裏付けを取っているのです。
住宅ローン契約の書類を提出した段階では自己申告であった勤続年数も、健康保険証を確認することで実際にその年数であるのかという裏付けを取ることができます。
従って本審査が完了した時点で転職もしくは退職してしまうと、健康保険証で勤続年数が変わってしまったことが金融機関にバレてしまいます。
では、転職や退職によって勤続年数が当初提示したものと違うことが判明した場合にはどのようなリスクがあるのでしょうか 。
住宅ローン審査後の転職・退職の3つのリスク
住宅ローン審査終了後、もしくは契約後の転職・退職によるリスクをそれぞれ説明していきましょう。
転職・退職を考えている方は発生するリスクをしっかりと理解しておきましょう。
購入資金の借り入れができなくなる
住宅ローン契約は平たく言ってしまえば借金です。
そして借金を行うときにはどんな金融機関であっても必ず、借りた人がきちんとその借金を返してくれるのかどうか見極める必要があります。
金融機関がこれを見極めるために借入希望者に対して提示をすることを要求しているのが、勤務先や勤続年数、クレジットカードの利用履歴などに代表される信用情報です。
これらの情報をもとにして、たとえお金を貸したとしても返ってくる見込みがあると判断された時に住宅ローン審査で融資実行の判断が下され、晴れて物件の購入代金を借り入れすることができます。
従って審査が完了したからといって転職や退職をしてしまうと、貸し手側である金融機関はお金を貸すと判断した前提条件が崩れてしまいます。
金融機関からしてみれば、新しい職場に移ってしまうとその職場できちんと働き続けることができるのかどうか判断することができません。
従って、転職・退職によって住宅ローン審査の前提条件が崩れてしまった以上、金融機関は購入資金を振り込む前に再度審査を行うよう要求してきます。
転職してしまうと勤続年数が短くなってしまうこともあり、場合によっては住宅ローンの契約が解除されてしまう可能性もあります。
すなわち購入資金の借り入れができなくなることを意味します。
このため一生に一度の大きな買い物である住宅購入のチャンスを逸してしまう恐れすらあります。
借入ができても希望金額に足りない
本審査が完了した後で転職もしくは退職してしまうと再度審査が要求させることは、上でも述べました。勤続年数が少なくなることによって住宅ローン契約自体が出来なくなってしまうリスクに加えて、年収が下がることによって希望していた金額よりも少ない金額しか借入ができないというリスクもあります。
転職・退職をしてしまうと住宅ローン審査の段階では1年分のお給料が確定してない状態で審査を受けることになります。
その場合には過去一か月分の給料を12倍することによって年収として金融機関は審査を行います。
もちろんこの数字にはボーナスが含まれないことから、前の職場で提示していた年間のお給料額よりは少ない金額で審査が行われる可能性が高くなります。
そのため住宅ローンの借り入れができたとしても希望金額に満たないというリスクが発生します。
当然借入希望額に手が届かなければ、物件購入の大きな障害になることは言うまでもありません。
ローン特約が使えなくなる
住宅ローンの審査が通った段階で転職してしまうリスクの3つ目は、「ローン特約」と言う物件購入の売買契約の特約を使えないことです。
通常、物件購入の売買契約の締結のための準備と同じ段階で住宅ローンの審査を行うことになります。
購入希望者が住宅ローンの審査をうけている間に物件の売主は売買契約の履行に向けて準備を進めています。
ここで金融機関が住宅ローンの審査を通さず、購入希望者が住宅ローンを組めないと判断された場合には、購入希望者には違約金なしで売買契約の解除をすることができるというのが住宅ローン特約です。
通常の不動産購入においては、売買契約でローン特約が組まれます。
ローン特約があることによって、住宅ローンの審査に落ちた場合には、手付金として売主に支払ったお金も戻ってきます。
一方、住宅ローン契約の本審査が完了した状態で、 後から転職や退職をしたことによって銀行から借り入れができなくなり、物件購入の資金調達に目処がつかなくなるとローン特約を使うことができません。当然ながら資金調達がうまくいかないのであれば物件の売買契約は成立しません。
結果的に購入希望者は不動産の売買契約を履行できませんので住宅を購入できなくなります。
さらに、売買契約で定められた違約金を支払ったり、既に支払った後の手付金を返してもらえないという損を被ることになります。
転職・退職しても良い時期は?
それでは、住宅ローン借入をする人が転職・退職を行っても良い時期はいつになるのでしょうか?
もしかして、住宅ローンの借入を行った後も、完済前に離職すると銀行から契約違反として一括返済を求められるなどの影響はあるのでしょうか?
