最近ふるさと納税が人気を集めています。
テレビコマーシャル等の影響もあり、興味を持つ人も増えているようです。
さて、そんなふるさと納税ですが、他の減税措置と併用できるのか気になる方は多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では住宅ローン控除とふるさと納税を併用の仕方、そして注意点についてご紹介していきます。
この記事をお読みいただくと、住宅ローン控除とふるさと納税の節税効果を最大限発揮できるようになります。
住宅ローン控除とふるさと納税の基本的な知識
住宅ローン控除とふるさと納税は、どちらも支払った所得税、住民税を控除できる素晴らしい制度です。
上手に活用すれば、既に支払った所得税・住民税の一部が戻ってくる可能性があります。
既に住宅ローン控除を受けているという方でも、ふるさと納税を併用して控除を受けることが可能です。
まず初めに、住宅ローン控除とふるさと納税の制度詳細や違いから見ていきましょう。
住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除は、年間合計所得が3,000万円以下の個人の方が、住居用の住宅購入や増築、改築をする際に受けられる減税措置です。
具体的には、その住宅ローンの残高(12月31日時点での残高)の1%をその年の所得税から控除することが出来ます。
仮に、12月31日時点で住宅ローン残高が3,000万円であれば、所得税のうち30万円(=3,000万円×1%)の還付を受けることができるということになります。
ただし、住宅ローン控除では、所得税から控除できる金額に上限があり、一般的には40万円、認定長期優良住宅は50万円というようにばらつきがあります。
住宅ローン借入・住宅購入を行った年度や住宅の状況によって適用期間などの条件が変わりますので、より詳しい情報は国税庁HPをご覧ください。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、自分の好きな自治体を選んで寄付をすることで、ふるさと納税は寄付した金額の大部分に対して税金の控除が受けられるだけでなく、地域の特産品などを受け取ることが出来る公的な制度です。
ふるさと納税の対象地域である自治体は自分の生まれた場所を選べるのはもちろん、日本全国から好きな場所を選べるようになっています。
そのため、自分の欲しい特産品から寄付をする先を選ぶという方もいらっしゃいます。
ふるさと納税による具体的な減税方法は、寄付金額から2,000円を差し引いた金額が、その年の所得税および住民税から控除される仕組みです。
例えば10,000円を寄付したら、2,000円を引いた8,000円が控除されるということです。各自治体の用意しているお礼の品を見てみると、実際に購入すると2,000円以上の金額になりそうな品物が多数取り揃えられていることから、楽しく節税に取り組めるということで人気を集めています。
さて、ふるさと納税の魅力は分かりましたが、気になるのは所得税・住民税に対する控除金額の上限です。
ふるさと納税は控除手続きの方法によっても金額は変わってくるのですが、まずふるさと納税の申請を行うには「ワンストップ特例制度」を利用する方法と、確定申告を行う2つの方法があります。
どちらの控除手続き方法を選択するのかについては、次に詳しく説明しますが、住宅ローン控除と併用する場合気を付けなくてはならない点があります。
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住宅ローン控除とふるさと納税は同時に使える?
住宅ローン控除を活用していると、ふるさと納税を利用するのが難しいと言う方もいます。しかし、これは本当でしょうか?