その心配はありません。
住宅ローンの契約を済ませ、実際に銀行から住宅ローン融資の入金を受けた後であれば、転職・退職しても問題ありません。
銀行としては住宅ローンを借入した人に安定して返済を行ってもらいたいですので、離職することに良い印象を持たないでしょう。
しかし、銀行としても、住宅ローンを借入したからと言って、その後の就業に関して条件を付けることまではできません。
銀行としては、融資した住宅ローンを契約条件に従って返済を続けている限りに、離職しても文句を言うことはできないのです。
そのため、一旦銀行から住宅ローン融資が行われ、実際にお金が入金されれば、その後の転職・退職は自由に行うことができます。
資金計画を立ててから転職
住宅ローン融資が行われた後であれば、転職・退職しても問題はありません。
しかし、転職・退職時にはしっかりとした資金計画を立てておくことが大切です。
銀行との契約違反にならないからと言って、安易に転職、離職してしまうと、収入が減ってしまって住宅ローン返済ができなくなってしまうことがあります。
「そんなつもりではなかった」とは言っても、転職後の仕事で上手く結果が出せずに、「賞与(ボーナス)」が減ってしまったり、仕事があわずにさらに転職・離職をせざるを得ないということもあり得ます。
そうなってしまっては住宅ローン返済に支障がでて、せっかく購入した自宅を売却せざるを得なくなることもあります。
そういった失敗の無いよう、しっかりと資金計画をたてたうえで転職・退職を行うようにしましょう。
おすすめ住宅ローン
住宅ローンを借入する際には住宅ローン選びが大切です。
銀行選びを間違えると、支払額が増加して、大きな損をしてしまうこともあります。
以下に、現在利用がおすすめな住宅ローンをご紹介します。
住信SBIネット銀行
住信SBIネット銀行はネット専業銀行であり、住宅ローンの借入金利が業界トップクラスに低いことで有名な銀行です。
さらに、全疾病保証に無料で加入できますので、死亡・高度障害だけでなく、その他の理由で就業不能になった場合も、住宅ローンの返済義務を免除してもらえます。
なお、住信SBIネット銀行では、親子ペアローンや、夫婦ペアローン、収入合算などにも積極的に取り組んでいますので、親子でも借入しやすい住宅ローンと言えます。
申込・事前相談はこちらから
★住信SBIネット銀行の住宅ローン
★業界トップクラスの低金利
★新規購入時の通期変動金利は0.32%(2023年5月現在)
★全疾病保障保険の特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利0.32%(借り換え時 0.299%) ※所定の条件を満たした場合の通期変動金利となります※掲載金利は最大金利引下げ幅時の適用金利です。審査結果によっては、表示金利に年0.1%上乗せとなる場合があります。 |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 全疾病保障特約を無料で付加、一部繰上げ返済手数料無料 |
なお、住信SBIネット銀行はネット銀行のため、対面で相談しながら借入できないのがデメリットだと言われています。
特に、親子で住宅ローンを借入する場合など、良く相談して借入したい方も多いでしょう。
こういった方には、SBIマネープラザがおすすめです。
SBIマネープラザは対面相談しながら、住信SBIネット銀行と同条件の住宅ローンを借入できるサービスです。
なお、SBIマネープラザは店舗数が少ないため、以下から予約することが必須となります。
申込・事前相談はこちらから
★SBIマネープラザの住宅ローンサービス
★完全予約制ですのでまずはご予約ください
★ネット銀行の低金利を対面相談で利用可能
住信SBIネット銀行と同水準の低金利
全疾病保障特約を無料で利用できる
借入可能額(最大) | 2億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.41%、10年固定金利 0.53% (2021年7月時点) |
所要時間 | 申込から融資実行まで1ヶ月程度 |
その他優遇など | 団信・全疾病保障付(金利上乗せなし) |
三菱UFJ銀行(ネット受付専用)
三菱UFJ銀行は大手都市銀行です。さらに、三菱UFJ銀行は住宅ローンの取り扱い件数も13年連続で全国で1番多いと言われている銀行です。
つまり、日本で最も人気がある住宅ローンだと言ってもおかしくありません。
三菱UFJ銀行はネット申込であれば、店頭申込よりもかなり低金利で利用できるという特徴があります。
申込・事前相談はこちらから
☆三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローン
☆13年連続で日本で最も利用されている住宅ローン
☆変動金利 0.475%(2022年1月現在)
☆3年固定金利 0.34%、10年固定金利0.74%(2021年4月現在)
☆申込手続きなどはネットで完結
☆7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus>も利用できます
借入可能額(最大) | 1億円 |
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適用金利・手数料など | 変動金利 0.475%、3年固定金利 0.39%、10年固定金利0.74%(2022年1月現在) |
その他優遇など | 7大疾病保障付き住宅ローン ビッグ&セブン<Plus> |
住信SBIネット銀行(フラット35)
フラット35を借入するなら住信SBIネット銀行がおすすめです。
フラット35の借入はどこの銀行で借入しても同じではありません。
銀行毎で借入時の条件が異なりますので、少しでも条件の良い銀行を選ぶ必要があります。
住信SBIネット銀行の場合、フラット35を取り扱う金融機関のなかでもトップクラスに金利が低いことが特徴です。
申込・事前相談はこちらから
☆フラット35なら金利がお得な住信SBIネット銀行
☆長期固定金利で安心して借入できる
☆団信加入は任意で選択可能
☆審査規準が解りやすく利用しやすいのも特徴
借入可能額(最大) | 8,000万円 |
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適用金利・手数料など | 35年間固定金利 1.5%(2023年6月現在・保証型:自己資金10%以上) |
その他優遇など | 借入期間を通して固定金利 |
まとめ
住宅購入は一生のなかでも大きな買い物です。住宅ローンを組んだ段階ですぐにでもより高い給料が支払われる職場に移りたいというのは人の常です。
そこまで転職に対して強い欲求があるのであれば、住宅ローンの貸付が終わった段階で転職するのが良いでしょう。
先ほどもご説明したように、住宅ローン契約は借入金が振り込まれた時点で契約が履行されます。
一度借入金が振り込まれてしまえば、金融機関担当者は、その後借主が職を変えたかどうかについて追跡して調査することはありませんし、仮に解ったとしても住宅ローン借入後の転職・退職は借入人の自由です。
もちろん月々の返済額に滞りが生じてしまえば別ではありますが、多くの場合問題が生じません。
従って転職のタイミングは、住宅ローン契約が完了して購入し、お金が振り込まれた後ということが言えるでしょう。
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