結論から言えば、住宅ローン控除とふるさと納税は併用することで大きな節税効果を狙うことが可能です。
住宅ローン控除とふるさと納税は異なる制度ですので併用できます。
住宅ローン控除を利用していると、ふるさと納税は利用できないなどということはありません。
それでは、なぜ住宅ローン控除とふるさと納税の併用が難しいと言う方がいるのでしょうか。
それは、住民税と所得税自体の納税金額自体に理由があります。
住宅ローン控除もふるさと納税も、住民税や所得税から一定額を控除できるようになりますが、当然ですがどちらの制度を利用したとしてもその年度に収める予定の税金額から還付を受ける制度であり、実際に支払った金額を超えた控除は出来ません。
あくまでも納税した金額が上限となることには注意が必要です。
さらに、効率よく節税効果を狙うには、少し工夫が必要になってきます。
住宅ローン控除とふるさと納税を上手に併用する方法
それでは、住宅ローン控除とふるさと納税を上手に併用するにはどうすれば良いのでしょうか。
納税額を少しでも減らす(節税)ために、知っておくべきポイントを解説いたします。
確定申告をする方は注意が必要
確定申告をする場合、住宅ローン控除とふるさと納税のそれぞれの効果を効率よく発揮できない場合もあるので注意が必要です。
まず、確定申告をするなら、ふるさと納税した金額は所得税の控除に充てられます。
そのため、所得税が減り、同様に所得税を控除する住宅ローン控除の額が減ってしまう恐れがあります。
一応、住宅ローン控除が所得税から控除しきれなかった場合、住民税から控除出来るようになりますが、控除限度額が決められています。
住宅ローン控除においては、課税総所得金額の7%を控除することが出来るのですが、最大136,500円までと決められています。
また、ふるさと納税の控除がされてから住宅ローン控除がなされるので、効率が悪く上限額を満額控除させることが出来ない場合もあります。
「ワンストップ特例制度」を利用
住宅ローン控除とふるさと納税の節税効果を最大限発揮するためには、ワンストップ特例制度を利用するほうがおすすめです。
ワンストップ特例制度は、確定申告が不要な給与所得者が、ふるさと納税を利用した時に寄付をした自治体が5件以内であれば利用できます。
つまり会社から給料を受け取っている一般的なサラリーマンの方は利用できるということになります。
ワンストップ特例制度なら、ふるさと納税を利用したことによる確定申告も不要ですので、手続きも簡易で利用しやすい方法です。
ワンストップ特例制度は、ふるさと納税をした時の寄付金分の金額を、住民税から優先して控除することのできる制度であり、住宅ローン控除をしっかり活用することが出来るようになります。
これでそれぞれが同じ部分の控除をして無駄が発生するということを避けられます。
「ワンストップ特例制度」の利用方法
- はじめに、ふるさと納税をする自治体を選ぶ(5団体まで)
- ふるさと納税をする自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出する
- ふるさと納税を行う
の3ステップで完了します。
以上の手続きで、寄付をした自治体からお住いの自治体に情報が連携され、ふるさと納税をした翌年度の住民税が控除されます。
②の「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」については、手続き方法やフォーマットが各自治体によって異なる場合があります。
あらかじめ各自治体に問い合わせたうえで申請することをおすすめします。
「ワンストップ特例制度」を利用する時の注意点
ふるさと納税をする自治体を5件以内に抑えることが出来ればワンストップ特例制度は簡単に利用できそうですが、注意点もありますのでご紹介していきます。
住宅ローン控除初年度はワンストップ特例制度を利用できない
住宅ローン控除を利用する時、初年度は確定申告をしなくてはなりません。
つまり、初年度については確定申告をしない場合に利用できるワンストップ特例制度を利用することが出来ないということになります。
確定申告が必要となる場合はワンストップ特例制度を利用できない
ふるさと納税以外の理由で確定申告を行う場合であっても、確定申告を行うならワンストップ特例制度は利用できなくなります。
ワンストップ特例制度は確定申告しない方に限定して利用できる制度です。
住宅ローン控除を利用して2年目となっても、そもそも確定申告をしてしまえばワンストップ特例制度を利用することは出来ません。
一般的なサラリーマンの方でも確定申告が必要となるケースは以下の通りです。
年間の本業以外の所得が20万円を超える場合
副業などによって本業以外に収入を得ている場合注意が必要です。
ちなみにここで言う所得とは、収入から必要経費を引いた金額です。つまり、年間100万円稼いでいても、経費で85万出ていったら確定申告は必要ないということです。
給与収入が2,000万円を超える場合
会社員でも給与収入(額面の年収)が2,000万円を超える場合は確定申告が必要になります。
その他にも、医療費控除を行う場合や、事業所得や不動産所得、株取引による損失の繰り越しや損益通算をした場合などが該当しますから注意しましょう。
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まとめ
お手軽に始められて恩恵も大きいふるさと納税ですが、住宅ローン控除と併用する場合には、注意しなければ節税部分が無駄になってしまう恐れがあります。
具体的には、住宅ローン控除とふるさと納税を併用する際に、所得税からの控除部分が重なってしまい、本来控除できるはずの金額が無駄になってしまうのは残念です。
ワンストップ特例制度を利用すれば今回の件は解決することがお分かりいただけたと思いますが、これを機会に様々な節税制度をチェックしてみてはいかがでしょうか。
さらに併用できる節税制度もありますから、ご参考にしていただけると幸いです。